Something special?
特別なことは何もやらないのか?

2011.11.9 / Tanzania(Arusha) 本日 自転車0km走行 : Total 34720km走行
天気:曇時々晴 ネット:1
朝飯→宿の朝食 昼飯→カツどん 夕飯→ケバブ(チキン) / 宿→Arusha Backpackers(朝食つき14400シリング)

(English)
 Today I walked around Arusha city.



 隣にメルー山を臨むアルーシャの街、朝、宿のテラスから眺める外の景色が心地よい。さて、この宿、部屋にコンセントの差込口はあるものの、そこに電気が来ていない。部屋のライトはつくので、電気が通っていないワケではないのだが・・・フロントに文句を言いに行くと、「全部屋そうだ。コンセントに電気が来ていないのはキミの部屋だけではない。もし充電したいなら、フロントでやってあげるぞ」ときた。ということは、フロントのコンセントは使えるんですか?なぜ、部屋のコンセントには電気を通さないのだ・・・?差込口まで設置してあるというのに・・・?

 ということで、部屋ではパソコン作業ができないので、上の階のレストランのコンセントとテーブルを借りて、日記書き。日記を書き終えたところで、近所のネットカフェに行って、日記をアップ。

 そんなこんなで、あっという間に12時過ぎ。さて、今日は何をやるべぇか・・・ふふふ、実は、ここ、アルーシャには<日本食屋>があると聞いてまして。久々の日本食屋、そりゃ、行かないワケにはいかないでしょ、ということで、本日のメインイベントは、日本食屋<SAZAN>で日本食を食べるってことに決定。

 ランドマークとなるクロックタワーから、Old Moshiロードをちょっと歩いたところにあるという日本食屋<SAZAN>。クロックタワーへ歩いていたら「コンニチワ!」と怪しい日本語で話しかけられた。また客引きか・・・と思い、「一人で歩きたいんです」と適当にあしらおうとしたら、「覚えているか?昨日会っただろ?」と、そのタンザニア人が言ってきた。「ん?」と思って顔を見てみると、昨日、アルーシャバックパッカーズの場所が分からず、ウロウロしていた時に案内してくれたお兄さんだった。特に見返りを求めることなく、案内してくれたので、いいヤツだなぁ、と思っていたお兄さんだったので、そのまま話し続ける彼の話を聞くことにしたのですが・・・「サファリには行かないのか?これから、オフィスに来て話を聞かないか?」と来た。うぬぬ、やっぱり勧誘ッスか。「飯を食べに来たんで」と、ちょうどSAZANに到着したので、お兄さんを振り切るようにして別れる。

 さて、入店した日本食屋<SAZAN>、早速メニューを見せてもらう。一ページ目に書かれていたのは、蕎麦メニュー。かけ蕎麦やら、天蕎麦やら・・・ああ、写真を見ているだけでノックアウトされそう。蕎麦なんて、クスコで松尾さん宅でご馳走になって以来食べていないんですけど・・・ちなみに、<How to eat Soba>と、メニューに蕎麦の食べ方が英語で書かれているのが面白い。<You dip around three-fourths of soba into the juice. You strongly breathe in soba with air. It is manner in Japan to give a sound when you eat noodles.>と、写真入で書かれているのだが、初めて食べる外国人には、この説明では、ちょいと難しいんじゃないのかなぁ・・・

 なんて思いながらメニューを眺める。いや、ホント、メニューを眺めているだけで楽しい。ああ、なつかしの日本食。いろいろ悩んだ結果、結局カツどんに。いやぁ、海外で日本食屋に入ったら、とりあえずカツどんを頼んでしまう確率が非常に高いオイラ。ほかにも好きなものはたくさんあるはずなのに・・・なぜカツどん?中華食堂に入った場合、とりあえず、マーボー豆腐を頼んじゃうオイラ。うむむ、この定番なチョイスの裏に隠れている心理はこれいかに?

 さて、いただいたカツどん、そりゃ、美味かったです。カツはそれなりに厚かったし、卵もふわふわだし、ダシもきちんときいていて。付け合せの味噌汁も薄くなく、いい味だしていた。これで6000シリング(400円弱)だもんなぁ。う~ん、ここでランチするためだけにアルーシャに延泊してもいいかも。

 さて、お腹いっぱいになって、外へでたら・・・さっきのお兄ちゃんがまた声をかけてきた。うぬぬ、オイラが食事終えるのを待っていたんすか?勧誘も必死なんだなぁ・・・とお兄さんの根気に負け、とりあえず、話だけは聞いてみることに。で、連れて行ってもらったツアーオフィスでは、明日からマニヤラ湖、ンゴロンゴロ、タランギーレを3日間で周るツアーがあるんだが、どうだ!?と、猛烈にプッシュされた。一日140USドル計算で、3日で420USドル。まぁ、そこそこの値段だ。もっと安かったら、勢いで行けるんだけどなぁ・・・

 ということで、断念。オフィスを出ると、案内してくれたお兄さんが「どう?」と聞いてくる。「いや、ちょっと高くて」と答えると、「じゃぁもう一件、いこう、そこだと安いはず」ときた。いつの間にか知り合いの勧誘員と合流したらしく、二人に増えている。強引な勧誘員二人の誘いを振り切ることができず、そのまま連れて行かれるオイラ。で、次のオフィスでは、同じツアー内容が、一日150USドル計算だった。ぜんぜん安くないじゃん・・・

 ここも無理、ということで、お兄さんたちに「サファリは諦めるよ」と言うと、「じゃぁ、キリマンジャロ登山はどうだ?」と食いついてくる。「山登りは興味がないから」とウソブクと、「・・・特別なことは何もやらないのか?アルーシャに来たのに?」と返された。

 特別なことは何もやらないのか?

