(English)
I run down Tugen Hill and climb up Cherangani Hill. I could see the most beautiful scene from view point of Cherangani Hill.
|
|
昨日見つけたベストスポットからの風景、あまりにも素晴らしかったので、今日も、一日中見ていたい、と思ったのですが・・・宿がね、ちょっとビミョウなんで・・・いや、いい宿ではあるのですが、なんか落ち着けない雰囲気がありまして・・・今日、出発することに。こちらのトゥゲン・ヒルからの眺めは凄かったケド、きっと、向かい側にあるチェランガニ・ヒルからの眺めも素晴らしいに違いないと、期待して。
朝6時、日の出と共に自転車をこぎはじめる。というのも、日が当たり始めた瞬間のチェランガニ・ヒルの姿がメッチャいいんですよ。赤い朝日に照らされて、緑のはずの峠肌が、なんともいえない淡い色で包まれるこの時間。この色合いの峠の姿を下りながら堪能したいなって思いまして。ということで、本日、まずは、昨日がんばって上って来たトゥゲン・ヒルを一気に下る。ひたすら続く、坂道を一気に降りていく。一応、長い坂道くだりを想定して、昨日の晩、ブレーキパッドを新しいのに取り替えておいたので、ブレーキングは完璧。
急な下り坂を想定していたのだが、結構勾配は緩やか。うねうねしたスラロープが続き、ほどよい傾斜で下らせてくれる。道の状態もいいし、快適。途中途中で写真撮影のために立ち止まりつつも、あっという間に、谷底まで降りてきてしまった。ああ、上るのは大変でめっちゃ時間がかかるんだけど、下りはあっという間だ・・・なんかねぇ、毎回、この事実に、やるせなさを感じてしまう。
さて、谷底であるケリオ・バレー。一番下まで降りてきたら、トゥゲン・ヒルとチェランガニ・ヒルが右左にVの字で見れる画が楽しめるのではないか、と期待していたのだが、意外とそんなポイントはなかった。目の前にはドーンとチェランガニ・ヒルがそびえていて、振り返ると、トゥゲン・ヒルが雄大に横たわっているのだが、その両方を一度に見ようとすると、通り沿いに背高く生えている木々が邪魔して、ちょうどよいVの字が隠れちゃっているのだ。しかも、大地溝帯であるこのケリオ・バレー、両方の峠が奥の方まで続いているため、遠くに見えるVの字が、めっちゃ開きの大きいVの字になっちゃっているし。ということで、谷底からの眺めは、オイラ的にはイマイチ。ここで絶景が見れるようだったら、谷底で一泊しちゃおうかなぁと思っていたのだが、昼飯だけ食べて、チェランガニ・ヒルを上り始めることにした。900mも下ってきたら、やっぱり暑いし。体が、涼しい高い所を求めちゃって。早いところ、また1000m上って、涼みたい、ってね。
でもまぁ、谷底は谷底で楽しめたんですよ。谷を流れるケリオ・リバーが大地を削って作った見事な造形があちこちに見れて、オイラとしては大興奮。
そして、上り始めたチェランガニ・ヒル。比較的緩やかだったトゥゲン・ヒルと比べて、割と切り立っているチェランガニ・ヒルは、気持ち的に、ちょっと勾配が急なような気がする。一応、こちらも、上りやすいようにスラロープにはなっているのだが、そもそも峠が急なもんだから、ある程度の勾配は仕方ない。
途中、何度も休みを取りながら、少しずつ、上っていく。ああ、暑い・・・
気がつくと、周囲は素晴らしい山の景色で包まれていた。見上げると、切り立った岩肌から、水が流れ落ちる滝も見える。涼しげな景色がほてった体に心地よい。そして、ちょうど、カバルネットから40kmくらい来た所だっただろうか、<View Pointまであと100m>という看板が見えた。おお、こちら側には、ちゃんと、見晴台が設けられているのねん。トゥゲンヒル側はそんなのまったくなかったんで、ここはなんて、観光に対して不親切なところなんだろうって思っていたんだけど・・・で、辿り着いたView Pointで見たものは・・・
これを絶景と言わずしてなにを絶景と言おうか!
