Goto Danakil Depression
さぁいざ、出発:ダナキルツアー1日目

2012.1.26 / Ethiopia(Mekele~Hamedila) 本日 自転車0km走行 : Total 36729km走行
天気:晴
朝飯→アボガドジュース+パン 昼飯→チブス・インジェラ 夕飯→ペンネスープ / 宿→ハマディラのキャンプ宿(ツアー代金に含)

(English)
 Today we left from Mekele. We went to Danakil Depression.



 さぁ、今日からダナキルへの3泊4日のツアー。朝飯後、ユースケくんと一緒に、10時半に集合場所となっているミラノホテルの敷地内にあるツアーエージェンシーオフィスへ・・・が、あまりにも楽しみにしているためか、ユースケくんと興奮状態で話しながら歩いていたら、見逃すはずがないくらい大きなミラノホテルをなぜか通り過ぎてしまい、ミラノホテルを見失ってしまった。そんなこんなで、集合時間をちょっと過ぎてしまって、オフィスに到着。そこへ「どこに行ってたの?」とオフィスのお姉さんアババが、後ろから登場。遅れているオイラを心配して、オイラたちが泊まっていた宿まで見に行ってくれていたらしい。エチオピア人、結構几帳面。

 さて、今回のツアーに持っていく荷物は、寝袋と着替えの服と洗面用具くらい。ダナキルは、海抜0m地点にあり、昼間は過酷なほど灼熱の暑い地域らしいのだが、夜は寒くなるらしいので、一応ジャケットも持っていくけど。自転車や残りの荷物は、ツアーエージェンシーのオフィスに置かせてもらうことに。いやぁ、荷物が少なくてすむっていうのは、いい。

 そうそう、今回ツアーに行くのは、6人のイスラエル人グループって聞いていたのだが・・・今日になって、イスラエル人は一人だけということが判明。おととい、申し込む時に、遭遇していたガブリエラおばちゃんだけだった。結構いいかげんなんだな、ツアー会社の参加者管理って。それとも、状況が状況なだけに、参加者が流動的なんだろうか?

 で、オイラたちの後に、さらに遅れて一人の男性がやってきた。「よろしく」片言の日本語で挨拶してきた彼はアメリカ人で、名前はエリック。日本に旅行で行ったことがあると言っていて、日本大好きらしい。そして、音楽好きでもある彼、なんとかっていう聞いたことのない日本のハードパンクバンドを絶賛していた。「なんで日本人である君たちが、このバンドを知らないんだ!」って憤慨していたけど・・・日本でハードパンクって相当マイナーなジャンルなんで・・・音楽に興味があるオイラも<ガスタンク>くらいしか知らないぞ。ちなみに、エリック、例の事件のあったまさにその時事件現場となるエルタ・アレ火山を訪れるタイミングで、ダナキルツアーに行く予定だったらしいのだが、風邪を引いてしまい、いったんキャンセルしたために、助かったという、ラッキーボーイ。オイラ以上に、もしかしたら・・・ってヤツだったわけで。

 その後・・・誰も来ない。あれっ、ツアー客は4人だけなんですか?8人って聞いていたのに。「そう、結局5人になったのよ。で、もう一人、ポーランド人の男性が来るはずなんだけどね」とアババが言うのだが、そのポーランド人が、来ない。彼がどこに泊まっているのか分からないらしく、連絡の取りようもなくてアババは困っていた。ここで、エリックが「さてはニュースを見て怖気づいて逃げたな」と、アメリカンジョーク。あはは、それ、みんな心で思っていても、口に出しては言わないもんだと思うのだが・・・アメリカ人、エリックはとにかく思ったことは口に出すタイプのよう。ま、嫌味がないその言い回しは、周囲の空気を軽くする。この後も、エリックは、素敵なムードメーカーとなり、このツアーを盛り上げるのであった。

 さてさて、しばらくそのポーランド人が来るのを待っていたのだが、現れないので、4人だけで出発することに。車は2台で行くらしいので、先発車に、オイラと、ユースケくんと、ガブリエラおばちゃんと、エリックと、運転手のモーガスが乗って、本来スタッフカーである後発車に、ポーランド人のロベルトを乗せ、ガイドのネガーシと、料理お姉さんのアルガニッシュと、運転手のソロモンが乗って、そして、途中で、スカウトのポリスマン二人を拾って向かうことになった。

 出発した車は、ウクロへ向かう舗装道路を途中から外れ、未舗装の山道に突入していく。周囲は切り立った山に包まれ、風景は抜群。途中、絶景ポイントで、運転手のモーガスが車を止めてくれたので、車を降りて、見晴らしのいいところまで歩いて上ってみるオイラたち。そこからの眺めの絶景っぷりに、早くもテンションがあがり始める。

 そして、再び走り始めた車は、ひたすら山道を走り続ける。車はエアコンなどつけず、窓を開けて走っているので、次第に暑くなってくる外からの風が、どんどん高度は下がっていることを教えてくれる。ちなみに、向かっているダナキルは、ほぼ海抜0m地帯にある。2500mくらいにあった高地なメケレから一気に低地へと降りてくることになるのだ。さて、昼飯を食べないまま出発しちゃったので、いい加減腹が減ってきた。気づいたらもう15時過ぎ。と、モーガスが「ここで昼飯にしよう」と、寄ったのがブラレという小さな村。レストランに入り、チブスのインジェラ料理をみんなで食べる。

