Key Afar Market
早速遭遇したハマル族・バンナ族の人たちに興奮・・・でも?何かモノ足りない

2012.2.16 / Ethiopia(Arba Minchi~Key Afar) 本日 自転車0km走行 : Total 36729km走行
天気:晴
朝飯→チブス 昼飯→ミートインジェラ 夕飯→オムレツ / 宿→Nasa Hotel(150ブル)

(English)
 Today we went to Key Afar. And we saw market in Key Afar. There were so many tribe people.



 朝5時半に宿の前で待つ。約束の時間のはずだが、ベンジが来ない。6時過ぎに「ヨシ!」と呼ぶ声が。ベンジだ。セチャ地区にはバスターミナルがないので、まず、ダウンタウンであるセカラ地区へと移動しなければならない。ここからミニバスに乗って、バスターミナルへ。人でごった返している朝のバスターミナル。ベンジがカイアファール行きのバスを探してくれているのだが、でっかいバスはすでのフルとのこと。しょうがないので、バンタイプのミニバスを探すのだが・・・これも座席はすでの埋まっていた。が、ミニバスは、こういう時もなんとかしてしまうもの。3人がけの後部座席に無理やり4人目として、お尻を割り込ませてもらうことになったオイラ。ベンジは、入り口付近の木で作られた補助席に座る。

 非常に座りにくい状態で乗ったオイラたちを乗せて、走り始めたミニバス。コンソって町に到着して止まった。ここで、朝飯休憩。ベンジに連れられ、お勧めレストランに入って、チブスを頼む。ウマイ。

 ちなみに、エチオピア南部の人たち、このチブス好き。というか、そんなにバリエーションがないから、みんなチブスばかり食べているのかもしれないが。このチブス、肉はゴート(羊)肉。牛肉のチブスもあるらしいのだが、牛肉チブスは、固い肉を使うため、柔らかいゴート肉の方が好まれるらしい。ちょっと臭みがあるんだけどね、このゴート肉。

 さて、再び乗り込むバス。コンソまででも、満員と思っていたバス。実は満員とはそんな状態をさす言葉ではなかった。コンソを走り出したバスは、途中でさらに多くの人を乗せる。もう座れないでしょ、って状態なのに、隙間に人を押し込む。大変なギュウギュウ詰めの状態で、カイアファールに到着。押し出されるように降りるオイラたち。いやぁ、マーケット日はバスが大変なことになるのですな。

 ようやく、到着したカイアファールで、早速、すでに開催され始めていたマーケットを見に行くことに。で、目に飛び込んできたのが、カラフルな衣装とミニスカートに身を包んだバンナ族の人たち。おおお、やっぱり、カッコイイな、と写真をパシパシ撮り始める。ベンジが言うには、対面で撮らせてもらう場合は、1ブルか2ブルチップを支払うことになるけど、まぁ、遠目から撮る分には、かまわないから、バンバン撮っちゃってとのこと。

 と、レンズをいろんなところに向けていたら・・・あれっ、なんか見たことある後姿の二人が・・・ひょっとして・・・と思って、近づいて肩を叩いてみたら、やっぱりそうだった。ただ今、エチオピアを南下中とのメール連絡をくれ、北部情報について教えてくれた、アキさん&ミカさんカップルだ。オイラがメケレに居た頃、南部旅に出発した彼らは、きっともう、ケニアに行っちゃっている頃なんだろうなぁって思っていたのだが・・・相変わらずユックリ旅な彼ら、まだこんな場所に居まして。なんでも、ラスタの聖地であるシャシャマネにしばらくいたらしい。ちょうどボブ・マーリーの誕生日イベントがあって、盛り上がっていたらしくて。そんな、アキさん&ミカさんとは、ウシュアイアで出会った以来の再会。とりあえず、今日、もう、ジンカに移動しちゃうという彼ら。ジンカでまた会いましょう、と一旦お別れ。

