Kakamega Forest National Reserve
深い緑が心理的に与えてくれるもの、それは心の落ち着き

2011.12.16 / Kenya(Kitale~Kakamega付近) 本日 自転車98km走行 : Total 35913km走行
天気:晴のち曇時々雨
朝飯→ケバブ 昼飯→ビーフシチュー 夕飯→ジャガ&にんじんの煮込み / 宿→Udo's Bandas&Campsite(15USドル)

(English)
 Today I arrived at Kakamega forest national reserve.



 キタレを出発して、次に向かうは、カカメガという場所。真っ直ぐウガンダには向かわず、一旦A104に戻った後、ウガンダとは逆の方向に走って、A1という脇道に入っていく・・・ええ、また寄り道です。そんな寄り道をしてまで向かうカカメガには何があるかと言いますと・・・レインフォレスト、熱帯雨林、いわゆるジャングルってやつがある場所なのですよ。

 「ここは地球上でもっとも活発に命が躍動するところ・・・熱帯の森、ジャングルです。陸地の面積のわずか7%にしかすぎませんが、地球でもっとも多様な生き物の世界が広がっています」 と、Planet Earth Vol.9で紹介されている、ジャングル。

 砂漠、サバンナのイメージが強いアフリカですが、アフリカにもジャングルはあるんです。ジャングルは、基本的に一年中日の光が当たり続ける赤道近辺に広がる森でして。アフリカでも、赤道が通る、ケニア、ウガンダ、コンゴ、中央アフリカにジャングルは広がっているのだ。カカメガの森は、そんなアフリカジャングルの一つ。ケニアで唯一熱帯雨林を保護することを目的として指定された国立公園<Kakamega Forest National Reserve>なのです。

 さて、そんな熱帯雨林・・・中米、南米を走っていた頃、いろいろなジャングルに足を踏み入れてはみたのだが・・・なんかピンとこなかったんですよ。テンションがあがらなくて。ただの緑の空間でしょ、という思い以上の感情が沸いてこない。オイラの中では、洞窟に次ぐ、ガッカリスポットになってしまっていたんです。

 なので、今回も、カカメガの森を知ったものの、行かなくてもいいか、くらいに思っていたのですが・・・気分が乗っちゃっている今なので、ま、行っとくか、と、軽い気持ちで行くことにしたんです。

 今日も快晴の天気の中、右手にエルゴン山を見ながら走る。心地いい風景が続く中、走り続け、A104に合流。合流地点が、ちょっとした町になっていて、ちょうど、昼飯時だったので、食堂を探したものの・・・このあたり、いい飯屋がない。薄暗い寂れた感じの一軒の食堂に入って、ビーフシチューをチャパティーを頼んだのだが・・・ビーフが硬い・・・ケニアの食堂にしては、珍しい低クオリティで残念。

 まぁ、一応腹は膨れたので、そのままカカメガ方面へ走り出す。と、ここまでめっちゃいい天気だったのに、カカメガへ向かうにつれ、雲が増えてきた。さすが熱帯雨林地帯だ。そうそう、この辺、雲行きが怪しいのは、雨季だからとかではなく、熱帯性気候だからなのかもしれない。熱帯雨林の植物が吐き出す水蒸気が雲を形成して雨を降らせる。これが、毎日のように繰り返されるのが、熱帯性気候なのだ。

 さて、ちょっと小雨が降り始めちゃった中、カカメガ森林公園へ到着。カカメガの森、入り口は二箇所あり、南側のゲートからの方が安く入れると聞いていたのだが・・・北から向かったオイラ、南側へ向かうのはめんどくさくなっちゃって、近いほうの北側ゲートから入ることにして、チケットを購入。

 ここ、カカメガの森は、自転車でそのまま中に入れるんですよ。公園内はラフロードであるが、一応踏み固めた道が続いている。園内自転車散策もやろうと思えばできるのだが・・・走り回るにしてはちょっと道が悪すぎる。雨で濡れているっていうのもあって、とりあえず、キャンプ地まで走って、あとは、歩いて散策することに。公園内走りは、ちょこっと走って終了。

 カカメガの森の中のキャンプ場でテントを張り、荷物を置いた後、身軽な格好で、周囲の散策開始。近くに、ビューポイントなる場所があるとのことで、行ってみることに。さきほど、自転車で走った道を交差するように延びている、森林の中を歩くトレイルに突入。

 空間を埋めつくすかのように生えている多くの木々の葉で覆い尽くされ、太陽光は地面まで届かず、熱帯雨林の中は、意外にも暗い。ムワっと湿気のある深い緑に包まれる空間の中、足場の悪い細いトレッキングロードを歩いていく。周囲は木と草だけ。やっぱり、ただ、木が生えているだけじゃん、テンションがあがらなし、どう楽しめばいいのかわかんないよ・・・

 と、思いながら歩いていたのだが、途中、コケに覆われた巨木の下に辿り着き、この魅力的な木に思わず手を伸ばして、触ってみた時、指先から伝わる木の鼓動が、オイラの心を落ち着かせてくれているのを感じた。そう、ここで、気づいた。レインフォレストは、テンションが上がる場所ではなく、気持ちが落ち着く場所なんだと。深い緑が心理的に与えてくれるもの、それは落ち着きなのだと。

 そう考えたら、木々の中を歩くのが心地よくなってきた。そう、テンションがあがることを望まずに、落ち着く心を楽しめばよかったんだ。気持ちが盛り上がらないと楽しくないなんて、子供だったんだなぁ・・・ちょっと大人目線になれたような気がする、オイラであった。

 さて、キャンプ地へ戻って、夕食。一応ね、食材は用意してあったものの・・・なんか、作るのが面倒になってきちゃって。今日の夕食は、キャンプ場の管理人のおじさんに頼んで夕食を作ってもらうことにしてあったのだ。おじさんの奥さんが作ってくれた夕飯。オイラが行くと、家族がテーブルを囲んでいて、キッチンからおじさんが器に山盛りにされた食事を運んで出てきた。これは、自分で食べれるだけ皿に盛るバイキング形式かぁ、みんなでつっついて食べるのかぁ、と思っていたら、「これは全部キミのものだ」って。ええ?・・・いくらオイラが大食いとはいえ、この量は食べ切れませんよ。そして、皆さんは食べないのですか?え?見ているだけ?この状況、メッチャ食べづらいんですけど・・・