 ちょっと考えさせられる言葉だった。

 うん・・・確かにアルーシャは多くの旅行者が<特別なことをしに>来る場所だ。魅力的なサファリゾーンがたくさんあるし、キリマンジャロは近いし、マサイ村もあるし。オイラも、アフリカに来る前は、このあたりの<特別性>に心惹かれていた。でも、アフリカを自転車でゆっくり回っていると、この辺の特別性は、実はそんなに特別なことでもないのでは?と思うようになってきた。イベントとして、うまくパッケージされているんで、話を聞けば聞くほど魅力的に、そして、ココでしかできないようなものに、思えてくるんだが・・・よくよく考えると、サファリはサファリでしょ、登山は登山でしょ、村訪問は村訪問でしょ、と。実際行ってみても、新しい何かが見えてくることはないんじゃないかと、思えてきちゃったんですよ。

 もちろん、体験は体験なんで・・・やってみたら、行ってみたら、何かが見えてくることは間違いない。もし、お金が余っているのなら、こんなこと、ごちゃごちゃ考えていないで、興味の赴くままに、ちょっとでも心の琴線にふれるものに、どんどん突っ込んでいきたいのが、正直なところだ。でも、実際問題として、金銭的な限界というものがありまして。何かをあきらめざるを得ない。

 「特別なことは何もやらないのか?」

 特別なこと=お金をかけて楽しむこと、をやらなくても、旅は楽しめる。自転車旅は特にそうだ。移動そのものが旅イベントとなる自転車旅、お金をかけなくても、楽しいことが山のように起こる。

 しかし、お金をかけてこそ、楽しめるものがるというのも、事実。なんでもかんでも我慢するっていうのも、もったいない話。うむむ、なににトライして、何を諦めるか・・・この辺の線引きが難しく、これからずっと悩まされることになるんだろうなぁ・・・

 さて、二人の勧誘員の攻撃をここで振り切り、ようやく一人で街散歩。お金をかけずに楽しめる場所でる、マーケットへ。そこで、真っ赤に熟したアップルマンゴーを発見。オネエサンに頼むと、その場で切り分けてくれた。う、美味い、そして甘い!!!。そうそう、アフリカでも、マンゴーが安く食べられるよと聞いていたのだが、南の方ではぜんぜん見なくて。初めてマンゴーに遭遇したのは、ザンビア。ただ、ザンビア、マラウイのマンゴーは、季節のせいなのか種類のせいなのか、まだまだ青くて。食べても、マンゴー味はするものの、あんまり甘くなかったんですよ。で、タンザニアに入ってからようやく、甘いマンゴーに出会えるようになって。マンゴー好きとしては、熟しておいしそうなマンゴーを見つける度に、買って食べてまして。ちなみに、一個300シリング。日本円にして15円くらいか。ふふふ、日本じゃ、絶対この値段ではマンゴーなんて食べれないっしょ。そうそう、お金をかけずに、旅を楽しむとはこういうことなんです、ハイ。

 その後もマーケットをブラブラしていたら、大量に靴を並べている路商を発見。そろそろ今履いている靴がボロボロになってきちゃったんで、買い換えなきゃって思っているところだったので、一足買うことに。結構いい感じの靴を見つけ、値段を聞くと、52,000シリングとのこと。まぁ、普通の値段だ。が、とりあえず、値引き交渉、と30,000だったら買うと、強気に出るオイラ。いや、40,000までなら下がるけど、と路商のおじさん。じゃぁ、いらないです、と去ろうとすると、「35,000でどうだ?」「いや、まだ高いです」「しょうがない、30,000で売ってやろう」と交渉成立。うむむ、しかし、これだけ引いてもらったというのに、おじさん、ニコニコ顔で商品を渡してくれたところを見ると、現地人価格はもっと安かったに違いない。まだまだ値引けたか・・・

 さて、夕飯は、昨日と同じケバブバーベキューの屋台へ。ここ、サラダが自分で盛れるんで、野菜不足なオイラとしてはうれしいお店でして。味もいいし。で、このサラダ、昨日は遠慮がちにお皿に盛ったのですが、今日は、調子に乗って、お皿山盛りに。すると、お店のおじちゃんから「それは盛りすぎだ」と怒られ、追加料金を請求されるハメに・・・ああ、ここ、とり放題ってワケじゃなかったのか・・・と二日目にして気づく。

 と、こんな感じで食べ物に大満足のアルーシャ、おそらく明日は、食べ物目的で延泊なんスけど・・・明日も特別なことはなにもせずに過ごす・・・っつーのはなんだかなぁ、とも思ったりもするんですよねぇ・・・う~ん、揺れ動く旅ごころ・・・