Le festival international Saint-Louis Jazz
サンルイでドジャズな夜

2012.5.23 / Senegal(Louga~Saint-Louis) 本日 自転車73km走行 : Total 37880km走行
天気:曇時々晴
朝飯→フランスパン 昼飯→サンドイッチ 夕飯→ヤッサ・ポワッソン / 宿→Cafe des Art(10000CFA)

(English)
 I arrived at Saint-Luis.



 今日も空には雲がはっている。いつもなら、そんな天気に連動して気分もドヨンとしてしまうものなのだが、ここでの雲は、暑さを和らげてくれる助けの雲。曇りだと、逆にテンションがあがる。

 さて、昨日走りをがんばったので、今日は目標地点であるサンルイに余裕でつきそう。と思ってクーラーの効いた宿で朝ユックリしちゃったのだが、走り始めたら、意外とアップダウンのある道に苦労させられた。そんなに大したことがないアップダウンなのだが、ここんところずっと平坦道続きだったので、このちょっとしたアップダウンも、結構しんどかったりする。

 セネガル道、普通に走っている分にはあまり変わらない風景が淡々と続くだけなんですよ。何もないサバンナが続いた後、小さな村が出現し、その村を越えたらまたサバンナが続くっていう。ただ走るだけだと、退屈しちゃうかも。移動しているだけだと、ちょっとつまんない。西アフリカ、特にセネガルは、滞在してこそ、面白いモノに遭遇するんで、セネガルを旅する人は、あまりあくせく動くことなく、小さな村でノンビリ過ごすことをお勧めしますよ。

 さて、移動しているだけだと、ちょっとつまんない、とは書いたものの、移動しているだけでもいろいろ巻き起こるのが自転車旅ってもんでして。走っていると、オイラを見つけたガキンチョたちが、遠くの方から追いかけてくるんですよ。遠くって、ホント、ビックリするくらい遠くから。遙か彼方からわざわざ走って近づいてきます。しかも大勢で。そんな遠くからやってくる彼らを、そのまま自転車で振り切っちゃうのもなんなので、停まって待っててあげるのですが・・・オイラのところに辿り着いたガキンチョたちは一斉に「ビック!」って言ってきます。ビックとは世界的文房具メーカーの<ビック>のこと。ビックのボールペンとかライターとかを持ってたらくれって意味で言ってくるのです。それにしても、ボールペン欲しさに、あんな彼方から走ってきて・・・でも、何もあげられないオイラ。あげたくても、この人数の子供たちには無理です。一人にあげたら、みんなにあげないわけにはいかなくなるし。

 そんな彼らとファニーバニーの写真が撮りたくて。ファニーバニーを彼らにゆだねて、一歩離れてカメラを構える。そんなカメラに反応して、ポーズをとろうと、ファニーバニーから手を離しちゃうガキンチョたち。すると、ファニーバニーがフラフラと倒れそうになるので、慌てて戻ってファニーバニーを押さえるオイラ。落ち着いて写真なんか撮れません。さらに、よくよく見たら、後ろバックのチャックを開けて、中に手を突っ込んでゴソゴソと探索中のガキンチョがいたりして。油断もすきもありゃしない。幸いそのチャックのポケットにはカホンが一個、簡単には取れない状態で入っていただけだったので、何も取られず。残念だったな、手癖の悪いガキンチョくん。

 さて、そんなこんなで走り続け、到着したのがサンルイという島町。海岸沿いにポツリと浮かぶ島の町。陸からちょっとしか離れていないこの島には橋が架かっており、気軽に入島することができる。サンルイの街に足を踏み入れると、冷たい風が心地よく吹いてきた。うん、ここは過ごしやすそうだ。

 さて、街に入ると、すぐに、スクーターに乗った一人の男の人が声をかけてきた。「宿探しか?たぶん、どこも満室だろうから、大変だぞ。手伝おう」と言い寄ってきたのだ。満室・・・そう、実は、ここサンルイでは、今日からジャズフェスが開かれることになってまして。結構大きなフェスティバルだそうで、そのフェスにあわせて観光客が集まってくるから宿はいっぱいになっちゃうという。

