Go to Ethiopia South
南部旅は大変そうなので・・・

2012.2.15 / Ethiopia(Addis Ababa~Arba Minchi) 本日 自転車0km走行 : Total 36729km走行
天気:晴 ネット:1 自転車折りたたみ:1
朝飯→ツナサンドイッチ 昼飯→ファスティングパスタ 夕飯→フィッシュスープ / 宿→Aruba Minchi Hotel(100ブル)

(English)
 I left from Addis Ababa by air. I'll travel south Ethiopia with no bicycle. My bicycle stayed in Addis Ababa.



 よくよく考えたら、あまり時間がなくなってきている残りのエチオピア滞在日数。二月末にセネガルのダカールに飛ぶことを考えたら、あと半月しかない。いざとなればまた航空券の出発日の延長手続きをすればいいのだが・・・うん、ま、そうすればいいか、エチオピア楽しいし。

 さて、いよいよ出発することにしたエチオピア南部。が、北部に比べて、移動が大変だという噂。特に、オイラが向かおうとしているオモバレー地域は、道は未舗装が多いし、公共のバスの本数も少ないらしい。

 なんかねぇ、ちょっとめんどくさいらしいのですよ。

 う~ん、陸上移動がめんどくさい時には、飛行機。ええ、もう、すっかり楽することを覚えてしまいまして。まず、飛行機で飛んじゃうことにしました。ま、でも、飛行機チョイスにしたのは、単にめんどくさそうだっただけでもないんです。大地溝帯が走るこのエチオピアの大地、また空から地球の割れ目ってやつをじっくり見てみたいっていう目的がありまして。ちなみに、オモバレー地域の玄関口となるアルバミンチまで、飛行機では53USドルで飛べるとのこと。バスで行くと2日くらいかかるらしいんでが、移動費に食事代宿泊費を含めても1500円くらいですんでしまうみたい。まぁ、金額だけを考えれば、バスなんですが・・・大空からの大地溝帯観覧ツアーと思えば、飛行機も許容できる値段かな、と。飛行機だと1時間で行っちゃうし。バスで疲れ果てて、オモバレーの玄関口に到着するより、気合が残っている状態で、玄関口に到着できたほうがいいだろうし、とも思いまして。

 ということで、昨日、エチオピア航空のオフィスに行って、アルバミンチ行きの航空券を買ってきちゃっていたんです。実は、もっと先のジンカって町まで、飛行機で飛んでしまいたかったんですが、以前は就航していたアディスージンカの便、今はもう、飛んでいないとのこと。なんでも、ジンカの空港が町にあまりにも近くて、騒音とか、危険度とかいろいろ問題になったらしく、ジンカの空港に飛行機を飛ばすのをやめちゃったらしいのですよ。

 さてさて、本日のアルバミンチ行きの飛行機はヨーロピアンタイムで13時45分発。時間はたっぷりあるので、早めに宿をチェックアウトして空港まで歩いていくことに。自転車で何度か走っているこの道は、勝手知ったる道なんで、迷うことなく行けたんですが・・・自転車で走った時と違ったのは、子供たちの絡み。ティッシュ売りの子供がひたすらしつこく絡んでくる。買わないっていうのに、ひたすら絡んでくる。1ブルのティッシュなんて売り歩いていても、売れないだろうし、儲けもないだろう・・・なんでこんなに必死に・・・って思っていたら、子供たちは、ひたすらオイラを触ってきている。特にポケットあたりを。うむむ、ティッシュ売りはカモフラージュで、スリが本業なのかいな。残念ながら、金目のものはポケットには入れていないぞ、キミたち。

 歩くと、結構距離があった空港までの道のり。が、時間に余裕をみて出てきたために、全然間に合う時間に到着。背負っていた荷物を入り口のセキュリティーでチェックしてもらって空港ロビーへ。うん、今回は簡単楽チンだ。自転車がないから・・・ん?自転車は?相棒のファニーバニーは?ええ、アディスのタイトゥホテルに置いてきちゃったんです。北部旅で、結局1回しか乗らなかったし・・・まぁ、町に到着した時とか、ちょっとした距離はちょくちょく乗って走っていたんですけどね。走ったら走ったで、心地よかったってのも事実。が、やっぱりバスと自転車という対等に選択肢が目の前にあったら、バスを選んじゃう自分がいまして。結局、ハイブリッド旅は・・・人間選択肢が二つあると、楽なほうをチョイスしてしまうという結果が導かれました。

 ということで、今回ファニーバニーはアディスでお留守番。一応、今回も、持っていこうかどうしようかは、相当悩んだのですよ。持っていっても、また乗らないだろうなぁ・・・でも、交通手段がないから自転車があると便利かも、って話もあるし、後から持っていかなかったことを後悔することにならないかなぁ・・・なんてね。が、南部は、道がとにかくひどいって聞いてまして。車もあまり通らないような道を自転車で走りたくない・・・しかも、涼しいならまだしも、オモバレーは低地になるんで、相当暑いらしいし、と、持って行かない理由を心に並べ、自分を納得させて置いていくことに。

