(English)
Today I learned Djembe.
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ジャンベレッスンをするために、毎日ジャンベを借りている宿の隣のお土産屋。よくよく見ると、ここには、ジャンベ以外にも、いろんな打楽器が置いてあったりする。小さなカシシとか、輪のような木が連なっている名前がよく分からない楽器とか、フリモノ系の打楽器が多いのだが・・・今日は、お兄ちゃんが、一つの楽器を取り出してきた「コレ知っているか?」と。「知らない」と答えると、おもむろにその楽器を演奏し始めたお兄ちゃん。ギターのピックアップのように取り付けられた鉄の鍵盤を左手の指でムビラのようにはじき音色を出す。と同時に、右手で、木の胴の部分を叩いて、リズムを奏でる。そして、歌う。鉄の鍵盤は3つしかないので、単純なメロディー伴奏しかできないのだが、楽しそう。これ、ボンゴという楽器らしい。ボンゴ?・・・オイラの知っているアフロキューバンなボンゴって楽器は、コンガをちっちゃくしたやつなのだが・・・これも同じ名前か、うむむちょっと紛らわしい。演奏後、興味シンシンで見つめるオイラに、「買うか?」と言ってくるお兄ちゃん。ええ、かなり興味はひかれたのだが・・・サイズ的にNGだ。これ以上デカイサイズの楽器荷物は増やしたくない。ポケットにはいるくらいのサイズだったら考えてもいいのだが。
さて、今日もジギに教わるジャンベレッスンは・・・昨日、最後にやっていたタタッタタッタッというベーシックパターン練習の復習から入った。ジギと合奏しながら、パターンを次第に変化させていく。次に、タタッッタッッッタタッッタッッッタタッッタッドッッドッッタッッッという、長めのフレーズをこれまた、少しずつ変化させていくというパターン練習。今日はニューフレーズは少なかったが、基本フレーズをだんだん崩していくというバリエーション練習が興味深かった。本日も、2時間半を過ぎたところで、レッスン終了。
ちなみに、本日、海の家に現れたジギの知り合いのお兄さん。遊びで叩いてくれたジャンベが超絶にウマイ人でした。やっぱりセネガルの男性は、基本的にジャンベが上手い。
さて、宿に戻って、本日の復習・・・とその前に、ジャンベレッスン午後編が今日から始まりまして。実は、先週、ジェフリーのフィンガーテクニックを見たオイラ、ジェフリーにお願いして、そのフィンガーテクニックを教えてもらうことになったのです。<ノリ>や<グルーブ>に関しては、ジギから、がっつり吸収できるのですが、ジギは、テクニック的なことは教えてくれないので・・・まぁ、最初のレッスン日の日記に書いたように、セネガルで教わりたいのは、<ノリ>や<グルーブ>なので、それはそれでかまわないのだが・・・何を隠そう、オイラ、もともとテクニック志向でして。まぁ、オイラがメインで聞いている音楽が、ラッシュとかドリームシアターっていう点で、ウムウム納得と思われる方々が多いとは思うんですが・・・テクニックバリバリのトンでもフレーズを見たり聴かされたりすると、ムズムズしてきちゃうんですよ。
で、ジェフリーの軽やかなジャンベ捌きに、見とれてしまったオイラ、ぜひ、そのフィンガーテクニックをマスターしたい、とムズムズ心を抑えきれなくなっちゃいまして。いや、せっかく、こういうプレイをしてみたいって思わされるお手本が目の前にあるというのに、それをスルーしちゃうっていうのももったいない話でしょ。ということで、本日と明日の二日間、ジェフリーが暇になったところのちょっとの時間を使って、ジェフリー師匠のフィンガーテクニック講座を開いてくれることになったのです。
これが基本だから、とシャッフルのリズムに乗せて、左手の親指以外の4本の指でロールをし、ドラムプレイで言う<ドラッグ奏法>を教えてくれたジェフリー。「とりあえず、今日のところは、これが出来るようにひたすら練習をしてね。じゃ、僕は仕事に戻るから」と、多忙なジェフリーは、オイラを放置プレイ。ええ、練習します。明日には次のステップに進めるように、黙々と練習しておきます。それにしても、この指ロール、仙道さおりさんのカホン教則ビデオで、やり方は見て知っていたんだけど・・・やっぱり、実際に習うと違うな。
さて、指ロールをひたすら練習した後、お腹がすいたので、夕飯を食べに、外をブラブラ歩いていたら、太鼓の音が聞こえてきた。引き寄せられるように、太鼓の音のするほうに足を向けてみると、辿り着いたのは、カルチャーセンターみたいな建物。通りからはちょっと入ったところにあり、通りには、テコンドーの画が書いてある案内板があったので、てっきりテコンドー教室の建物なのかと思っていたのだが、どうやら、多目的ホール的な建物らしい、この場所。太鼓の音がする中庭を覗いてみたら・・・
奇妙な動きをする男女の集団が!!!
