Bore bus riding
バス旅は退屈だ

2012.6.24 / Morocco(西サハラ:Dakhla~Laayoune) 本日530km移動(自転車4km走行) : Total 38380km走行
天気:曇のち晴のち曇時々雨 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→チーズサンド 昼飯→ビスケット 夕飯→タジン / 宿→Hotel Sidi Ifni(40ディルハム)

(English)
 I left from Dakhla. I went to Laayoune by bus.



 いろいろ考えたようであまり考えなかった結果、ラヨーンまでバスで行くことにしまして。昨日買ったチケットを握りしめ、バスターミナルへ。いや、バスターミナルって言えるほど立派なものなんてなく、バスのチケットオフィスの前にバスが停まるだけなんですけど。

 11時半にバスが来た。まずは荷物を乗せてもらおうと、横のハッチを開いたおじさんに、「これ、お願いします」とまとめた荷物を指差すと、「ん?札は?」と言ってきた。どうやら、積み込み荷物は、オフィスで申請して札をもらわなきゃいけないらしい。その際に、荷物分の超過料金が取られるシステムになっているようだ。おお、前回は、荷物おじさんにチップを渡すだけですんだのに・・・まぁ、今回のが正式なやり方なんでしょう。前回50ディルハム取られた荷物代が今回は20ディルハムですんだ。

 さて、とりあえず、荷物を預け終わり、バスに乗り込む。相変わらず小奇麗で、快適なバスだ。気持ちよく席に座り、出発を待つ。

 走り出すバス。車窓には砂漠の風景が流れていく。ダフラでダラダラして、睡眠時間はたっぷりとっていたため、全然眠くならない。iPodを取り出し、音楽を聴くことにした。聴く音楽は<ワールドミュージック>。これまでの旅で仕入れた、キューバ音楽、ブラジル音楽、アルゼンチン音楽、東アフリカ音楽、西アフリカ音楽・・・等々を<ワールドミュージック>というカテゴリにまとめ、このカテゴリに入っている約500曲の曲をランダム再生して聴くのが、最近のお楽しみ。

 しかし・・・バス旅ってホント、楽ですなぁ。なんか楽すぎて・・・退屈。飽きてきちゃった。前回は、久々の快適バスってことで気分が盛り上がったってのがあったし、半分くらい寝ちゃってたから、そんなに退屈しなかったんだけど、今回は、二度目だし、眠れないし、窓から見える砂漠の風景も、一向に代わり映えしないし・・・

 オイラ、バス旅だったら、こんなに長く旅できなかったと思う。きっとどこかで「旅はもういいや」って思っちゃったと思う。チャリダーの旅の期間が長いのは、一日の移動距離が短いため結果的に長くなるっていうのは、もちろん事実としてあるんだけど、その長くなった旅を<続けられる>っていうのは、基本的に<移動が楽しい>ってことにあると思う。チャリ旅は、<移動する過程>がエンターテイメントなのだ。移動しているだけで、何かが起こる。予想もしていなかったことに巻き込まれる。<旅>って移動するってことでしょ。知らない場所を訪れるってことを目的としていても、<そこに行くまで>も旅でしょ。そう、<そこに行くまで>も、楽しいチャリ旅は、退屈なんてしてられないのだ。退屈が一番嫌いな、ワーカホリックがいつまでも抜けないオイラにとって、チャリ旅は、とても合っている旅スタイルだったんだなぁって、改めて思う。

 その点、バス旅は・・・ね。いや、たまにだったらいいんです。でも、ずっとバスで移動し続けるっていうのは、オイラにはきっと出来ないことだろうなって思っちゃったんです。

 そんなバス旅も何もないってワケじゃないし。隣に座った人と親しくなるとか。今回も、隣に座ったお兄さんがスペイン語で話してくれて、結構盛り上がったし。そうそう、ここ、西サハラが旧スペイン領だったからなのか、スペイン語が通じる人が多いんですよ。コレが嬉しくて。

 さて、バス、砂漠の一本道をノンストップで走る・・・ってワケじゃない。実は、ところどころにポリスの検問所があって、ちょくちょく止められるんですよ。で、停まったバスに、ポリスが乗り込んできて、一人一人IDチェックなるものをしていくんですが・・・外国人は、別紙に詳細情報を記載しなくちゃいけないみたいで、外国人のパスポートだけ、一旦取り上げられ、ポリスステーションでなにやら情報を写された後、ようやく返してもらえる、という流れ。これが、結構待たされる。で、このバスに乗っている外国人は・・・オイラ一人。オイラ一人のために、待たされているってことを理解してから、他の乗客の方々の目線が痛くて。いや、モロッコ(西サハラ)の人たちは優しいから、別になんとも思っていないのかもしれないけど・・・なんとなく居心地悪い。しかも、これ、一回二回くらいならいいんだけど、4回くらいあったからね。最後なんて、一緒にポリスステーションまで来いとか言われちゃって。オイラだけ降ろされて、ポリスステーションに。情報を別紙に写している時、ポリスマンはにこやかにフレンドリーに話しかけてくれるのはいいんだけど・・・最後に「なんかくれないの?」と賄賂要求してくるのがメンドクサイ。もちろん、笑顔で「ノー」と言えば、それですむのだが。

 そんなオイラに同情してくれ「ポリスチェック、面倒だろ。俺らもちょっとむかついているんだ。どこへいってもID出せってうるさくて」と、言ってくれた隣の席のお兄ちゃんの優しさに救われる。

 さてそんな検問トラップをかいくぐり、ようやく20時頃ラヨーンに到着。ちょっと内陸に入り込んでいるためか、ダフラのような涼しさがない。モワッとした熱気が身を包む。とりあえず、宿を探さなきゃと、折りたたんだ自転車を元に戻し、荷物を装着し、街を走り始める。西サハラの首都的意味合いを持つというラヨーン。薄茶色に統一された建物の並びがいい感じなのだが、ま、普通の街って感じ。もうちょっと何かあるのではって期待したんだけどな。ま、こんなもんか。

 それにしても、ここも、街並みは意外と綺麗。そうそう、西サハラ、周囲は砂しかないのに、なんか町の建物が似つかわしくないほど立派だったりするんですよ。妙な違和感がある。これは、どうやら、モロッコが西サハラの実効支配を事実化すべく、次々と開発しているからみたいなんです。新しく作られるから、妙に近代建築な建物がたくさん並ぶってことになっているらしくて。そうか、この違和感は、国際問題を強引に解決させようとするエゴが作り出したものなのだ、ナルホド。

 数件の宿を見て周った結果、一泊40ディルハムの宿を見つけ、ここに泊まることに。モロッコ、やっぱり安宿はこれくらいの値段であるんだな。この値段で宿泊できるのならノビノビ旅できる。宿が高いとどうしても、気持ち的にアクセクしちゃうんで・・・と、宿泊費の高いセネガルでノンビリしていたオイラが言う。さて、宿に荷物を置いて、すぐに飯。ふ~、タジンはやっぱりウマイ。しかし、飯を食べていると、必ず猫が近寄ってくるんだよなぁ・・・この辺。今日も、飯を食べている間、ずっと、足の下をぐるぐるぐるぐると猫が歩き回ってて。今日はお腹が空きすぎてて、きれいさっぱり食べちゃったんで・・・すまん、キミたちにあげる分はないのだよ・・・