Happy to meet you, Newtopia lovely Children!
ニュートピアを出発・・・何かが変わった気がする

2012.1.4 / Uganda(Kalivaliyo付近~Masaka) 本日 自転車67km走行 : Total 36503km走行
天気:晴時々曇 ネット:1 チェーン切れ:1
朝飯→アボガド+パン 昼飯→ライス+ビーフ 夕飯→フィッシュ&ライス / 宿→Vienna GusetHouse(16000ウガンダシリング)

(English)
 I left from Newtopia Today. Thank you very much for Kamau-san, Silvia-san, other stuff...and lovely Children!!!



 6時起床。いつものようで、いつもでない朝。今日はもう、ニュートピアを出発してしまう日となった。リンさんと一緒に自転車の準備をする。

 朝飯をいただいた後、いよいよ出発・・・と、ここで、カマウさんが、子どもたちを、出来上がったばかりのアスレチックの前に集めた。そこへ導かれるリンさんとオイラ。そこには、<リンリンパーク>と描かれた看板が!子どもたちのためにと、企画してリンさんが主導して、一ヶ月かけて作り上げたアスレチック。子どもたちで話し合った結果、<リンリンパーク>と名づけられ、その名を描いた看板を、カマウさんが、リンさんの出発前に、間に合うようにと、作ってくれまして。

 なんかねぇ、手伝ったオイラとしても、ジーンときてしまいましたよ。

 この場で、子どもたちに一言言葉をかける機会をもらった。オイラは、ここにいるニュートピアの子どもたちが、将来ウガンダを担う人に、新しいウガンダを作っていく人になっていくと確信している、という言葉を送った。そうそう、ニュートピアの子どもたちは、ニュートピアソングを歌った後、毎回必ず、「ニュートピアは新しいウガンダを築いていきます」という日本語の掛け声で締める。「あれを子どもたちに言わせているのは、自己満足なんだけどね」とカマウさんは照れ隠しで言うのだが・・・言葉には必ず力が宿るものなのだ。あの言葉が近い将来、現実に・・・ニュートピアの子どもたちが大人になり、ウガンダを変えていく日がくることを願っている、いや、確信しているぞ、オイラは。

 「Let's be Honest」「Let's be Effort」「Let's be Responsibility」・・・正直であろう、努力しよう、責任を持とう。これは、ニュートピアソングにも歌われている、ニュートピアの3原則。今のウガンダにはない(と言い切っていいものか微妙だが)、この3つの行動原理。カマウさんはここ、ニュートピアで、子どもたちにこの3つだけは徹底的に教え込んでいる。

 この3つは、身につけたニュートピアの子どもたちにとっては、大きな武器になると思う。逆に言うと、この3つを身につけているがゆえに、周囲のいい加減さに苛立ったり、戦いを挑まれたりすることもあるかもしれない。でも、そんなことに、負けないニュートピアの子どもでいてほしい。

 いざ出発・・・とその前に、せっかく自転車が二台並んでいるので、と、自転車の前で記念撮影をすることに。ムサンバとチゴンゴが自転車にまたがり、他の子どもたちも並んで、カマウさん&シルビアさんが入って、パシャリ。いやぁ、すごくいい写真を撮ってもらって、メッチャ嬉しい。なんか、この一枚に、ニュートピア生活の全てが込められている気がする。

 そして、自転車を押しながらニュートピアの門へと向かうオイラたちの後を、子どもたちが歩きながら送ってくれている。門まで来たところで、「バイバイ」と手を振りながら、走り去るチャリダー二人・・・と、かっこよくはいかなかった。リンさんは颯爽と走り去って行ったのだが、オイラは、未舗装砂地道にタイヤをとられてしまい、転倒・・・「アハハハハ」と子どもたちの笑い声が聞こえてくる。ちょっとかっこ悪いけど、なんか子どもたちが喜んでくれているみたいだから、ま、よかったかな、なんて思ってみる。

 涙の別れになるかな、ってちょっと思ったんだけど、涙は出てこなかった。たぶん、一週間だけだったから、まだ情が移る寸前だったんだろうな。もう後一週間ココに居たら、別れるとき、絶対泣いていたと思う。それくらい、子どもたちと濃い生活が送れるここニュートピア。来ようかどうしようか迷っていたけど、来てよかった。他では絶対に体験できないこと、他では絶対に感じ取れないことを体験そして感じさせてくれた、素敵な場所でした。

 ただ・・・いいところだけもないのも事実。ニュートピアでの生活は正直シンドイかった。充分に食べれない飯、蚊や虫に刺されまくりの体、匂いがキツイボットン便所・・・大変だと思いながらもアフリカ旅を9ヶ月続けているオイラでさえ、ここはシンドイって思うほどの、過酷さ。でも、そんな過酷な環境で、がんばっている元気に生きている子どもたちを見たら、弱音なんてはけないって思わされます。

 ボランティアってなんだろう・・・結局答えは見えてません。そして、ここニュートピアに、ボランティアで訪れても、何をやればいいのだろう、って悩んじゃうかもしれません。オイラは、なにかとやることが多い年末年始に訪れたから、日々を忙しく「なんかボランティアっぽいことをしている」と思いながら過ごすことができたのだが・・・普段の生活が繰り広げられているニュートピアを訪れたら、何もすることがなくて、逆に悩んじゃっていたかもって思う。トブさんみたいに、長い期間腰をすえて滞在するならまだしも、リンさんみたいに、滞在を延長して、遊び道具を作ってあげるならまだしも、ドクターみたいに、医療という技術を手にもって訪れるならまだしも。短期で訪れる場合は、ボランティアとしてやること、できることってなんなんだろう。だって、子どもたちは彼ら自身で、自分の仕事をこなせるし、こなしているんですから。

 だとすると、お金・・・って援助が一番手っ取り早いのでは、って思っちゃうんですが、これは安易に施すものではない、ってことは、カマウさんに強く教えられた。貧しい子に教育を受けさせてあげたいという想いから、日本からお金を援助して、あるアフリカ人の少年を学校に通わせてあげた人がいたという。が、実際援助を受けたアフリカの少年が、学校で勉強をしていたかというと・・・勉強もろくにせず、遊びほうけていただけだったらしい。カマウさんのように、志を持っている人であれば、援助金も有効に使われるのだろうが・・・頑固一徹なカマウさん、いわれのないお金をもらうのは苦手なよう。ニュートピアの現在の収入は、家畜などを売って入る少量のお金や・・・オイラたち、旅人が訪れ、お世話になる代金としてお支払いする宿泊料。年々訪問者が増えていることを、カマウさんは喜んでおられた。来てくれるっていうことが単純に嬉しいってこともあるのだろうが、ニュートピアの運営費が少しでも助かるってことも大きな要素としてあるのだろう。

 でもまぁ、難しいことは考えず、ここへ来て、子どもたちと戯れるってことだけでも、いいような気もするのです。

 オイラたちは、ニュートピアの外に出れば、また自由気ままな旅に戻ります。大変そうに見えるチャリ旅ですが、お金を出せば、好きな食べ物をたらふく食べることだってできます。蛇口をひねれば水が出てくる宿で過ごすことができます。自転車旅は大変なんかじゃないんです。

 ニュートピアを出て走り始めて、なんかコレまで見えていた風景と違ったモノが見えてきているように感じていることに気づきました。道ですれ違う子どもたちとの接し方も、以前に比べて、ずいぶん物腰が柔らかくなった気がします。ニュートピアで、何かがオイラの中で変わったのかも・・・ね。