(English)
Today I stayed at Newtopia.
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ニューイヤーパーティで、はしゃいだ子どもたちも、裏で支えていたボランティアもお疲れ様ってことで、今日はいつもより1時間たっぷり眠れることになりまして。7時に鐘の音が鳴り、起床。今日はいつもと違ってノンビリムード。
ポリッジを飲んだ後、オイラは水汲みをお手伝い。ナッちゃん、ヘンリー、ジョンのちびっ子たちがポリタンクを持って井戸に向かうのに付き添う。おてんばナッちゃんに振り回されながら、結構重労働な水汲みをやっていく。井戸についたら、ポリバケツを棒にくくりつけて作った柄杓で、井戸の底に溜まっている水を汲み取り、ペットボトルを切り取って作った漏斗を通してポリバケツに水を入れていく。ここの道具は、一見廃材と思われるものを、うまく再利用して作られているものが多い。水が溜まったら、ニュートピアまで戻り、キッチン脇においてあるタライに水を注ぎ、再び井戸へ。
4人で一往復くらいでは、必要な水には全然足らない。朝だけで、この作業を4往復くらいしないといけない。それでも、一日に必要な水には充分ではなく、午後、また同じように水汲みにいかねばならぬのだ。しかも、この水汲みは、洗濯など洗物用の水をゲットするもの。飲料水とするきれいな水は、さらに遠くにある湧き水地帯に行って汲んでこなければいけないらしい。う~ん、大変だ。ホント、こういうことは、実体験することで、身にしみて分かってくる。オイラたちが毎日浴びる水、ここにはシャワーなんてないので、5Lのペットボトルに入れられた水と、子どもたちが沸かしてくれて魔法瓶に入れて届けてくれる1Lのお湯を、たらいに入れて水浴びするのだが、この6Lの水を持ってくるのに、どれだけの労力がかけられていることか・・・それが分かっちゃうと、ただ、もう感謝の気持ちでいっぱいになり、水浴びをさせてもらうのが、申し訳ない気持ちになる。
まぁ、深く考えれば、そんな気持ちになるのだが、実際の水汲みは、子どもたちとワイワイやりながら、結構楽しかったりする。子どもたちの顔と名前が一致するようになってきたし、ニュートピアでの仕事の流れも分かってきて、ようやく、ここでの生活に慣れてきたって感じ。慣れてきたら、心に余裕ができてきて、楽しめるようになってきたんですよ。と同時に、ニュートピアのいろいろな面が見えてくるようにもなりまして・・・
例えば、「それにしても、ナッちゃんは、立ち振る舞いが女王様モードだな」、と気づいたり。カマウさんの娘さんである、ナッちゃんは、他の子どもたちとは違う扱いを受けている。甘やかされているってワケじゃないけど、カマウさんは特別にナッちゃんを扱っているのが、露骨に分かるのだ。昨日だって、誕生日パーティのナッちゃんに対する、カマウさんの親バカぶりな態度・・・そんなナッちゃんと、他の子の扱われ方の違いを見て、最初は、これでいいのか?って思っていた。ここが孤児院である以上、ここの子どもたちは、ある程度平等に愛情を注がれるべきなのではないか、と。
・・・が、後に、カマウさんから、ナッちゃんに対して特別に親の愛情を注ぎ込んでいるワケを聞かされて、なるほどと思わされる部分があった。以前のカマウさんは、自分の子を特別視せず、孤児院をやっていたらしい。が、そうではなく、<親が子に愛情を注ぐとはこういうこと>ということを、あえて子供たちに見せることの方が大切なのではないか、と気づいたという。今のままでは、親がどうやって子どもに愛情を注ぐのかを知らずに育ってしまう。そうではなく<カマウさんとナッちゃん>という親子関係を見せ付けることで、子どもたちが親になった時に、こうやって子どもに愛情を注ぐもんなんだ、ってことを知ってもらいたい、という意図があるとのことなのだ。一理ある、とは思ったものの、ナッちゃんだけ特別扱いされていることに、違和感や反発を感じる子どもたちもいるかもしれない。そして、なによりも、特別扱いされているナッちゃんが、私は特別という思いを抱いたまま育っちゃうかもしれない。なんかムズカシさを感じてしまった。教育に正解なんてない。長年子どもたちを育ててきたカマウさんの経験に、一週間しかいないオイラが、とやかく言えることではないが・・・この感じてしまった妙な違和感は果たして・・・
