(English)
Today was third day in Simien Mountains.
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朝、昨日の夕日ポイントまで、また歩けば、素敵な日の出が見れるとは思ったのだが・・・今朝は最高に寒い。朝の寒さに勝てず。テントから出られなかったため、断念。
太陽が昇ってきてから、テントから這い出し、いつものように、朝飯を食べ、テントをたたんで、出発準備完了。そしてこれまたいつものように、テント類を詰め込んだオルトリーブのバッグは、持って行ってもらうよう、預ける。
今日は、結構険しい道を歩くことになるらしい。見晴らしのいい高い場所に行くため、登り道になるのだ。昨日、おとといの歩きで、疲れ気味のアンは、馬に乗っていくことを選択。シミエンのトレッキングロード、こんな風に、途中から歩きたくない、って思った場合、助けてくれる馬を連れた地元の人たちがいたるところに存在している。ということで、気楽に、馬を頼めるのだ。しかも、値段も、半日乗って、130ブルとのこと。うむ、まぁ、値段的にもアリな、選択でしょ。
さて、アンが馬に乗って進む中、オイラとブライアントマティアスは、ジョナスの後について歩き、一番後ろからスカウトのガウおじさんがついてきてくれる。しばらく歩いて、シミエンの絶景ポイントと呼ばれる、イミットゴーゴーに到着した。う~む、期待しすぎちゃったのか?正直、オイラ的には、初日および、二日目の午前中に見たパノラマ風景の方が好きだったし、テンションがあがったぞ・・・なんて気持ちになってしまった。ここでは、イマイチテンションがあがりきらない。これは、景色慣れしてきちゃったってこともあるなのかなぁ・・・なんて思ってみる。
せっかく素敵な景色が見れると思って登ってきたというのに・・・
そう、なんか、オイラは高いところに登ればいいっていう男ではないらしい。素敵な景色が見れるのあれば山にも挑むが、別に山に登りたいワケではないのだ。「山があるから登る」そういう感覚ではない。「あそこに行ったらきれいな風景がみれそうだから、行ってみる」という感覚なのだ。山の頂上を目指して山を登る人は多いだろう。その人たちは、ピークハンター(山の頂上に挑む人)と呼ばれる人たちなのだが・・・オイラはピークハンターなんかではないのだ。そこからの眺めがワクワクしそうな場所に挑むだけなのだ。もちろん、高い場所からの眺めに絶景が多いのも事実。だから、山に登ることにはなるんだけど・・・オイラがこの旅で登ってきた山々の遍歴を見返すと、この感覚が分かってもらえると思う。キリマンジャロとかで、どうしても登ろうって気持ちが起きなかったのは、キリマンジャロに登ったところで見れるであろう風景にワクワクしなかったからだろう。そのワクワクさせてくれる材料を事前に入手できなかったからだろう。<アフリカ最高峰>っているだけの響きでは、心が動かないのだ、オイラの場合。<アフリカ一の絶景が見れる>というものでないと、挑みの心が沸いてこないのかもしれない。
と、素敵な風景を期待したからそこ挑んだ、イミット・ゴーゴーではイマイチな気分。それは、単に、<スゴイ眺め>を求めていたからかもしれない。イミット・ゴーゴーに着いたら、今まで以上のパノラミックな風景が見れるのでは、なんてことを求めちゃっていたのだ。実際、山の風景がそんなに激変することはなく、確かに、今までよりは迫力がある風景になったものの、大きな違いがあるワケではなかった。
ということで、シミエンに来たのは大正解だったけど、イミット・ゴーゴーに期待しすぎたのは、失敗だったかな・・・なんて思っていたのだが、ここからは、しばらく崖の縁に沿って続く道を歩いていたら、だんだんテンションがあがってきた。この道、脇が壮絶な崖になっている。上からの眺めがスゴイ。谷底に引き込まれそうで、怖い。上から崖の下を覗き込むと、金玉がヒュゥってなる。パノラマ風景的には、ちょっと期待はずれなところがあったんだけど、この崖っぷちな迫力はすばらしかったのだ。そう、ここは、遠くの景色を眺めることを楽しむ場所ではなかった。地面に這いつくばって、崖の下を眺め、引き込まれそうな感覚を楽しめばいい場所だったのだ。視覚ではなく、金玉がヒュゥってなる感覚。これは、面白い楽しみ方を発見した。
ということで、なるべく、この崖っぷちで、金玉がヒュゥってなる感覚を楽しむことにした。昼飯を食うことになったイナティエというポイントも、恐怖の崖間際な場所。わざわざ、金玉がヒュゥってなる岩の上に座って、ハンバーガーにかぶりつく。
そして、昼飯後、午後からの道は、そんな崖沿いを一気に下りる道になった。さっきまで上から眺めていた崖の切り立った面が、横から眺められるようになってくる。見上げて眺められるようになってくる。金玉がヒュゥってなる感覚は、次第に薄れていくのだが、切り立った崖の大迫力に圧倒される。崖越しに連なる山々の景色に心が動く。やっぱり、ここもいい。
午後は下り坂だけだったので、歩くペースも早くなり、今日はちょっと早めに、今日の宿泊地であるチェネケキャンプ地に到着した。いつものように用意されていたティーとコーヒーを飲みながらくつろいでいると、テントの中でゴソゴソと探し物をしていたアンが、カードゲームを取り出してきた。「これ、やりましょう」と見せてくれたのが<Skip-Bo>というゲーム。し、知らない・・・「ルールを知らないよ」と言うと、早口で教えてくれるアン。「分かったでしょ」と言われても、半分以上分からなかったのだが「うん、まぁだいだい」と答えてしまうオイラ。分からないと言って、もう一度説明されても、どうせわからないのだ。
まぁ、やっていくうちに分かるでしょと思って始めたら・・・やっぱりそんなに複雑なゲームではなく、すぐにルールは把握できた。1から順にカードを出していくだけ。出せるカードがなくなったら、次の人に移っていく。これをひたすら続けて、最初に配られた手持ちの20枚のカードがなくなれば、勝ちという単純なゲーム。と、ルールはすぐに分かったのだが、これ、勝つための戦略がよくわからない。ゲームである以上、運とともに、勝ちにつながる戦略があると思うのだが・・・それを見極める前に、日没となり、ゲームが終了となってしまった。結局マティアスが二連勝で勝ち逃げ・・・
さて、本当は、日没前に、夕食を出すつもりだったディデイ。オイラたちがカードゲームに盛り上がっていたため、終わったタイミングで夕食を運んできてくれた。が、すでに日没後。外があまりにも寒い。前菜となる熱いスープだけはがっつり4人でいただいたのだが、ここであまりの寒さに耐えられなくなった、オイラ以外の三人。スープの後に運ばれてきたメインディッシュは、軽く盛った一皿だけ食べ、早々とテントに退避するハメに。持って来てくれた時には暖かかったメインディッシュも、一瞬のうちに冷えてしまう夜のシミエンの寒さ。それほどまでの寒さなのだが、腹が減ることが寒いことより耐えられないオイラだけは、一人寒空の下に残って、モソモソと食べる。そんなオイラに、今日もコック姿のティディが「ヨシが食べてくれるので、作り甲斐があるよ」と、ちょっと寂しげな表情をしながら言うのであった。
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