(English)
Today I left from Elta Are Volcano. Here was fantastic place!!!
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朝、6時には飯を食べ始め、7時には出発すると言われていたので、5時半に起き、準備していたのだが・・・結局飯を食べ始めたのが7時近く。出発は8時。
そして、結局財布は出てこなかったエリックは、さぞかし気落ちしているかと思いきや、スカウトの銃を借りてランボーポーズ。あんたはどこまでお茶目なんだ、エリック。
さて、出発して走り出す二台の車。昨日は未舗装道とはいえ、まだ道らしく踏み固めてある道を走ってきたのだが、今日は道なき道の砂地走り。ランドクルーザーはこういう場所でこそ、威力を発揮する車だと思う。こんなところ走れないだろうっていうところを平気で乗り越えていくのだ。そういえば、こういう過酷な場所へ行くツアーで乗る車はランクルばかり。さすがトヨタだ。
そんな砂漠道、ところどころに、水の流れる場所がある。生き物なんて住めないだろうと思われるこんな場所でも、水のある場所には動物や人が集まるってもんらしい。ラクダ、牛、ヤギ、馬が水を飲んでいて、アファールの人たちが水汲みをしている。
さて、オイラたちが乗っているランクルは順調に走っているのだが、もう一台の車がすぐにエンストを起こして停車してしまう。出発時からエンジンのかかりが悪かったもう一台の車、砂漠道に入ったら、さらにひどいことになってしまったようで。エンジンが止まる度に、オイラたちが乗っている車と紐で連結させ、引っ張りながら、押しがけ状態で、エンジンをかけ、なんとか前進をしていたのだが・・・とうとうどこかのディスクが焼ききれて壊れてしまったらしく、完全に動かなくなってしまった。
ピンチです。
砂漠のど真ん中で車が動かなくなってしまいました。とりあえず、動かなくなってしまった車はどうしようもない。だけど、人は運ばなければならないってことで、一台の車でピストン輸送することに。まずは、オイラたち、ツアー客5人と、料理人のアルガニッシュ姉さんを乗せて、モーガスの運転で休憩ポイントまで走り、そこで、下ろす。で、オイラたちが、そこで昼食をとっている間に、残りのスタッフを迎えに行くという作戦に。
う~む、とりあえずは、それでなんとかなるけど、この後、1台の車でどうするんですか?ひょっとして、車一台では行けなくなったから、エルタ・アレ火山を見に行くのは中止にします、なんてことになるんじゃないよね、なんてユースケくんと話たりしながら、アルガニッシュ姉さんが用意してくれた昼飯を食べる。
飯を食い終わり、しばしラクダと戯れる。ちなみに、ラクダの足って、関節が、一つ多い。膝にあたる部分が二つある。なんか挙動が不思議に見えるのは、この二つある膝による歩行に違和感があるからなのだろう。
そうこうしていたら、スタッフたちを乗せた車がやってきた。さて、ここからどうするか、作戦会議。本当は、火山ふもとのキャンプ場まで二台の車を使って、全員で行く予定だったのだが、車が一台になってしまったため、アルガニッシュ姉さんとソロモンはここで待機することになった。アルガニッシュ姉さんには、ここで夕飯を作ってもらい、飯だけ運ぶという作戦だ。そして、残りのメンバーを一台のランクルに乗せ、火山に向かうことにしたというのですが・・・残りのメンバーって・・・オイラたちツアー客5人と、運転手のモーガスと、ガイドのネガーシと、スカウトのポリスマン2人の計9人が、1台のランクルに乗るってことですか?いや、ここから現地のガイドが同行することになったから、10人が乗るってことなんですか?
そう、10人が一台のランクルに乗ることになったのだ。ま、こうするしか他に方法はないし。ということで、運転席にドライバー、そして助手席に二人。後部座席に三人、今まで荷物入れに使っていたトランクルームは荷物を減らして、人を三人詰め込むことに。が、これだけしても、人は入りきらない。一人乗らない。で、その一人は、車の天井ルーフに荷物とともに乗ることになった。
ま、ここまできたら、なんとしてでも、火山に行ってもらわないとね。
さて、そんな状態で車は、エレタ・アレ火山へ走り始めた。周囲は砂漠道から、次第に火山岩がゴロゴロしているゴツゴツ地域に変わってきた。岩を乗り越える度に、車が上下にジャンプする。上の荷台に乗っているガイドのネガーシは大丈夫なんだろうか?
そして、ちょうど日が暮れ、周囲が暗くなってきたところで、エレタ・アレのふもとにあるベースキャンプ地に到着。車で入れるのは、ここまで。ここから3時間かけて、エレタ・アレ火山の火口まで歩いていくのだ。もともと、今日は、暗くなってから、火山に登りはじめ、夜真っ暗な中で、燃え滾る火山のマグマを見るっている予定だったので、車トラブルで、到着が少々遅れたのはあるのだが、特に問題なし。
で、このベースキャンプには、アーミーが常駐している。ここから先は、例の事件があった場所でもあり、エリトリアとの国境を巡るいざこざや、アファールの過激派の活動などがあるため、アーミーの同行なしでは、踏み込めない場所なのだ。そして、このベースキャンプに常駐しているアーミー、あの事件があったため、増員されている、100人はいるよ、と、事前にメケレのインフォメーションでは聞いていた・・・のだが、見たところ、そんなにいっぱいはいないようなんですけど・・・暗いからわからないだけなんですか?
