(English)
I left from Tarfaya. I run on sandy road.
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モンモンとし宿に篭っていたら、いつまでたっても砂風地獄から脱出できない。とにかく前に進まなきゃ抜けられないのだ・・・そんな分かりきったことに後押しされ、今日走り始めることにしたのですが・・・昨日おとといと緩やかな風しか吹いていなかったのに、今日は朝から、ゴーゴーと、唸り音をたてた風が吹き荒れている。なんか、オイラが走る時に限って、強風が吹いている気がする。ああ、どうやら、オイラ風に好かれちゃっているようだ・・・ふ～、オイラのこと嫌って、走るときはどこかへいってくれればいいのに。
「この風の中走るのは、いつにも増して大変だ・・・」と、今日の風に対抗するのは止めて、今日も延泊しちゃおうか、なんて思ったのですが、きっと今日延泊したところで、明日もまた強風が吹き荒れるに違いない、なんてったって、オイラは風に好かれちゃっているから、と考え直し、風の中、出発。
次の目標地、タンタンまでは215km。おそらく平坦な道だし、通常なら二日もあればいけるところなのだが・・・風が行く手を阻むこの道では、たぶん二日では無理。
さて、走り始め、しばらくは、ここへ来るときに通ってきた道を逆走することに。ヌアクショットやダフラと同じように、海岸に突き出た町なので、タルファヤの町に入り込む道は一本道しかないんだろうと、と勝手に思い込んで。しかし、それはどうやら、勘違いだったようで。10kmほど風と戦いながら、幹線道路へ戻り、しばらく走ったら、目の前に＜タルファヤまで1km＞という看板が・・・どうやら、反対方向に抜ける道があったらしい。ああ、なんてこったい。通常の10kmくらいのロスならなんてことはないのだが、風と格闘しての10kmロスは、かなり精神的にダメージが深い。こんな風に負けないで、がんばるぜぇ、と気合をいれていた心が、早くもポッキリ折れた。
そして、今日は、さらに、心を折ってくる出来事が待っていた。今日は強い風に紛れて、砂が舞い上がって襲ってきたのだ。今までも、砂が巻き上がる地帯はいくつかあったのだが、ここは、今までで一番、砂を巻き上げてくる。そんな中を走るのは、普通の状態でイヤになってくるのだが、トラックがすれ違う時、この砂風の＜イヤ度＞半端ないほどあがる。この砂漠道を猛烈なスピードで走っていくトラック、砂を巻き上げながら進んでいるのですよ。なので、トラックとすれ違う時、シャワーのように、砂がオイラに降りかかる。もう、体中砂だらけ。砂ならサラサラしているから問題ないでしょ、というのは大誤解。汗ばんでいるカラダにひっついてくるので、超メンドクサイのだ。さらに、何もない直線道であるため、猛スピードで走るトラックは、ものすごい風圧でせまってくる。一応トラックは自転車を避けて、自転車との距離をとってくれるのだが、それでも風圧の威力はスゴイ。このトラックが巻き起こす猛烈な風にハンドルを取られてヨロヨロ。路肩が狭い道で、これは結構な恐怖。
そんな感じで、今日も、心をポキポキと折られながら、なんとか40kmほど進んだら、レストランを一軒ポツリとあった。ここで、タジンを食べる。お腹を満たしたら、ちょっとだけ、折られた心が回復してきた。ようし、午後もがんばるぞ、と小さく心の中でやる気を燃やしたのだが・・・そのやる気も、すぐにかき消されることに・・・
飯後、走りはじめたら、「パン」という音と供に後輪タイヤがパンクした。何事と思って原因を調べてみたら、タイヤの横が裂けてしまい、そこからゴムチューブが顔をだし破裂しちゃっているではないですか・・・ああ、この砂の中でのパンク修理は、超メンドクサイ。道路から離れた場所で作業しようとしても、深い砂にはまるだけだし、かといって、道路脇で作業していたら、走り抜けるトラックからの砂シャワーを目一杯浴びることになるだけ。ここは、どうあがいても、砂から抜け出せない、砂地獄。
まぁ、なんとかパンクを直し、走りはじめたら、今度は、なんか、お腹がゴロゴロいいはじめた。車がいないタイミングを見計らって、砂漠の真ん中で・・・いたしたのだが・・・どうもね、モロッコに入ってからというもの、お腹がゆるいのですよ。下すワケじゃないのだが、なんだかお腹が緩い。オイラ的には、タジンが怪しいと思っているんですけど・・・でも、タジンって、使っている食材はいたって普通だし、蒸し煮込み料理だから、そんなに油も使っていないだろうから、お腹が緩くなる要因なんて考えられないのだが・・・でも、怪しいのはタジンしかない・・・今日も、タジンてすぐ、お腹にきちゃったし。
そんなこんなで、今日は、思っていたより進めず。まぁ、今日はどうせ、道の途中で、野宿するつもりだったし。サハラ砂漠、空き地はいっぱいあるので、テントをはる場所はいくらでもあるのだが・・・この砂風が吹き荒れる中でのテント泊はキツイ。どこか、風を遮る場所でもないものか、とキョロキョロしながら走っていたら、途中、廃墟を発見。こういう風除けおよび人目から隠れられるところがあったので助かった。ただ、ここを野宿代わりに使う人がおおいのか、ゴミがたくさん捨てられて汚いのと、みなさん、タジンの影響でか、この周囲をトイレ代わりに使っているためかちょっと臭いのが、ビミョウ。さらに、なぜかここだけ蚊が大量発生していて、テント張り作業をしているだけで、手や足や顔を数十箇所刺される始末。蚊はもういなくなると思って、蚊取り線香とか捨ててきちゃったのに・・・まぁ、この砂地獄で贅沢なんて言ってられない。砂風が吹いてこないだけでありがたいと思わなきゃ。
それにしても、砂まみれのカラダが気持ち悪い。顔をぬぐうと、手にベットリと砂がつく。ああ、シャワーが浴びたいよぉ・・・
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