さて、水汲みはひと段落。いつもはポリッジな朝11時のおやつタイムになったのだが・・・昨日来てくれた来賓の人が持ってきてくれたらしく、今日はポリッジの代わりに、ジャックフルーツ。子どもたちが、ナタでざくざく切ってくれ、手ごろな大きさとなったジャックフルーツをいただく。ジャックフルーツも子どもたちにとってはごちそう。いやぁ、この二日間、子どもたちの胃はビックリしっぱなしかもね。
昼ごはん後、ボール遊びなどをする子どもたちを横目に見ながら、オイラたちは、作り残していたアスレチック最後のアトラクションの制作作業に励む。新しいアトラクションが気になったのか、遊びに来た何人かの子どもたちに、試験トライしてもらい、調整しながら、徐々に仕上げていく。
一息つこうと、宿泊部屋に戻ろうとしたところで、バナナを頭にのせたリリアンに遭遇。早くも夕食の準備らしい。今日の晩飯は、マトケか。それにしても、魔性な少女のリリアン、バナナを頭に乗せていてもキュートだぞ。
さて、午後の作業中、急に便意をもよおしてしまったオイラ、ボットン便所に駆け込もうとしたところ、3つあるうちの便所の一つのドアが開けっ放しになっている。ドアを開けっ放しにして、トイレをするのは・・・ジュニアしかいない。そんなジュニア、開けっ放しのトイレの中から、オイラが隣のトイレに駆け込んだのが見えたようで、「がんばれ~アンクルー」と、でっかい声で声援を送ってくる。「お前もな~」と返すオイラであったが、おそらくこのやり取りは、外に丸聞こえ。ちょっぴりこっ恥ずかしい。
さて、日が暮れて、夕飯に・・・と思ったところで、息を切らしたアサミさんが「男手が必要みたいなんで、ヨシさん来て下さい」と呼びに来た。アサミさんに連れられて裏手の方に行くと、豚小屋の周りに子どもたちが。何事?と思って小屋を覗き見ると、小さな小さな子豚が3匹ほど・・・どうやら、お母さん豚の出産らしい。で、陣痛でジッとしていられなかったお母さん豚が暴れ、小屋の敷居の棒を壊してしまったので、これを急遽修理しなくてはならなくなり、それを手伝って欲しいとのこと。サトシさんとドクターと共に、猛烈な匂いのする豚小屋に入り込み、まずは、生まれたばかりの子豚が、他の豚に踏みつけられないように、他の豚を隣の敷居に隔離。暴れる豚を三人で捕まえ、隣の敷居で待っている子どもたちに手渡す。なんとか二匹の豚を移動させ、隔離が成功した後、壊れてしまった敷居の修理。中から、オイラたちが敷居棒を支え、外から、釘で敷居棒を打ちつけてもらう。日が暮れて、真っ暗になってしまった中、懐中電灯の明かりを頼りに、なんとか作業完了。
これで、安心してお母さん豚のおっぱいを飲めるね、と生まれたばかりの子豚たちを見ると、いつのまにやら4匹に増えているではないですか。「さっき、プリッと、産んでたよ~」と子どもたち。う~む、そういえば、生命の誕生に立ち会ったのは、この旅で初めてのことかもしれない。いやぁ、ウサギを殺したり、子豚が生まれたり・・・生死が日常の隣にあることを強烈に感じさせてくれるニュートピアの生活。
それにしても、豚は子沢山というけれど・・・豚のお母さん、今日、何匹生むつもりですか?
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