とにかく警備が強化されているから、って聞いていたから安全だろうって思っていたのに・・・同行してくれることになったアーミーの数も思ったより少ない。これって、40人くらいの武装集団に襲われたら、結局どうにもならないんじゃ・・・なんて不安を若干抱えながらも、ここまで来たからには、もう行くしかない。運を天にまかせ、歩き始める。と、ここからは、暗闇の中の歩き。ヘッドランプで足元を照らしながら溶岩の固まったゴツゴツの大地の上を歩く。ただ、山といってもそんなに勾配のある山ではないので、比較的楽な道が続く。
2時間半くらい歩いた頃、オイラたちが進む方向の遠くの空が、ぼんやりと赤くなっているのが見えた。「ひょっとしてあれは、火山のマグマの明かりですか?」と聞くと「そうだ」とのこと。うひょー、今日も活発に活動しているようで、こりゃ、楽しみだ。
で、火口近くにあるキャンプ地に到着。本当は火口の脇で寝たいところなのだが、それはあまりにも危険ということで、火口からちょっと離れた場所にあるキャンプ地が本日の宿泊地となる。とはいえ、火口まではもうちょっと。目の前の暗闇が赤く揺らめいている。マグマによる紅蓮の揺らめきだ。「先に飯にする?それとも、先に火口を見に行く?」とガイドのネガーシが聞いてきた。確かに腹は減っているのだが、ここまできたら、落ち着いて飯なんて食っていられない。もう、火口を見たくてしょうがない気持ちは全員一緒。ということで、まず、火口を見に行くことに。
赤い光がどんどん近づいてくる。そして・・・ついに火口に到着。
でっかく広がる火口を覗き込む。
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉ!!!!!!
声にならない声が口からもれた。
す・・・・・・・・・・・・・スゲェ・・・・
これを見たかった!!!燃え滾るマグマ。
大地溝帯。地球の裂け目。地球の内部にもっとも近いと言われている場所。これが、地球の内部の光景か。
ただただ、もう、目の前の光景に圧倒された。
火口正面の割れ目から、激しくマグマが脈打っている。脈打つマグマが火口の壁に当たり、赤オレンジの強烈な光が、周囲に飛び散る。この飛び散り方が半端ない。数百メートルは離れているであろう、オイラたちが立っている場所にさえ、下手すれば、飛び散ったマグマが襲ってくるなんてことも考えられるくらい激しくマグマを吐き出しているのだ。この動的な光景がたまらない。
マグマをこの眼で見たいとは、ずっと前から思っていた。が、マグマにもいろいろある。ドロドロとしたものが、ゆっくりとうごめいているマグマではなく、とにかく激しくうごめいているマグマを見たかった。地球の激しさの象徴をマグマに求めていた。その<激しいマグマ>が、このエルタ・アレ火山では見ることができるかもしれない、と聞き、なにがなんでも、ダナキルに行きたくなった。あの事件があったと聞いても、ダナキルに行くことを諦めきれなかったのは、なんとしても、<激しくうごめいているマグマ>が見たかったから。そして、諦めずに来てよかった。単にマグマを見れる場所だったら、こんなには感動しなかっただろう。<こんなにも激しくうごめいている>このエレタ・アレ火山だからヨカッタ。これだ、この光景を見たかった。この光景は、オイラの心をわしづかみにして離さない。
マグマが脈動し、奇妙な空気音とともに飛び散る。これはまさに、地球が呼吸しているようだった。しかもただの呼吸ではなく、荒々しい呼吸。地球が激しく躍動している惑星であることをまざまざと見せてくれる光景だ。
これまで見てきた地球はいかに静寂なものだったのか。
地球のウネリを感じさせてくれた場所はいくつも見てきた。
けれども、この光景を見た後では、それはもう静寂でしかなくなってしまった。
地球・・・の概念を大きくひっくり返された。
これぞ、地球の咆哮。
正直、怖い。
この場に立つと、美しさなんて感情は生まれ得ない。ここにいる人間を包む感情は恐怖のみ。
肌を焼け焦がすようなものすごい熱、息することすら許さない猛烈な異臭、心を不安にさせる低周波のウネリ音・・・五感すべてが<ここに居ては危険だ>と警告してくる。
地球本来の姿は、あまりにも激しすぎる、人間を畏怖させる存在なのだ。
美しいと感じさせてくれる、青い空、穏やかな海、険しく聳える山の峰峰・・・これら姿は地球の仮の姿。
その姿の裏には、人なんて一瞬で消し去る猛烈なエネルギーが渦巻いている。
僕たちはこんな惑星で生きているのだ。
オイラは、今日、この日みた地球を一生忘れない。
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