なんとそこで繰り広げられていたのは、アフリカンダンス。どこかのダンス団体が、公演を控えて練習しているのか、かなり本格的な踊りが展開されていた。で・・・このダンス、一目見て、すっかり魅了されてしまいまして。これまで、キューバのサルサとか、ルンバとか、エチオピアのダンスとか、スゲェって思ったダンスはたくさんあったが、このアフリカンダンスの衝撃は、それらを軽く超越していた。太鼓目的でフラッと入ってみたのだが、もう、太鼓なんて目に入らない。とにかく、目の前で繰り広げられる踊り手たちの体の動きに目が釘付け。その激しすぎるほど情熱的なパッションに圧倒された。なんていうか・・・とにかくワイルド。体全体をリズムに乗せて、とにかく大きな動きで踊りまくるのだが、それが適当ってワケじゃなく、きっちりとある種の<人の動き>としての美しさをかもし出している。素晴らしいダンスは、見ている人の体を揺り動かす。体が踊り手の動きに共鳴する。これは、オイラも踊ってみたい、そんな衝動に駆られる。実際、オイラの隣で彼らの見ていたちびっ子の女の子は、見よう見まねで体を激しく動かしていた。
これは、踊ることの楽しさを伝えるなんてレベルの踊りではない。楽しく踊っている人を見て、幸福な気持ちになるなんてレベルの踊りではないのだ。もっと根源的に、見ている人のカラダの深い部分を目覚めさせてくれる踊りなのだ。
これが、アフリカンダンスか・・・
いや、ホントに感激しました。ダンスなんて・・・って思っていたオイラが、本気でこのダンスは習ってみたいと思いました。ひょっとしたら、どこかで習うかもしれませぬ。ジャンベ修行の次は、ダンス修行のために沈没・・・ありえる話です、ハイ。
ちなみに、ここ、写真・ビデオ撮影は禁止。カメラを取り出したら、「皆、撮られるのを嫌うから」と、見ててもいいけど、カメラはしまうように言われた。ということで、超感動もののダンスなのだが、残念ながら、映像はありませぬ。この感動が、オイラの心の中だけにとどまっちゃうのが非常に残念です。どうしても、このオイラの気持ちを共有したい人は、ぜひセネガルまで足を運んでください。アフリカンダンス・・・いや、これは、セネガル特有のサバールダンスと呼ばれるものなのかもしれない。とにかく衝撃です(とりあえず気になっちゃった方・・・YouTubeで<サバールダンス>で検索すると見れますヨ)。
一応、建物の上の階でやっていた、ダンスレッスンの様子は、ビデオ撮影させてもらえたんで、サバールダンスってこんな感じっていう雰囲気はのちにYouTubeでお伝えします・・・が、先ほど見た団体による衝撃のダンスには、及ばない・・・
ちなみに、ここで繰り広げられているダンスのためのリズムは、打楽器隊のみによって奏でられていまして。ダンスに心奪われちゃったものの、やっぱり興味がある打楽器。ダンスを見ながら、ちょこちょこと、打楽器をチェック。ちなみに、打楽器隊で使われる楽器には、ジャンベもあるのだが、ジャンベはあまり主役な音ではないということに気づいた。西アフリカの音楽はジャンベがメインとばっかり思っていたオイラとしては、他の主役級の楽器たちの影にすっかり隠れちゃっているジャンベの存在にちょっとカルチャーショック。
じゃぁ、ジャンベを差し置いて、主役のリズムを奏でるのは何かというと・・・タマと言われるトーキングドラム。これを叩く人がリズムの主導権を握っているようで、オイラが感激したダンスが上手い団体では、タマを叩く人が、リーダーとしてリズムをいろいろ指示していた。タマとは、小さな太鼓で、左脇に挟んで右手にもったバチで叩く。その際、左手で太鼓の皮の部分を押さえることで、太鼓の鳴りの音程を調節できる。つまり、打楽器でありながら、音程の変化によりメロディアスな演奏ができるってワケなのだ。トーキングドラムと呼ばれるゆえんである。ちなみに、左手は押さえるだけではなく、叩いたりもする。上手い人は、左手が変幻自在。どうやって、あの音を鳴らしているのか、さっぱり分からない。
次に目立つのは、サバールという打楽器。ジャンベと同じような構造の楽器なのだが、叩く面がジャンベと比べて小さい。で、この打面を素手とバチで叩くのだが・・・このバチで奏でる音が、すさまじい。ジャンベの高音なんてかき消されてしまうくらい迫力あるビシッと空気を揺るがす高音を鳴らすのだ。このサバールの高音が、全体のリズムの要となる。
そして、そんな高音部の打楽器を縁の下で支えるリズムを奏でるドゥンドゥンという楽器もある。これは深胴のタムを3つほど並べて、太いスティックで叩く。ドラムセットみたいな感じ。
これらの楽器が合わさって、メッチャ複雑なリズムが奏でられることになる。そして、近くで聴くと鼓膜が破れるのではないかと思われるほどの大音量。この迫力は、CDでは絶対に出せない。生だからこそ味わえる、醍醐味。
う~ん、こんな素敵な空間が近くにあったとは・・・気づかなかったなぁ。太鼓の音って、近くで聞くとでかくてうるさいのだが、ちょっと離れると、気づかないものだったりするのだ。建物の壁って意外と防音効果を発揮しているらしい。とにかくいい場所を見つけた。ここ、明日から毎日来よっと。
それにしても、セネガル、リズムがめっちゃ面白い。そして、街に普通にリズムが溢れているのがいい。キューバには、そんなリズムの国なイメージを期待して行ったのに、ハバナは意外と、普通の日はおとなしかったんだよなぁ(まぁ、あそこは奥へ入ればディープな音楽世界が待ち受けているんですけど)。そこへいくと、このセネガルの街ダカールのYOFFは、オイラが求めていたリズムの国のイメージに相当近い。ああ、そうそう、こういうところに来たかったんだよ、オイラの旅は・・・
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