 さて、引き続き、マーケットを彷徨う、オイラとベンジ。このマーケットには、バンナ族、ハマル族、アリ族、ツァマイ族といった民族の人たちが集うとのこと。そうそう、エチオピアには85もの民族がそれぞれの独自のアイデンティティを持って暮らしているらしいのだ。その中で、46もの民族がこのオモバレー地区に点在して暮らしているとのこと。つまり、エチオピア南部、特にオモバレー地区を周遊するということは、この46もいる民族の人たちに出会うっていうのが、主な目的になるってわけ。ここでしか味わえない体験・・・それは、場所をちょっと移動するだけで、違った文化で暮らす人たちに出会えるということなのだ。

 そして、そういった違った文化の人たちに一斉に出会えるのが、人々が集うマーケットってことになりまして。そして、マーケットのいいところは、お金をかけなくても、いろんな民族の人たちに出会えるってところでして。必然的に、南部オモバレー旅は、マーケット巡りの旅になってくるのです。今日木曜日に訪れた、カイアファールのマーケット。そして、土曜日に開かれるジンカのマーケット、月曜日に開かれるトゥルミのマーケット。オイラの周遊旅も、基本的には、マーケットの開催を機軸にして、プランが立てられているのだ。

 ちなみに、ガイドのベンジは、ガモ族。アルバミンチ近くに住むドゥルセ族に近い民族らしい。

 さて、そんな民族のるつぼ、エチオピア南部オモバレー地区を周遊している人たちのブログとか読んでいたら、ここで見られる、バンナ族、そして、同じような衣装のハマル族の人たちのことを触れている人が多い。エチオピアの民族といえば、ムルシ族くらいしか知らなかったオイラは、他の人たちのブログを読んで、バンナ・ハマルの人たちのことを知った。ムルシに期待して南部に行ったんだけど、バンナ・ハマル族の人たちに魅せられちゃったって人がいっぱいいるのだ。そんなブログを読んだ影響で、オイラも、バンナ・ハマルの人たちに会うのを楽しみにする気持ちを持つようになった。そう、楽しみにして来たはずだと思っていたのだが・・・確かに、素敵ないでたちな人たちだ。でも・・・でも・・・なんか、オイラの心の中はなんか物足りなかった。アレッ、なんだろう、この感じ。バンナ・ハマルの人たちに会うのは、楽しみにしていたことの一つであったはずなのに。こんなもん?って思っちゃっているオイラがいる。マーケットは、艶やかな彼らで埋め尽くされていて、カラフルでいい感じではある。こういう光景を見るために、南部にきたのかなぁとも思う・・・なんか、写真で見たそのまんまが目の前にあるってだけの感じしかしないのだ・・・

 マーケット・・・雑貨を買ったりすることに興味がないオイラは、マーケットといっても、ブラブラするだけ。なんかね、その場で食える屋台的な食べ物の店とか出ていればまた、テンションのあがり方も違うんですけど。そんな気持ちを察してくれたのか、ベンジが、「ヨシ、ローカルビールが飲めるぞ」と、マーケット脇にあるお店に誘ってくれた。が、オイラが求めるのは、アルコールじゃないんだよなぁ・・・求めるのは、フルーツとか、珍しくてかつ驚くほどおいしい料理。

 うむむ・・・先ほど書いたように、南部周遊旅はマーケットがメインとなる。ここのマーケットでこんな感覚を抱いてしまったオイラ・・・この先も同じような感覚が続くことになるのであろうか。こんな周遊旅をするために300ドルも払ってしまったのかい?と、若干後悔の念が・・・そうか、オイラは、そんなに民族に興味があるワケじゃないのかも、なんて思ってみたりもする・・・なんとなく、エチオピアは南部がいい、民族を巡る旅がエチオピア旅の醍醐味、みたいな流れに乗るようなカタチで、南部旅をすることにしたんだけど、正直、オイラの心の中は、北部の旅ほど、南部旅は、ときめいてはいなかった。何を楽しめばいいのか、イマイチ分からなかったのだ。民族とのふれあい?・・・ある民族の村にしばらくお世話になるようなカタチなら、ときめいたかもしれない。例えば、そこで楽器を習うとかして、しばらく滞在するようなことにすれば、面白い旅にもなるだろう。が、ただ、マーケットを巡るだけ、そこに集う人たちの写真を撮るだけ・・・だと、なんかピンとこないのだ。それが、民族と触れ合うってことになるのだろうか、と。