 で、今回は、自転車を持っていかないだけでなく、荷物も極力減らしたんです。持って行くのはカメラ、パソコン、iPod、GPS、着替え、タオル、サンダル、洗面用具、トイレットペーパー&ウェットティッシュ、帽子くらい。

 定刻どおりにボーディングが始まり、飛行機へ乗り込む。飛行機は前回と同じ、小型機。そうそう、今回の飛行機は、大地溝帯観覧ツアーのつもりですからね。もちろん、窓側の席をゲット。前回メケレに飛んだ時は、何も言わなかったら、通路側の席になっちゃって。お隣の窓際の人に、たぶん、ウザがられながら、写真をバシバシ撮っていたんで・・・今回は、ちゃんとチェックインカウンターでお願いして、窓際の席へ。

 いざ離陸。飛び立ったら、いきなり、火山が見えてきた。う~ん、いい景色だ。乾いた大地にモッコリと火山。上から見えるクレーターがうれしい。その後、しばらく平地が続く。うむむ、メケレの時は、もっと山岳地帯でゴツゴツしていたんだけどなぁ・・・南部は、意外とおとなしい。ちょっぴり期待はずれの感が。もっと大地の裂け目が見れると思っていたのに・・・と思っていたら、なんか、川みたいなのが見えてきた。ふ~ん、川かぁ、なんて思っていたのだが、よくよく見ると、川が始まっていると思われる場所に、水源がない。うむむ、これは、地球のヒビか!!!おおお・・・地球が割れているよぉ・・・これこれ、これが見たかったのよぉ。いやぁ、今回も飛行機で正解だったな。メケレに向かう途中の空から見れた裂けっぷりの方がダイナミックだったけど、こちらの割れ具合は、<ヒビ>って感じで、妙にリアル。これはこれで、素晴らしい。両方見れてよかったぞ。

 で、地球のひび割れ地帯の後は、湖が見え始めた。心地よい風景だ。と思ったら、飛行機はもう着陸準備を始めてしまった。え?もう?まだ45分くらいしか経っていないんですけど・・・そう、飛行機だとあっという間なんです、アディスーアルバミンチ間。

 さて、今回預け荷物もなかったので、サッサと空港の建物を出るオイラ。空港からアルバミンチの町まではちょっとした距離がある。いつもだったら、ここから自転車に乗って、町まで走るのですが・・・今回は自転車がない。さてどうしようか、と思っていたら、「アルバミンチの町まで送っていくよ」という客引きのお兄ちゃんに捕まった。バイクタクシーのお兄ちゃんのようだ。まぁ、道も分からないことだし、連れて行ってもらうか、とお願いすることに。

 とりあえず、アルバミンチの町に出た。アッパー地区であるセチャ地区へ。ここで、安くていい宿に案内してもらう。お兄ちゃんは80ブルって言ってたのに、実際には100ブルになってて、アレッと思ったのだが、まぁ、居心地よさそうな宿だったので、ここにチェックイン。で、送ってくれたバイクのお兄ちゃん、この宿に泊まっている欧米人カップルと知り合いのようで、なにやら彼らと話している。そして、オイラに話しかけてきた「彼ら、明日から南部を車をチャーターして周るんだけど、人数を増やしたいらしい。キミも行かないか?」と。むむむ、なにやらよさげなお誘い。話を聞いてみると、オイラが行こうと思っていたルートとほぼ同じルートを周るとのこと。これは、ぜひ、と思ったのだが、値段を聞いて、気持ちが萎えた。5泊6日で、450USドル。まぁ、相場はこんなものなのかもしれないが・・・高いっちゃぁ高い。自力で周れば、ぜんぜん安くすむって話を聞いているし。

 ただ・・・ここから先は、実際問題として、自力で周れるかってところが悩ましいところでして。この先のオモバレー地区、乗り物を捕まえるのが大変らしいのだ。このお兄ちゃんも、「オモバレーは、車チャーターして行った方がいい」としきりに勧めてくる。うむむ・・・と悩んでいたら、このお兄ちゃん「車が無理なようだったら、ガイドだけつけて行ったらどうだ?移動手段はガイドがなんとかしてくれるので、キミはいらない心配をしなくてすむ旅になるよ」と、言ってきた。ちなみにガイドだけだといくらなんですか?と聞くと、5日で300USドルとのこと。う~む、安くなったけど、車なしってことを考えると、ちと高い気もするなぁ・・・とも一瞬思ったのだが、頭の中では、頼んじゃうかって思いが膨らんじゃいまして。うむむ、これが、交渉ごとのマジック。450から300に下がると、とてもお得感が心の中に発生してしまうのだ。最初から、ガイドだけだと300ね、と言われていたら、高いって思って即断っていたかもしれない。が、450の後の300だったため、ま、いいか、と思ってしまう、この流れ。

