(English)
I stayed in Marrakech.
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この時期のモロッコ走りはツラ過ぎる・・・ということで、走りは諦めました。ここから先、アトラス山脈を越えなきゃいけないし。この暑さの中、ラマダンの空腹で、体力が戻りきっていないオイラが、耐えられるわけがない。ということで、バスワープすることに。
ということで、マラケシュでまずやったことは、次の町へ向かうバスチケット購入。朝、まず、バスチケットを買いに。昨日、チャリで通った道沿いにバスオフィスがあるのを確認していたので、そこへ。行き道は、昨日通ってきた道を逆戻りしたため、問題なく、バスオフィスへ到着。
で、ワルザザートという町までのバスチケットを購入し、とりあえず、宿まで戻ることにしたのだが・・・まぁ、行きに通ってきた道をまた戻っても面白くない。せっかくだから、別の道を通って帰るか、と思ってしまったのが間違いだった。
ここ、マラケシュのメディナは、今までのメディナとは比べ物にならないくらい複雑怪奇の迷路状態。昨日の夜、宿に辿り着くまでに道に迷って、マラケシュメディナの迷路状態を早くも体験していたはずなのに・・・喉下過ぎれば暑さ忘れるってやつですな。今日は今日で、ちょっとした冒険心から、メディナ探索を兼ねて、ブラブラ歩いてみることにしたのですよ。
一応、地球の歩き方地図は、iPod Touchに入れておいたし、そもそも方向感覚には自信があるしね、と、メディナの奥へ奥へ。一応、目指すは、宿の近くにある、ジャマ・エル・フナ広場。道脇に店が並び、様々なモノがざっくばらんに売られているスークと呼ばれる商店街ゾーンを楽しみながら歩いていたのだが・・・次第に、自分がどこにいるのかさっぱり分からなくなった。
大体町なんてものには、ランドマークと呼ばれる建物があり、そこを基準にして、ちゃんと道路を歩いて動いていけば、自分がどこにいるか分からなくなるなんてことはほとんどない。が、このマラケシュのメディナ内は、そんな<普通の町の常識>が通じる場所ではなかったのだ。
マラケシュのメディナ内にも一応ランドマークらしきものはある。オイラが目指しているジャマ・エル・フナ広場とか、数箇所に点在するモスクとか。でも、メディナ内を歩いている時には、これらをランドマークにできないのだ。なぜかというと、メディナ内は空が見えるスペースが極端に少なく、高い建物を確認しながら歩くなんてことができない。モスクとかせっかく高い塔があるのだが、これらは、ほぼ見えない。
さらに、マラケシュのメディナが歩いている人を迷わす最大の原因だと思われるものは、<道がまっすぐではない>ということだ。ちゃんと道を歩いているのだが、その道はビミョウに曲がっていたりする。東に進んでいるつもりだったのに、いつのまにか北に向かっているなんてことになるのだ。これが、曲者。自分の方向感覚を過信して、<目的地は絶対こっち>なんて思っているほど、深みにはまる。
空が見えずに曲がっている道・・・これが、マラケシュのメディナを迷路にしている要素なのだ。
最初は、この迷子状態をちょっと楽しんでいた。が、炎天下の中1時間歩いた時点で、いい加減、この迷子状態に嫌気が差してきた。本気で戻りたい・・・と思い始めて、必死で帰り道を探したのだが、すでに、自分がどこにいるのかすら分かっていないのだから、地図なんてぜんぜん役に立たない。道行く人に、フナ広場の方向を聞いても、皆適当なことを言うから、余計迷うだけだし・・・
さらに1時間後、なんとか、地図に載っている建物であるマラケシュ博物館を発見。自分が思っていたよりだいぶ北のほうを彷徨っていた。ふ~、ここまで自分の方向感覚が当てにならない町は、初めてだったよ、もう。
さて、宿に戻って一休みした後、夕刻、涼しくなってから、フナ広場へ。フナ広場は、夕刻から、飯を売る屋台が立ち並び始め、活気が出てくる。今晩は、この屋台で、夕飯を食べることに。実は、楽しみにしていたんです、ここの屋台であるものを食べることを。そのあるものとは・・・羊の脳みそ。なかなかないでしょ、脳みそを食べられるところって。内臓系を調理して出してくれる場所はいろいろあるケド、脳みそを出してくれるところって・・・そう、そんな脳みそ料理を出してくれる屋台が、このマラケシュのフナ広場にはあると聞きまして。
