Country
国が成り立つ条件

2012.6.25 / Morocco(西サハラ:Laayoune) 本日 自転車0km走行 : Total 38380km走行
天気:曇 ネット:1
朝飯→ミサラ 昼飯→なし 夕飯→ピザ / 宿→Hotel Sidi Ifni(40ディルハム)

(English)
 I stayed in Laayoune today.



 ラヨーンの街を歩いていると、いたるところでモロッコの国旗がたなびいている。「ここはオレの土地だ」と、いやらしいほどに主張している。

 1988年に停戦協定が結ばれ、西サハラは西サハラ、モロッコはモロッコとして、それぞれ国として存在するよう約束されていたはずなのだが・・・24年後の西サハラは、モロッコになっちゃっていた。モロッコの資本で町が開発され、モロッコ人が多数住み、モロッコ文化で染まっている。この地を訪れる人々は「ここ、モロッコじゃん」って絶対思うはず。

 なぜこんなことに?それは、抵抗し続けなかったから、なのだろう。そもそも、国の領土なんてものの境目はあいまい。強いものが「ここはオレのものだ」と主張して、誰も逆らわなかったら、そうなってしまうという弱肉強食の象徴。国際社会な現代、世界的な組織が存在し、世界的なルールが存在しているかのように見えるが、そのルールは強者のルールでしかないのだ。強い国が自分たちの利益をむさぼるために取り決めたものでしかない。

 約束したから、ルールがあるから・・・なんて、安心していたら、いけないのだ。いわれのない侵略、いわれのない誹謗には、いちいち抵抗しなくちゃいけないのだ。国際社会では、何もしないで黙っていたら、それは受け入れたことことになってしまう。おかしいでしょ、ほら、誰か助けてよ、って心の中で思っていても、ダメなのだ。だって、ルールとかその時の正義っていうのは、その時の強いものが握っているのだから。

 日本や欧米諸国はモロッコ側についている。だから、モロッコのしていることは黙認されているという。

 西サハラ、停戦協定後、実効支配しようとするモロッコに対して、どんな抵抗を試みたのかは、よく分からない。でも、今、ここを旅していると、抵抗の気配なんて感じない。確かにラヨーンには、軍人さんがたくさんいて、軍仕様のハマーなんかが、街を走り回ったりして、モノモノしい雰囲気があるにはあるのだが、一触即発って感じではない。どこか、ノンビリした穏やかな空気が流れている。西サハラは、モロッコを受け入れてしまったのだろうか。

 一応、世界で80ヶ国もの国(アフリカと中南米と南アジアの国々)が、西サハラの独立を承認している。でも・・・ここは、西サハラという国と言えるかどうか、非常にビミョーだ。

 日本にも領土問題がある。北方領土はもちろん、最近では竹島や、尖閣諸島の問題もちょくちょくニュースで見る。竹島や尖閣諸島には、韓国人や中国人が住み着きつつあるという。実効支配が行われているのだ。これをなぁなぁにしている日本政府は、国の領土というものをどう考えているのだろう。あそこは国際ルールで日本のものとされているからさ、とタカをくくっているんだろうか。それじゃいけないと東京都が尖閣諸島を買うなんて動きもあるけど、本来ならこんなこと、政府がやること。国の領土を守るなんて、政府の一番のお仕事でしょ。あそこには人がいないからしょうがないんですよ・・・というのなら、人を住まわせてしまえばいい。僻地手当て政策とかやって、それらの地にどんどん日本人を住まわせてしまえばいい。日本の端っこだからさ、とか思って、なにもしないでいると・・・