 ああ、やっぱりか。そんな予感がしたんだよなぁ。やっぱり時期をずらしたほうが正解だったかなぁ・・・オイラの場合、どうしてもジャズフェスが見たくて来たワケじゃないんです。たまたま次に向かうサンルイのことを調べていたら、ちょうどジャズフェスがこれから開催されるってことに気づいたってことくらいで。

 ジャズはそんなに聴かないオイラ。デイブ・ウィックルとかデニス・チェンバースとか、ドラマー目当てでフュージョン寄りのジャズは聴くんですけど。スタンダードなドジャズとかは、どちらかというと苦手。

 とりあえず、面倒そうな宿探しはスクーターの男の人に手伝ってもらうことに。一軒目・・・撃沈。もう空きがないとのこと。で、二軒目・・・ここも、フェス中は予約が入っててダメだと言われた。が、スクーターの男の人が交渉してくれた結果、予約が入っているのは3日後からってことが判明しまして。とりあえず2泊はできるらしい。まぁ、フェスはちょっと見たら満足できるでしょ、と思い、2泊でいいからと、ここに泊まることに。

 案内してくれたスクーターお兄さんにお礼をちょっと支払ってお別れ。部屋に自転車と荷物を入れ、ちょっと一息ついた後、早速街歩きをしてみた。ジャズフェス開催直前ってことで盛り上がっているかと思いきや、そんなでもない。目に入ってくるのは、セネガルの日常的な光景。そんなサンルイの町を歩き、まずは、フェスの会場となる広場に行ってみることに。そこでは、出来上がったステージで音響チェックなどがなされていた。始まるのは夜遅くになってかららしい。警備員のポリスのお兄ちゃんに「いつから始まるの?」と聞いたら、「20時から」って言っていたんで、20時になって再び戻ってくることに。

 で、20時になってきたところ、結構な人が集まっていた。会場前には高級そうな車が止められ、なにやらお偉い人たちらしき人が入っていく。一度めっちゃ人が集まっている車があったので、何事かいなと聞いてみたら、どうやらユッスンドールが来たとのこと。それを聞いてミーハー心が発動したオイラは、慌てて近寄ってみたのだが、ユッスンの姿は見れず。見れたのは彼を囲むガードマンたちの後姿だけ。

 ところで・・・会場にやってきたものの、入り方がわからない。その辺でチケットでも売っているのかと思っていたのだが、それらしき場所がない。会場に入っていく人は、首からパスをぶら下げていたり、手につけたブレスレットみたいなのを見せている。「チケットはどこで買えるんですか?」と警備員のポリスのお兄さんに聞くのだが、「俺たちは、入場をチェックしているだけで、どこで買えるかとかは知らない」とそっけない返事。そしてパスがないってことで、入れてくれない。う~む、せっかくだから中に入りたいんだけどなぁ・・・入場ゲート手前でたむろっているセネガルの人たちと一緒に立ち見になるのかいな・・・と思っていたら、優しそうな警備員の女の人が手招きしてくれているのを発見。近寄ったら「今日は初日だから。ここから紛れて入っちゃいなさい」と裏口入場させてくれまして。おお~、ありがと~、お姉さん。明日はチケット売り場を見つけてちゃんとチケットを買ってから入るよ~。

 ということで、せっかく入場させてもらったのですが、結局1時間遅れで始まったライブ。これが、ピアノ&ウッドベース&ドラムというトリオ編成バンドによる、スタンダードなドジャズでして。うむむ、セネガルで開催されるジャズフェスなんだから、普通のジャズとは違うでしょ、なんかこう、もっとビートが効いた独特のジャズライブが展開されるのでは、と密かに期待していたのだが・・・そうではないようで、ちとガッカリ。