(English)
I stayed in Essaouira. Maybe I'll stay here long time...
|
|
ここエッサウィラ、なんでも<モロッコの冷蔵庫>と言われているらしい。ただいま夏まっさかりの7月、モロッコは灼熱の季節なのですが、ここ、エッサウィラだけは、涼しい・・・いや、っていうか寒いのですよ。涼しいと感じていたアガディールは半袖でちょうどよかったのだが、エッサウィラは、長袖シャツを一枚はおっていないとちょっとツライっていうくらい、寒い。朝晩なんて、超冷え込むから、久々にフリースをカバンの底から取り出しちゃったりして。
寒いくらいのエッサウィラ、作業するには最適な環境。冷たい気温のおかげで、冷却ファンの効果がイマイチのオイラのパソコンでも、一日中ぶんまわしていても、オーバーヒートすることはなさそうなんで、安心して、映像編集に没頭できる。
そんなエッサウィラだったら、アガディールを早々に出発して、エッサウィラに来ちゃえばよかったじゃん・・・とお思いの方もいらっしゃると思いますが、いや、実は、エッサウィラに来たら、映像編集に没頭できないのではないか、と密かに心配していたのですよ。
その理由は・・・町が楽しい、と聞いていたから。音楽をはじめ、アーティストが集う町って・・・話を聞いてると、超オイラ好み。そりゃ、訪れちゃったら、映像編集どころじゃなくなるかもな、って思っていたんです。だから、なるべく区切りのいいところまではアガディールでやってしまおうと、アガディールでがんばったんです。
で、訪れたエッサウィラ。噂どおり、めっちゃ楽しい町だ。なので、今日はちょっと・・・映像編集はお休み。まだまだ作業は残っているのだが・・・これは、もうしょうがない。中途半端に気持ちを残して遊ぶより、今日一日存分に楽しんじゃえ、と気持ちを割り切った方が、精神的にも健康だし、と、エッサウィラの町に飛び出す。
まず、港にある魚市場へ。ここ、町を冷蔵庫状態にしてしまうほどの威力のある寒流が流れている地帯なため、魚のしまりがよく、おいしい魚が採れるとのこと。さて、ここの魚市場では、「これ食べたい」と言って買った魚を、その場で、二枚におろして焼いてくれる。ついでにパンとサラダと飲み物もつけて出してくれる。ということで、雑然と並べられた魚の中から、値段が手ごろでおいしそうな魚を選び、調理してもらうことに。
で、10分ほど待たされて出てきた焼き魚が・・・激ウマだった。これは、なるほど、エッサウィラの魚はウマイと評判になるのも納得の味だ。なんつーか、身が引き締まっていて、それでいて、脂がたっぷりのっていて、噛むたびに旨みが口に広がっていくって感じ?ここは病み付きになりそう。毎日通いたいところなのだが・・・結構値段が高いのですよ。値引き交渉しても、一プレートセットで100DH(1000円)くらいしちゃう。確かにおいしいし、お腹も心も大満足だから、納得のお値段ではあるのだが・・・毎日通うには財布がキビシイ。
その後、メディナと呼ばれる旧市街地区をブラブラ散歩。このメディナは、迷路みたいに入り組んでいて、歩いているだけで楽しい。ザンジバルのストーンタウンみたいな感じか。そして、どこへ歩いても、道脇ではなにかしらのモノが売られている。オイラは買い物をしない人なんで、ただ見て歩くだけなんだけど、それだけでも楽しいのだ。ここ、雑貨趣味の人とか来たら、ウハウハでテンションあがりまくっちゃうんじゃないのかなぁ・・・
さて、ブラブラしているだけだったのだが、あっという間に夜になっちゃいまして。グナワライブが、始まる時間だ、と、昨日、楽器屋のおじさんから教えてもらったレストランへ。生グナワを早く見たくて、レストラン開店早々に入っちゃったのだが、開店と同時に演奏が始まるワケではなかったらしい。早く演奏が見たい!と、鼻息荒いオイラは、「グナワ演奏は、一時間後からだよ」と、店の人になだめられる。しょうがないので、飯を頼んで、ユックリ夕飯を食べながら待つことに。
で、食事も終わり、そろそろ手持ちぶたさで退屈してきた頃、奥から、ゾロゾロと民族衣装に身を包んだ男の人たちが出てきた。絨毯がひいてある店の真ん中に座り込み、なんとなく、演奏開始。おお、このダラダラした感じが、生っぽい。
グナワの演奏は、ゲンブリという3弦楽器と、鉄製のカスタネットのカルカベという、シンプルな楽器構成で行われる。ゲンブリを演奏するのがリーダー的存在の一人で、残りのメンバーは、皆、カルカベを両手に持ち、リズム伴奏をするのだ。なんとなく、ムビラの演奏とスタイルが似ている。ムビラも、メイン楽器であるムビラと、リズム伴奏であるシェイカーのみによって構成されているし。
ちなみに、グナワの場合スーダンをルーツに、西アフリカ地方から来た黒人奴隷者によってエッサウィラ地方で広められた音楽らしい。
で、初めて体験した生グナワの音楽は・・・やっぱりムビラと同じく、トランス系ではあったものの、ムビラと違って、力強いものだった。ムビラが宇宙へ連れて行ってくれる感じだったのに対して、グナワは、なんか、もっと混沌とした精神世界へ連れて行ってくれる感じ?っていうのかなぁ・・・
ゲンブリという弦楽器が、バンド楽器でいうとベースに近い音を出す。低音がビリビリ効いているのだ。で、この低音弦楽器で、ギターのようなフレーズパターンを繰り出す。ベース弦でギターフレーズ・・・なるほど、ああ、これは、確かに、ロックの人は反応してしまいますわ。うん、4千年前からこの音楽があったわけじゃないとは思うのだが、ウィリアム・バロウズが「4千年前のロックンロール」と評したのも分かる。
グナワ演奏隊の皆さんが、演奏しながら、歌を歌う。そして、歌いながら、パフォーマンスする。頭をくるくる回しながら、演奏する姿が、なんだかコミカルで面白い。
ふむむ、これがグナワか・・・
確かに、いい音楽で、いいライブではあったのだが・・・ちょっと期待しすぎちゃったかも。ツェッペリンやジミヘンが傾倒した、なんて聞いちゃってたから、どんだけロックなのよ、と、頭の中で妄想しすぎちゃったかな。う~ん、ゲンブリの音色とフレーズは確かに、アフリカの音楽の中では、ロックっぽさがある音楽だとは思うけど、基本はやっぱり、アフリカントランス系の音楽ですよ、これは。ミニマルなフレーズの繰り返しが次第に気分を盛り上げていくという、あのパターン。
好きですけど・・・ドハマリするまでには至らなかったなぁ、グナワ音楽。事前情報無しで、アフリカ音楽の一つですけど聴いてみます?くらいの入れ込みで聴いていたら、意外なロック感に驚いて、ハマッたかもしれないけど。
まぁ、とにかく、エッサウィラ、いろいろ面白い町であることは確か。うむむ、ここで映像編集作業、進めることができるのだろうか・・・?
|
|
|