(English)
Today I stayed in Zigunchor.
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ダカールへ向かう船は日曜日の昼過ぎに出航する、と、昨日船のチケットを買いに行って言われまして。今日は土曜日。ということで、今日もジガンショールに滞在するのだが、ここでは、丸一日特に何もすることはなし。この町、特に見るべき場所もないし、どうしようかな、と思っていたところに、
「今日、近くでパーティがあるんだが、いかない?」
と、部屋に顔を出してくれたティジャンが声をかけてくれた。どうやら豚料理が振舞われるらしい。昼飯はそこで食べれるから、というティジャンについていって、パーティー会場へ。
到着したパーティ会場は、大きな家の前に巨大な日よけゾーンが設けられていて、すでに人が集まっていた。みんなプラスティック椅子に座って、地酒を飲んでいる。「友達に挨拶してくるから、ここに座っていて」とティジャンに言われ、会場の端っこで座っていたら、「まぁ、飲め飲め」と、おじさんがコップをもってきて、地酒をふるまってくれた。来る客拒まず、皆友達。これが、アフリカ流。ちなみに、振舞ってもらったパルマというこの地酒、何かを発酵させて作られたワインで、ちとスッパイ。
さて、この会場の目の前の広場みたいになっているところに、大鍋料理が薪火でなにやら煮込まれていたいたので、それを興味深く見ていたのだが、「ヨシ、こっちに来て」と、呼ぶティジャンについて家の敷地に入らせてもらうと・・・奥はデリカテッセンな空間になっていた。鉈をふるう男の人によって、豚が解体されている。そして、その解体された豚の部位をタライにつめて運んで、料理用にと整えるおばちゃんたち。当然のようにハエがブンブンたかっているし、臭いをかぎつけてきたハゲタカらしき鳥も、おこぼれを狙って遠巻きに見ている。とても衛生状態がいいとは言えない状況ではあるが、これがアフリカ。アフリカ流バーベキューの裏現場はこんな感じで、超ワイルド。
で、さらに奥では、殺されたばかりの豚の毛処理が行われていた。見事な剃刀捌きで、豚をツルツルにしていく。ほおほおと見ていたら、「やってみるか?」と作業中のお兄ちゃんに声をかけられた。「こうやってやるんだ」と手ほどきを受け、ツルツル処理作業をやってみたのだが、これ、結構見た目より大変。剃刀を寝かせて、表面だけをジョリジョリとそり落としていく。
このお手伝いで満足してしまったオイラは、あとはひたすら見学。10頭ほどいた豚が、次々と肉片になっていく。豚の解体現場は弓場で一部始終を見ていた経験があり、その時も思ったのだが・・・この作業光景は、僕らは生き物を食べて生きているんだなって、思わされる。彼らの生をいただいているのだと。ありがたいことです、ハイ。
さて、男の人は、豚を解体した後は、ひたすら飲んでしゃべるモードに。代わりに、女の人たちが、とにかく働きはじめた。この暑い中、ホント、女の人たちが動く動く。こんなに働きものなら普通痩せるでしょう・・・って思うのですが、西アフリカの女性はとにかく恰幅のいいおばちゃんが多い。なんでか、と思っていたら、まぁ、料理しながらつまんでいるのですよ。働きながら、常になにかをいろいろポリポリと。ああ、やっぱり、と合点がいくオイラ。そりゃそうだ、食べなきゃ太らない。
さて、おばちゃんたちが、肉を焼いてくれ、米を研いでなにやら炊き込みご飯らしきものを作ってくれている間、オイラは、その光景を眺めながら、料理がでてくるのを待つ。最初はテンションあがり気味で、写真も撮りまくっていたオイラだったのだが・・・しだいに暑さにやられてきまして。やっぱり暑い西アフリカ。カフォンティンは過ごしやすい気候だったのに、ジガンショールに来たら、昼間はまた猛烈に暑くなってきてまして。で、そんな暑さを避けるように、木陰で休んでいると、いろんな人が話しかけてきてくれる。英語しか分からないことを知ると、フランス語やらウォルフ語を教えてくれる、親切な人たち。そうそう、だんだんカタコトですが、現地語が話せるようになってきました。が、聞き取りが難しい。困ったことに、彼らは、フランス語とウォルフ語をハイブリッドに話す。フランス語かと思っていたら、実はウォルフ語で話されていた・・・なんてことよく起こる。まぁ、そもそも、どっちの言葉なのか判別つくほど、ヒアリング能力がないオイラは、いずれにせよ、聞き取れないのだが。