という風景だった。思わず息を呑んでしまった素晴らしい眺め。緑豊かに彩られた雄大な大地のうねり・・・この星が、緑の惑星、プラネット・アースであることを、これほどまでに感じさせてくれる場所が、他にあるだろうか。季節がよかったのかもしれない。天候にも恵まれたのもラッキーだった。とにかく、言葉にしがたい、ものすごい光景が目の前にあった。眼下に広がるこの風景を見ながら立ち尽くしていると、この優しい大地が、オイラを丸ごと抱擁してくれているかのような錯覚に陥る。猛烈な幸せ感で体中が包まれるのが感じられる。
この感覚をなんとか写真に収めようと思ったのだが、全然撮りきれなかった。ベストショットだ、とその時には思って撮って、日記に載せた写真でも、オイラがあの場で感じたものを1/100も表現していなかった。ビデオも、改めて見直してみたら、「スゲー!」としか言ってない。ここは、言葉になんてできないし(まぁ、もともとボキャブラリーは少ないオイラなのではあるが)、写真にだって納まりきれない。ここは、ホント、来てよかった、体感してよかった。体全体で、ここの雰囲気を感じれてよかった。
そんな最高の場所だった、このViewPointではあったのだが・・・ここにたむろっているガキンチョたちが最高にウザかったのが、唯一の残念ポイントだった。さすがに、絶景ポイントだけあって、観光客がよく寄るのだろう、そんな観光客目当てなのか、ガキンチョたちが居座っていて、ViewPointに入ると、すぐさまよって来て「ギブミー」攻撃が始まるのだ。自転車を止め、一番の見晴らし台から、眼下を眺めて浸っているオイラの横で、「ギブミーサムシング」と言ってくる。ああ、なんてこった。こういう風景は、何者にも邪魔されずに、一人で入り込みたいものなのに・・・まぁ、この風景は、そんな邪魔さえ、はねつけるほどの圧倒的な雄大さで迫ってくるところであったので、まだ耐えられたのだが。
で、ちょっと静かになったな、と思って見てみると、ガキンチョたちは、オイラのファニーバニーに群がっている。ま、例によって、見ているだけで、触ったり何かを盗ったりするわけじゃなさそうだから、慌てることはないんだけど・・・でもなんか、落ち着かない。一人だったら、2時間でも3時間でも、ここに座っていたところだったんだろうけど・・・このガキンチョたちのせいで、1時間ほどでこのViewPointから出発することに。ちなみに、オイラの後に、車でやってきた欧米人の観光客、降りた途端に、ガキンチョたちに絡まれ、5分ほどの滞在で、すぐ去ってしまった。ああ、もったいない。
ガキンチョから避けるようにして、去ったのだが、やっぱり、もうちょっとあの風景を堪能していたかったなぁ、なんてちと後悔の念を抱きながら、進む。先ほどのViewPointからしばらくは、道が山の中へ入り、谷を見下ろす風景が見えなくなったのだ。で、4kmほど進んだところで、いきなりまた目の前の視界が開けた。今度は、ViewPointと銘打つ場所ではないようなのだが、先ほどの場所に匹敵するほどの、素晴らしい眺めの場所に出たのだ。
うおお!!!
ここは、一人。ギブミー攻撃のガキンチョどころか、周囲には誰もいない。カメラをセッティングして、お得意の、背景バックのガッツポーズ写真を撮る。ホント、素晴らしい。一人で、こんな場所にたたずんでいたら、とにかく、テンションがあがりまくる。ここでも30分くらい風景を堪能。で、再び走り始めたのだが、またちょっと進んだら、これまた絶景の高台を発見し、そこでも、写真撮影をするため、停滞。ああ、もう前に進めませぬ。
さて、ここでは、ファニーバニーを手前にして、ケリオ・バレーバックの写真を撮ってみようと、ファニーバニーをセッティングすることに。が、立てかける適当なモノがない。しょうがないので、崖ぎりぎりの所に埋まっていた岩を支えにして、ファニーバニーを立たせることに。で、バランス、大丈夫だよな、と一応確認した後、手を離して、後ろに下がったオイラ、カメラを構えてシャッターを切り、よし、撮れたぞ、写真、と思った次の瞬間、
グラリ
と、前のハンドルが揺れ、ファニーバニーが谷底の方へと倒れていくではないですか!!!!!!
慌てて駆け寄るオイラ。しかし、もう遅い、ファニーバニーは谷底へ・・・と思ったのですが、なんたるラッキーなことか、支えにしていた岩がなんとか落下を食い止めてくれて、ファニーバニーは、横倒しになるだけですんだのだ。
ふいぃぃぃ・・・
安堵のため息をつくオイラ。ファニーバニーを起こそうとしたのだが、この倒れた姿がちょぴりファニーだったので、記念にと一枚パシャリ。いやぁ、ホッとした後だったから、ファニーな姿だとも思えたんですけど、実際は、ホント、危ないところだったんですよ。だって、向こう側は切り立った崖なんすから。
そんなこんなで、充分満喫したチェランガニ・ヒル走り。今日は峠上りがつらいなんて全然感じなかった。まだまだこの素晴らしい景色に包まれていたいなんて思いながら、走っていたら、途中で、<キャンプサイト>の看板を発見した。どうやら、ケリオ・バレーの風景を見れる絶好の場所にテントがはれそうな感じ。今日は、イテンという町で休もうと思っていたのですが・・・今日は、宿になんて泊まっている場合じゃないでしょ、今日は、野外!ケリオ・バレーを見ながら、たたずみたいと、キャンプサイトにチェックイン。
久々のテント、そして、ケリオ・バレーを眼下に見ながら、自炊・・・急遽のキャンプだったんで、食材は、米とサバ缶くらいしかなかったんですが、ふりかけご飯と、サバ、めっちゃ美味い夕飯だったなぁ・・・ああ、今日は、最高の一日だ。
|
|
|