Boy meets Boy in dune town
砂漠のど真ん中でまさかの再会

2012.6.16 / Morocco(西サハラ:C.Bir Gandouz) 本日 自転車0km走行 : Total 38376km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→オムレツ 昼飯→タジン 夕飯→焼き魚プレート / 宿→Hotel Barbas(100ディルハム)

(English)
 I met again with my bicycle friend! I was surprized! We run across.



 さて、昨日の走りで心をポキポキ折れてしまい、さらにカメラが壊れ気味という状況が追い討ちをかけ、この先を走る気力が萎えてしまったオイラ、ここから、とりあえず、200km先くらいにあるダフラという町までバスに乗って行くことに決定。

 宿のフロントで話を聞くと、バスは一個向こうのガソリンスタンドから15:00発で出ているとのこと。ということで、チェックアウトの12:00まで、部屋で日記書き作業とかした後、自転車と荷物をロビーに運び出し、時間までレストランでゆっくり飯を食べながら、バスを待つことに。

 昼飯のチキン・タジンを食べ終え、あまった時間は、ムビラを取り出し、ポロポロと弾いていた。何気なく、入り口の方を見ていたら、一台の自転車がやってきた。見るからにチャリダースタイル、おお、これは「オイラもチャリダーです」挨拶で、お近づきになってみるか、と思い、自転車を停めている彼を目で追った。ちょっと遠いので、シルエットからしか判断できないのだが、どうも、欧米人チャリダーではないっぽい。ひょっとして日本人かな・・・でも、この時期ここを誰かが走っているなんて情報聞いてないし・・・なんて思いながら見ていたのだが、なんか、そのシルエットに見覚えがあった。チャリの後ろに積んであるタイヤを巻いているテープの巻き方に見覚えがあった。ん、待てよ、あれは・・・ひょっとして・・・

 アルゼンチンのウシュアイアの上野山荘で出会い、シェア飯仲間として、いやシェア飯のコック同志として濃い時間を共有した、チャリダーのカズくんが、今モロッコを走っていて、これから南下するって話は聞いていた。で、彼のブログをチェックしてて、たぶん、会えるとしても、もうちょっと先なんだろうなぁって思っていたのだが・・・

 あれは・・・ひょっとして、カズくんじゃない?

 そう思って立ち上がった瞬間、彼と目があった。

 ああぁぁぁ!!!!

 どう見てもヘンなヤツだとしか思われないような奇声をあげ、彼に向かって走り寄るオイラ。彼もこちらに気づき「ヨシさ~ん!」と言いながら走りよってきた。やっぱりカズくんだったのだ。

 ガシッ!

 思わず再会の抱き合いをしちゃった後、「いやぁ、久しぶりだなぁ・・・でも、なんで?こんなところで・・・」いろんな想いがこみ上げて、何を話せばいいのか分からない。カズくんも「ヨシさんが北上しているっていうのは聞いてたんですけど、まさかここで!」と驚きの表情。

 南下は追い風効果で、笑っちゃうくらいスピードが出るらしい。なので、1000km以上あった砂漠道もあっという間に走ってこれて、もう、ここに到着しちゃったとのこと。

 いやぁ、ビックリしましたよ、ホント。もちろん、サハラ越えは、ほぼルートが決まっているため、北上する者と南下する者は、ちゃんと走っていれば、いつかどこかの道路上でバッタリ出会えるはずなのです。なのですが、それは、<ちゃんと走っていれば>のお話。オイラのように、バスワープなんて手を使っちゃうと、すれ違いなんてことが起こっちゃうワケで。しかも、まさに、これからバスワープを考えていたオイラ、もし行動が今日でなければ、例えば一日早ければ、いや二日早くても、<すれ違い>が起こっていたんです。さらに、この町にはもう一軒レストラン兼宿がありまして。もし、カズくんが、そっちの方に行っていたら、オイラたちは出会うことなく、お互いの方向に旅たってしまっていたワケで。

 そういうことで、この出会いは、相当レアな偶然の賜物。いやぁ、やっぱり出会う人には出会うように出来ているんだなぁ。と、改めて旅のマジックに驚かされる。

 で、とりあえずここで飯を食べるというカズくんと、テーブルに座って話し始めたら、もう、つのる話が、止まらなくなっちゃって。ウシュアイアでは北上して、風に悩まされ続けたというカズくん。だから、アフリカは絶対南下することに決めていたと。あ~、オイラ、南下したウシュアイアではそんなに悩まされなかったからねぇ。暴風に負けた日があったけど、あれは特別な日だったワケだし。だからオイラは、舐めてました、アフリカ西海岸の風を。人間、身をもって失敗してようやく学ぶ。<自然現象には逆らわないべし>、これ、今日再会したチャリダー二人が声を揃えて言った教訓です。

 その後も、カズくんからモロッコ話を聞いたり、オイラがセネガル話を語ったり、懐かしのウシュアイア思い出話に花が咲いたりと、気づいたら、もうとっくにバスの出発時刻が過ぎていた。

 まぁ、この宿だったら、全然延泊OKだし、バスはまた明日にするよ、と言ったところ、「ヨシさんが延泊するのなら、ここに泊まっちゃおうかな」とカズくん。予定では、今日これから国境まで走っちゃうつもりだったらしいのだが・・・っていうか、オイラが、昨日丸一日がんばって走ってきた85kmの道を、午後、飯食ってユックリした後から走り出して余裕で辿り着けるって・・・これが、風の威力ですよ。風を味方にしたら、逆風で苦しんでいる自転車とは、3倍くらいスピードの違いがありますから・・・ああ、なんてうらやましいんだ・・・

 ということで、二人して泊まることにしたこの宿、引き続き話が止まらず、夜遅くまでチャリダー談義。そういえば・・・オイラは今日まったく走っていなかったので全然疲れてなかったけど、カズくんは、100kmくらい走った後だったというのに・・・