さてさて、オイラたち、12時過ぎにこのパーティー会場にやってきたんですケド・・・時計を見ると、今や時刻はもう16時。が、いまだ、料理はでて来ず。振舞われるのはひたすら地酒のパルマのみ。おおお、いい加減腹ペコなんですけど。朝飯はサンドイッチ一個しか食べていないし。肉を焼くだけなのに、どうしてこんなに時間がかかるの?確かに、解体作業から始めているから、スローペースなのは分かるんだけど・・・いや、一応、焼きあがったやつは、お客に振舞われているんです。お盆に肉を乗せた女の子が、オイラたちの目の前を何度も通り過ぎては、空のお盆をもって戻ってくる。焼きあがった肉は、まず来賓の方々から振舞われるようで。タダ飯目当てでブラリと訪れたオイラたちに、肉が運ばれてくるのは後回し。当然といえば、当然の扱いです。が・・・今日のパーティには、とにかくめっちゃたくさんのお客さんがこの会場に訪れているまして。末端のオイラたちには、ホント、全然肉が運ばれてこない。最初、裏現場を覗いていた時には、豚10頭も捌いたんだから、さぞかし腹いっぱい食えるだろうと思っていたのだが、100人規模もの人が集まっているこのパーティーでは、むしろ足りなくなるのではないかと思うくらい。え~、このまま食べれないなんて、状況もありうるんですか?・・・まぁ、豚の表面処理を手伝った程度のオイラは、ひたすら待つしかない。これだったら、もっと手伝っておけばよかった。肉焼きのおばちゃんの隣で、肉焼きを手伝いながら、つまみ食えばよかった。
こういう場に連れてきてもらうのは、うれしいことだし、楽しかったりもするんだけど、飯を自分のペースで食べれないっていうのがキツイ。そして、普段はフリーに行動しているチャリダーにとって、他人にペースをゆだねなきゃならないという、この状況は窮屈で耐えがたい。
ああ、もう限界、と叫びたくなった、16時半にようやく、女の子がオイラたちのところに、肉を運んできてくれた。はぁぁ、キミのことが天使に見えたよ。で、当然小皿なんてものはなく、女の子がもつ盆から、肉を手づかみ。しかも、すぐに次に持っていくみたいで、とりあえず食べるだけ取ってって状態。いやはや・・・肉は熱いし、片手にカメラをかまえちゃっているオイラは、右手で肉片2切れを取るのがやっとで。ああ、せっかく食べ物にありつけたというのに、この肉片2つじゃ全然腹が満たされない・・・
次の肉配給までは、また待たされるみたい。そして、米料理とかが出来上がって振舞われるのは19時くらいになってからのようで。ん~、一日かけて作られる料理をひたすら待ちながら話し続けるっていうのが、アフリカ流バーベキューなんですかね。ああ、これがT.I.A。そうと分かっていれば、腹ごしらえをしてから望んだのに。
「腹が減りすぎて死にそう」ってティジャンに言ったら、「じゃぁ、別のところで、飯を食うことにしよう」と、外へ連れ出してくれた。その辺のレストランにでも入るのかと思いきや、なぜかタクシーに乗り込むティジャン。いや、ちょっと小腹を満たしたいだけなんだけど。遠出しておいしいものを食べたいってワケじゃないんだけど、と説明しようとするも、実は英語が得意ではないティジャンとは、うまく意思が通じず、そのままタクシーでしばらく走った場所へ連れて行かれるオイラ。そして、辿り着いた先は・・・ティジャンの従姉妹のおばちゃんのレストランだった。おお?わざわざ従姉妹の店で食べさせてくれるために、タクシーでやってきたのかい。「ヨシ、タクシー代を払って」ってティジャンは言うけど・・・近くでよかったのに、と言ったじゃんと、このタクシー代はティジャンもちで、なんとかおさめる。アフリカ人、こういうシチュエーションでは甘え体質が、前面に出てくるんですよねぇ・・・それがちと、彼らとの付き合い方を難しくさせる。
で、このおばちゃんレストランでは、手早く火を起こして、豚肉を串刺しにして、バーベキュー風に焼いてくれたのを、フランスパンに挟んで出してくれまして。そうそう、別に人が少なければ、焼肉なんてあっという間に出来上がるもんなんですよ。
ふ~、とりあえず生き返った。「パーティー会場に戻る?」とティジャンが聞いてきたのだが、まぁ、腹は満たしたし、バーベキューパーティ、豚を捌くシーンとかが見れたからもう満足。宿へ戻るよ、というオイラに、「じゃぁ、会計を」と、2000CFA払って、と言うティジャン。ああ、また、そうきたか。いやいや、高いし、そもそも、オイラが払うっていうのがおかしいでしょ。キミには、飯代込みで、宿代として5000CFA払ったのだから、昼飯代はティジャンが払うべきでしょ、と交渉するオイラ。それは確かにそう言ったけど、飯は家でローカル飯をシェアすることを想定したものであって、外食の代金ではない、というティジャン。え~、でもこんな流れになることは想定して、パーティーに連れ出してくれたんじゃないの?と思うオイラだったのだが・・・まぁ、久々に豚肉料理とか食べさせてもらったんだし、まぁ1000CFAくらいなら払っていいか、と、半額の1000CFAだけ払うことで納得してもらった。
で、帰りのタクシー代はヨシが払ってね、というティジャン。ああ、またまた、そうきたか。あはは、タクシー代を支払うくらいなら、こんなところまで連れてきてもらうつもりなかったって、さっき言ったじゃん、と、これまたビミョウなお金請求を拒否し、再び言い合いになるオイラたち。結局タクシー代はもう手持ちがないティジャンと、タクシー代を払うつもりはないオイラは、しょうがないので、歩いて帰るという選択肢をチョイス。「ヨシ~、タクシー」と、ぶつくさ文句を言いながら帰り道を先導するティジャン。
アフリカ人、フレンドリーで、いい人たちなんだけどね。彼らのペースやノリにそのまま乗ると、こんな風に、ちと面倒なことになったりします、ハイ。
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