で屋台が立ち並んだゾーンをぶらぶらしてたら、見つけました。羊の脳みそを扱っている店。47番と書かれたナンバーのお店の店頭に、グロテスクな羊の頭が並べられており、その羊の頭の上に、さらにグロテスクな脳みそがお皿に盛られて置かれてた。
「これ、食べたいんですけど」
と、脳みそを指差すオイラ。店のお兄ちゃんが、「了解。一人前ね」とすでに、茹で上げてある脳みそを取り出し、包丁で半分に切ってくれた。さらに、内臓系の肉いくつかと、盛り合わせで出してくれた。
「どれどれ」
おそるおそる、脳みそを食べてみるオイラ。パクリ・・・ふむむ、意外とうまいじゃないか。ええ、なかなか濃厚なお味で。日本酒のおつまみにあいそうなかんじ。脳みそ一個も食べられないかもなぁ、なんて思っていたのに、意外とペロリと食べちゃった。っていうか、おかわりで、もう一個食べたかったくらい。
さて、オイラが、羊の脳みそをパクついていた時、ちょうど、ラマダン明けのアザーンが流れていた。それが流れると一斉に皆が、水を飲み始める様子が面白い。ちなみに、ラマダンが明けるこの瞬間、一応店とかは開いてるんですが、店員さんは、皆、店先にテーブルと椅子を出して、水とジュースとヨーグルトとスープを飲み始めます。ちょうど買い物中で、欲しいものがあっても、この瞬間は、なんとなく、店員さんを呼ぶのを気が引ける瞬間デス。
食事を終えた頃、フナ広場はどんどん盛り上がってきます。蛇使いのおじちゃんが出没したり・・・まるで夏祭りの縁日みたい。夏祭りとかは、期間限定だけど・・・ここは、一年中こんな感じらしい。一年中躁状態っていうのも・・・どうなんでしょ?
さてさて、盛り上がってきたフナ広場で、オイラが一番お目当てとしていたのが、ベルベル人の人たちの演奏パフォーマンス。まぁ、そんなに期待していなかったんですが、世界の音楽パフォーマンス追っかけのオイラとしては、外すわけにはいかないので。
で、このベルベル人のパフォーマンスには、いい意味で期待を裏切られた。めっちゃすごかったのだ。これだけのクオリティーの演奏を路上でやっちゃうのか・・・5人くらい~10人くらいの大人数で演奏するベルベル人のパフォーマンス。弦楽器が二人くらいいて、あとはみんな打楽器。ダラブッカやリグなど数種類の打楽器のリズムアンサンブルでリズム伴奏をする。で、オイラは、この辺の音楽は、ダラブッカがメインの打楽器なのかなぁと思っていたのですよ。が、実際の打楽器主役は、タムタムみたいな太鼓だった。これ、いくつも並べて、ドラムセットみたいな構成にする。で、バチで叩くのだが、太鼓の径によって、低音から高音までなり、とにかく、一番目立つ太鼓音となる。オイラは、このタムタムみたいな打楽器のプレイに感激。
ちなみに、あまりにも感激してしまったので、すぐに、通り沿いにあった音楽屋に入って、「フナ広場で演奏されているようなベルベル人の音楽CDをください」と言って、店のおにいちゃんに試聴させてもらったのだが・・・実は、ベルベル人のミュージック、CDだと、かなりショボイ。というのも、ミキシングの関係で、弦楽器と歌が全面に出すぎていて、打楽器が全然迫力ない。逆に、フナ広場でのライブパフォーマンスは、太鼓しか聞こえないくらい。歌と弦楽器演奏は完全にかき消されてて、リズムしか聴こえない。それが超かっこいいのに・・・CDでは、全然再現してくれてない。
ということで、CDは買わずに、できるだけ、ライブの音源を自分で録音収録することに。パフォーマンスグループはいくつもある。で、カメラを取り出すと、すぐに、リグをさかさまにして「ここにお金をいれてね」と、言われる。お金を払うのを渋っていると、何度も払え攻撃を食らうことになり、だんだんウザクなってきちゃうので、ここは、素直に払ってしまうのが得策。3ディルハムくらい払っておけば、椅子を出してくれ「座って見てろ」と歓迎までしてくれるのだ。もちろん、一度払ってしまえば、ビデオモードでずっと撮影してても、あとは何も言われない。
いやぁ、フナ広場でのベルベル人パフォーマンスは拾いものだったなぁ・・・やっぱりモロッコ音楽、打楽器が、どこまでも興味深い。
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