 宿に戻って、そんなことを考えながら、物思いにふけっていたオイラ。ベンジが、「ヨシ、チャットでもするかい?」と誘ってきてくれた。ふむむ、チャットか・・・エチオピアでずっと気になっていた<チャット>。チャットとは、覚醒作用が若干あると言われている木の葉。一応、日本では、麻薬扱いされていて、持ち込み禁止の植物。まぁ、南米で言えば、コカの葉みたいなもの。エチオピア人は、このチャットをいっつも噛んでいるのだ。で、ベンジがチャットを買いに行くというので、ついていく。オイラ的には、ちょっと試しのつもりだったので、一ふさくらいでいいと思ったのだが、ベンジはどっさりまとめ買い。チャットは、ちょっとかじってもあんまり意味がなく、結構大量の葉を、だらだらおしゃべりしながら、かみ続けるものらしい。

 ということで、夕刻から、チャットタイムが始まりまして。ガイドであるベンジは、この辺にもいろいろ友達が多い。宿のオーナーとか、その親戚っていう人たちとか、ベンジの母親違いの兄弟っていうオルシャタくんとか、ワケわかんないほど集まってきた、友達、知り合いという人たちと一緒に、チャットをかむオイラ。ちなみに、チャット、最初はただの青臭い葉っぱじゃんって思っていたのだが、これ、かみ続けると、なんとなく頭がさえてくる気がする。しかも、葉っぱだけだと、味的にちとシンドイのだが、ピーナッツと一緒に食べると、これがあら不思議、チャットがおいしくなってしまうのだ。ということで、買いすぎだろ、と思っていたチャットも、オイラが大量に噛んでしまったためか、あっという間になくなってしまいまして。意外とハマリました、チャット。これ、ちょっと噛むくらいでは、なんだかよく分からないと思います。そんなに噛むの?っていうくらい大量のチャットを噛んで、ようやく、なんとなく、チャットの世界が分かってきました、ハイ。え?チャットの効果?覚醒作用は効いているのかどうだかよく分からないが、なんとなく、頭がすっきりしたような気がします。

 ちなみに、このチャットも、エチオピアの外貨獲得のための、重要な輸出品目になっているとのこと。エチオピアの輸出品目はコーヒーがダントツに多いらしいのだが、このチャットも上位輸出品の一つ。そんな話をベンジから聞いたのですが、エチオピアの輸出品目で<花>も多いと、言っていたのが意外だった。そういえば、この間のバレンタインデー、アディスの町では真っ赤なバラがいっぱい売られていたぞ、って話をしたら、「そうそう、ああいうのをヨーロッパに輸出しているんだ」と、チャットメンバーの皆さんが言う。

 う~ん、こういう体験の方が、マーケットを巡るより興味深い。とりあえず、ガイドであるベンジと一緒に行動することで、普段の自分ではやらないようなことに手を伸ばせるのは、旅として面白い方向に転がるのかも。うん、マーケット巡りをメインに考えていた、このオモバレー巡りの旅ではあったが、その意識を変えた方がいいのかも。マーケットはあくまで、プランのランドマークにすぎず、その間間で体験する、いろいろなことを楽しむことにしよう。

 ちなみに、やっぱり、チャットには覚醒作用があったようで・・・夜、チャットのかみすぎからか、目が覚めて眠れなくなってしまったオイラだったのでした。





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