 そんな流れに乗せられて、フラフラと、300USドルで、ガイドをお願いすることにしちゃっいまして。う~む、よくよく考えたら、高いっちゃぁ高いか。いかんな、エチオピア、すっかり金を使う癖がついちゃってます。ホントにいかんです。とても長期旅をしている人とは思えない散財っぷりです。オイラも、払った後、しばらくちょっと、やっぱり止めておけばよかったかな、と後悔もしたりしたのだが・・・結果的には、まぁ、頼んでよかったって思える、オイラ的には楽しく充実した南部旅になったんですケドね。しかし、ガイドは、いい面も悪い面もありますな。他の人には、あまり、お勧めはしませんけどね、アルバミンチからのガイドのみのツアー。いろいろあったんで・・・詳しくは後の日記で・・・その日記を読んで、こんな旅がしてみたいと思った人だけ、ぜひチャレンジしてみてくだされ。

 そうそう、オイラがここからガイドを雇うことにしたのは、交渉のマジックにはまってしまったってのもあるのですが、エチオピアで、ダナキル、シミエンと、ツアーで行った二つが、非常に楽しく、満足できるものであったからっていうのもあったんです。二つとも、自分ひとりで行くのとは違った旅の感覚だったし。南部エチオピアも、その延長で周れればいいなぁって思って。オイラの場合、一人で周ると、割と淡白に、動いちゃうから。自転車があれば、予想外の吸引力が発生して、旅の膨らみがでるんだけど、<オイラがバス移動>しちゃうと、サラッと終わっちゃいそうな気がしたんですよ。せっかく濃い民族の人たちが集う南部エチオピアを周遊するっていうのにね。

 とにかく、ガイドと一緒に周ることにした、ここから先のオモバレー周遊。夕刻、事務所にやってきたガイドと挨拶。ベンジって名前の彼は、よくしゃべるフレンドリーでよさげなやつ。さて、ここで、これからの5日間のコースを決めることに。オイラ的には、憧れのムルシ族と出会えて、カラフルでテンションがあがると評判のトゥルミのマーケットさえ見れれば、いいって感じだったので。あとはお任せ。ということで出来たプランは・・・

 明日、木曜日である明日は、ちょうどカイアファールってところでマーケットがあるので、カイアファールでマーケットを見て宿泊。ここでは、アリ族、バンナ族、ハマル族、ツァマイ族の人たちが見れるということ。

 二日目は、ジンカに移動。ここで運がよければムルシ族の人たちと出会えるとのこと。この日に見れなかったとしても、明日がジンカのマーケットなので、チャンスありとのこと。この日はジンカに宿泊。

 三日目、土曜日であるこの日は、ジンカのマーケット日。ジンカのマーケットを堪能。ここのマーケットは、アリ族がメインなのだが、ムルシ族も買い物に訪れるとのこと。で、ジンカマーケットを見た後に、ディメカに移動。この日はディメカに宿泊。

 四日目は、ディメカで周囲の村を訪問。その後、トゥルミに移動。この日はトゥルミに宿泊。

 五日目、最終日。月曜日であるこの日は、トゥルミのマーケットデイ。色鮮やかに着飾ったハマル族の人たちが見れるとのこと。で、トゥルミのマーケットを見た後、アルバミンチに戻る。

 以上、こんな感じ。ちなみに、料金には、ガイド料と、移動代、食事+水代が含まれているのだが、宿泊代と村の入村料などは含まれていない。どこに泊まれる事になるか不明だし、村も予定通りいけるかどうかは分からないので、その場その場で、オイラが自分の分を支払ってくれとのこと。この時は、ふ~ん、なるほど、そんなもんかと思っていたのだが・・・少々高くなってもいいから、宿泊代と入村料も入れてもらうべきだった。ガイドと同行する場合、途中で、自腹で支払いっていうのは、なるべくない状態にしたほうがいい。なぜなら、宿も、入村も、ガイドが仕切ることになり、彼の言い値で支払うことになる。これが・・・高くついた。正確な相場を知らないオイラとしては従うしかないのだが・・・なんか、考えていたより高い。たぶん、ガイドのベンジがマージンを取っていたと思われる。支払いの度にバトルをすることになり、後半は、このバトルに疲れてしまった。ガイドにまかせておけば、安く面白い旅ができるかも、なんて考えていたオイラが甘かった。ガイドがいても、値段交渉はバトルしなければならない。しかも、常に一緒にいなければならないガイドが、相手になるのだから、余計やりとりが難しい。「トラストミー、ヨシ」と言われて、「いや、君のことを信頼しないわけじゃないのだが、その値段は違うだろ」と、関係を壊しかねない、ギリギリのやりとりをしなければならなかったのだ、ふ~

 ま、そんなこともあって、大変だったりもしたんですが、楽しかったんですよ、明日からの5日間。自分一人で行ってたら、出会えなかったであろう人たちにいっぱい会えたし、自分一人だったら、経験しなかったであろう経験もいっぱいできたし。

 ということで、明日から始まります、エチオピア南部オモバレー民族周遊旅。