Djembe
ジャンベのためにセネガルに来たのです

2012.3.1 / Senegal(Dakar(Yoff)) 本日 自転車0km走行 : Total 36747km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→フランスパン 昼飯→肉スープかけご飯 夕飯→チャワルマ / 宿→Via Via(11200CFA)

(English)
 I stayed at Dakar. From today, djembe lesson was started.

Mario!, I'm fine. Thank you for your e-mail. I wanted to send reply e-mail...But I couldn't. I don't know why, but I wasn't able to deliver my message to you.



 朝食つきという宿の飯で朝飯。それなりの宿代を払っているのだから、と期待していたのだが、出てきたのはフランスパン一個(と、コーヒーとジュース)。まぁ、朝食はオマケみたいなもんかぁ、と食べてみたら・・・このフランスパンがウマイ。元フランスに占領されていた時代の置き土産なフランスパン。うむむ、エチオピアでのイタリア飯といい、ここでのフランスパンといい、食文化にあの時代の名残があるのは、旅人にとってはうれしいことなのだが・・・よくよく考えると、これは、占領という負の側面による遺産でもある。複雑だ。

 で、コーヒーに砂糖を入れようと、砂糖入れを開けてみたら・・・なんと、用意された砂糖が、角砂糖だった。うむむ、角砂糖なんて、久しく見ていなかった。ものめずらしさで、思わず写真をパシャリ。ダカール、意外とオシャレタウン。さすが、アフリカのパリと言われる場所だけのことはある。

 さて、今日からジャンベレッスン。ロンプラに書かれていた通り、この宿では、ジャンベレッスンを行うことが出来る、ということだったので、昨日、到着して早々、宿のレセプションで、お願いしておいたのだ。一回一時間6000CFA(約1000円)。まぁまぁの値段。で、先生が10時に来てくれるということなので、宿のくつろぎスペースで、しばし待つ。

 そして、10時過ぎにやってきたのが、いかついお兄さんジギ。どれくらいの期間レッスンをやるつもりだ?とか聞かれたんだけど、まだ、アナタと相性があうかどうかも分からないし・・・とりあえず、今日様子見ってことで、とお願いする。

 ちなみに、ジギは英語がしゃべれない。まぁ、オイラたちには<音楽>という人類共通のコミュニケーション手段があるから、なんとかなるでしょう。

 そうそう、ジャンベって結構音がうるさいのですよ。叩いていると、やっている本人たちはいいんだけど、周囲に迷惑をかけてしまうことになりかねない。なので、練習場所は、この宿内ではなく、歩いて10分くらいのところにある海岸でやるとのこと。海ならば、誰に気兼ねをすることもなく、思いっきり叩けるってことで。で、宿から出て向かったのだが・・・あれ?ジャンベは?練習するにも、肝心のジャンベが手元にない。海岸に置いてあるのかいな?と思ったら、宿の隣にあるみやげ物屋に寄っていくジギ。そして、おもむろに、みやげ物屋に並べてあった売り物のジャンベを2つ担ぎ上げ、一つをオイラに手渡した。どうやら、これで練習するらしい。ほお、売り物のジャンベを使わせてもらうのかい。このアバウトさが、アフリカっぽい。

 さて、二人してやってきた、海岸。サンサンと太陽が照りつける下で1時間のレッスンはキツイだろと思っていたら、ここにある海の家的な場所に入っていくジギ。ムハンマドっていうお兄さんの経営する海の家の中庭を使わせてもらって、レッスンするとのこと。ホッ、ここなら、日陰がある。病み上がりにアフリカの太陽光線はキツイもんな。そうそう、風邪はもう、だいぶ治りまして。ジャンベを習い始めるのに、風邪なんてひいている場合じゃないと、気力が風邪を追い出したようで。

 ちなみに、セネガルの海岸、マラソンやら縄跳びやらサッカーやら、スポーツする人たちで賑わっている。

 そんな海岸に集う人たちをわき目に見つつ、オイラたちは、椅子に座る。早速、叩き方のレッスンから。カーンという高音が鳴り響く。ん~、いい。心地いい音だ。西アフリカで聞くジャンベの音はまた格別。これこれ、この音を聞きたかったのだ。

 そして、リズムパターンを教えてもらう。タッタタドッという3拍のパターン。ジャンベを本格的に叩くのは初めてだけど、これまで、キューバでトゥンバドーラ、ブラジルでチンバウをやってきたオイラ、そんなに戸惑うものではない。教えてもらったリズムも、すぐ叩けるようになり、調子に乗って叩きまくるオイラ。そんなオイラの叩くリズムに、ジギがリズムを崩してかぶせてくる。2拍3連のジギのリズムと、オイラの3拍のリズムが混ざり合い、複雑なポリリズムのリズムが構成されていく。この感覚が、めっちゃ心地いい。これを延々繰り返していたら・・・

 イッちゃいそうになりました。

 恍惚感というかなんというか・・・セックスの時、しかも、ものすごくいいセックスが出来た時のあの感じに近いっていうか・・・う~む、ジャンベの心地よさが、ここまでのモノとは・・・この楽器に多くの人がハマるのが分かるような気がします。エロいぞ、この楽器。いや、エロいというのは、人間の根源に結びつけるという、いい意味で・・・ね。それにしても、この恍惚感は、なかなか他の楽器では味わえない。ムビラも、あっちの世界に連れて行ってくれる楽器だなぁ、って思っていたけど・・・ちょっと違う。ムビラが宇宙世界へ連れて行ってくれるのに対して、ジャンベは桃源郷に連れて行ってくれるって感じ。

 まぁ、これは、ものすごいグルーブで、ジャンベを叩いてくれるジギの伴奏があってのことなんですけど。彼の演奏があるからこそ、その高みまで連れて行ってもらえる。オイラ一人のヘッポコ演奏だけでは、とても、その域にはたどり着けない。

 ジャンベはめっちゃ上手な人と一緒に合奏するのをお勧めします。単調なリズムが絡み合うことで、とんでもない世界に連れて行ってもらえます。

 ジギは、テクニック的にはそんなに引き出しは持っていなさそうなんだけど、<ノリ>や<グルーブ>といった意味では、素晴らしいモノをもっている人でして。テクニックなんていうものは、日本に居ても身につくが、このアフリカ人特有の<ノリ>とか<グルーブ>は、日本では得られない。わざわざ、セネガルに来て習う意味は、こういうものを肌で感じ取りたいから。それを教えてくれる先生にめぐり合えたのがうれしい。

 その後、タタッッタッドッという、4拍フレーズを教わる。ジギに合わせて叩いていたら、いつのまにやら、リズムを崩し始めるジギ。そして、先ほどと同様、ジキとのポリリズム合奏に突入し・・・今度は、イッてしまいました。はぁ、はぁ・・・

 その後、海の家に、ジギの友達と言う人が訪ねてきた。「俺も叩けるよ」と言って、ジャンベを叩き始めたのですが、ジギのようなノリにはならない。ふむむ、セネガル人はみんなジギのように叩けるってワケでもないのだな・・・

 決めた。ジギにしばらくついていくことにしよう。宿は高いけど、しばらくココに滞在してジャンベ修行することにしよう。ジャンベ修行は、この旅のハイライトだし、ここで、お金をケチっている場合じゃない。ということで、ジギ、しばらくよろしくおねがいいたしまする。