 昼食後、走り出そうとしたところで、ラクダの群れを発見。このブラレという村は、ダナキルにある塩湖から切り出した塩を運ぶラクダ商人たちが、立ち寄る村らしい。「近くで見てみたい」というオイラたちの要望を聞いてくれて、ラクダ商人たちがたむろする場所へ車を乗り入れてくれたモーガス。車から降りたオイラたちは、しばし写真撮影タイム。

 で、ちょうどいいということで、このブラレの村で、後発車を待つことになりまして。ラクダたちと戯れた後、この村のバーに入り、コーヒーを飲むことに。セレモニー形式で生豆をローストするところからはじめてくれたコーヒー、やっぱり挽きたては美味い。

 さて、後発車、ロベルトの到着が遅すぎるのか、それとも何かトラぶっているのか、ぜんぜん来ない。しょうがないので、コーヒーを飲み終わった後、しばらく村を散策。このあたり、アファール人たちが住んでいる。彼らはイスラム教で、キリスト教であるエチオピア正教な人たちとは、ちょっと雰囲気が違う。男の人は、スカートを履いているし、女の人は鮮やかな色のカラフルなベールをまとっている。そんな彼らを写真におさめようと、カメラを構えていたら、アーミー服を着たおじさんが、「こっち側にカメラを向けるなよ」と注意してきた。そう、この村は、半分は普通のアファール人たちの居住区になっているのだが、もう半分は、軍の駐屯地みたいな施設が建てられているエリアとなっているのだ。軍の駐屯地側は一切撮影禁止になっているらしく、カメラを向けただけで、カメラを没収され、そのまま返してもらえなかったこともあったらしい。

 そろそろ日が暮れるんですけど、今日はこのままここで宿泊ですか?・・・って時間になって、ようやく後発車が到着した。ロベルトは来たのだが、車の調子が悪くて、遅くなったらしい。すっかり暗くなってしまった夜道を、ヘッドライトで照らしながら、ダートな道を走り始める二台の車。

 そして、夜20時過ぎ、ようやく、今日の目的地であるハマディラに到着した。今日は、とにかく、移動のみ。絶景な山の風景を見たり、ラクダと戯れたりっていうイベントはあったけど、それらは、このツアーの主目的ではない。まずは明日向かうエレタ・アレ火山が初めのメインイベントとなるのだ。そういうエレタ・アレ火山も、到着するのは明日の夜。明日も、一日車で移動。そう、ひたすら車に乗っていることになるんですよ、このツアー。

 さて、到着したハマディラでログを計測していたGPSを見てみたら、高度がマイナスを記していた。おお!高度計がマイナスを指す場所は初めて訪れたかも。ちなみに、ダナキル・デプレッション、デプレッションとは低地という意味。高度が低いからか、ここは、暑い。もう夜だというのに、まだ暑い。

 「今日はここに寝泊りするから」と言われたのは、ほったて小屋のようなところ。キャンプ小屋ということで、一応、ベッドらしきものが用意されているのだが、ベッドは外に設置してある。「外のほうが涼しいから」ということらしい。確かに、ここは暑いのだが、風が相当吹いているので、その風が暑さを紛らわせてくれる。で、寝床であるベッドに荷物を置いた後、とにかく腹が減っているので、飯・・・ということになったのだが、アルガニッシュ姉さんが到着早々作り始めた飯は、まだまだしばらく出来上がりそうもない。ほったて小屋には電気なんてきておらず、持参したヘッドランプくらいしか明かりがないココでは、ボーっと待っているのも、なんだから、ということで、村のバーに、ビールを飲みに行くことに。

 ジェネレーターで発電した電気で薄暗い明かりを灯しているそのバーでビールを飲み終わり、お金を支払おうとした時に事件が発覚した。なんと、エリックの財布がなくなってしまったのだ。落としてしまったのか、掏られてしまったのかはわからないのだが、現金やらIDカードが入っている財布をなくしてしまったエリック。

 店内は薄暗く、周囲も真っ暗なため、探そうにも、探しきれない。とりあえず、警察を呼び、捜索をお願いすることに。が、やっぱり出てこない。「お金は諦めるから、なんとかカードだけでも探し出してくれ」とエリックはポリスマンにお願いして、今日のところは、宿に戻るオイラたち。さぞかし気落ちしているかと思いきや、「これで不幸な運を使ったから、もう襲われることはなくなったぞ」と自虐的にアメリカンジョークを振りまいて明るく振舞うエリック。いやぁ、オイラだったら、ひたすら落ち込んでいただろうな・・・こんな時、落ち込んじゃうと、せっかく楽しみに来ている他のツアーのメンバーの気分まで、落としてしまうものなのだが・・・エリックは、そういうことが分かっていて、わざと明るく振舞ってくれているのだろう。出来たヤツだ。とにかく、腹を満たして、元気出そうぜ、ということで、出来上がっていた飯を食う。今日の晩飯は、ペンネスープに、たっぷりの野菜に、果物。味は抜群。やるなぁ、アルガニッシュ姉さん。おいしい料理が食べられると、それだけでテンションはあがるってもんですよ。それにしても、もう、23時過ぎじゃないですか。夕飯がこんな時間って・・・そして、明日、火山に向かうんで朝早いんですよね・・・