(English)
I left from Marrakech. I ride on bus. I arrived at Ouarzazate.
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昨日、夜のフナ広場に大興奮してしまったオイラ。いつもだったら、延泊決定・・・となっているところなのですが、今回は、もう、バスチケットを買ってしまってまして。しかも、朝8時半の便だから、変更できそうもない。ということで、諦めてマラケシュは出発することに。あ~、これだからバス旅はイヤなんだよなぁ・・・まぁ、今回、この先をちょっと急がなきゃいけないって事情もあるから、無理やりにでも後押ししてくれるのは、助かるっちゃ助かるのだが・・・
さて、今日は、ここマラケシュから、ワルザザートという町まで一気にバスワープする。このルート、オートアトラスというアトラス山脈を越えるルートとなる。高度400mのマラケシュから、2800mくらいのアトラス山脈の峠を越え、1100mくらいのワルザザートへ行く山道だ。
最初は、このルートの景観がすごくいい、という話を聞いていたので、それだったら、ぜひともチャリでと思っていたんです。が、マラケシュまで向かう走りで完全に心が砕けました。この暑さの中、峠越えなんてとんでもない。もちろん、高度があがれば涼しくなるだろうから、常に灼熱ってことじゃないとは思うのだが・・・でも、涼しくなるまで上がるのすら、今のオイラにはもう、無理。
で、バス。まず、荷物を乗せてもらって・・・追加料金はいくら?って聞いたら「2なんとか」って言ってきたので、20ディルハムかと思って、20ディルハム紙幣を渡そうとしたところ、これじゃないと、拒否られた。どうやら、200ディルハムと言っているらしい。アホか~、オイラのバス代80ディルハムなのに、なんで荷物代がその倍以上もすんねん。しかし、もう詰め込んでしまった後。詰め込む前なら、「なら止める。バス代も返せ」攻撃ができるのだが、これじゃぁ、ラクダに乗せられ法外な料金を払うまで降ろさないぜという、エジプトのラクダ野郎と同じ手口。なんとか粘って交渉したのだが、結局150ディルハム払うハメ。あ~、80ディルハムでワルザザートまで行けるのなら安いものと思っていたのに、結局230ディルハムもかかるとは、とほほ・・・
さて、とにかく乗り込んで走り始めたバス。次第に山道に入り込んでいく。スペクタクルな風景が見れるということで、バス風景を楽しみにしていたのだが・・・次第にそれどころではなくなってきた。山道があまりにもクネクネしている。そして、そんなクネクネ道を、スピードを緩めることなく突っ込んでいくバスの運転に、車酔いしてしまい、気持ち悪くなってきてしまったのだ。
そんな状況なのはオイラだけではないらしく、周囲ではビニール袋を取り出し口に咥えている人が続出。オイラの隣のおじちゃんも、息遣いが変になってきている。
やばい、これは、オイラもビニール袋の助けを借りなきゃいけないことになるかも、なんて状況になってきた。あ~、やっぱり酔っちゃったかぁ・・・そう、普通に乗り物に弱いオイラ、こんな九十九折カーブが続く山道で酔わないワケがない。
これだったら、暑さを我慢してチャリで走ったほうがマシだったよ、と、思わず頭を後ろのシートに乗せ、天井を仰いだ。
と、一瞬、気分が緩んだ。一瞬だけ酔いっ気が飛んだ。
あれ?なんだ、この感覚?と、もう一度、さっきの体勢をやってみるオイラ。顔を若干ひねり、その状態で頭を後ろに倒して、首の上のところをバスの座席シートに乗せる。
ん?酔いの感覚が消えるぞ???
なぜか、この体勢にすると、気持ち悪さがなくなった。これは・・・ビックリ。小学生のバス遠足の帰りのバスで大惨事を引き起こして以来、トラウマとなってしまっているオイラのバス酔い。それが、こんな方法で克服できるとは???
自分でも半信半疑なのだが、この体勢を保っている限り、いくら車がヘアピンカーブをスピードを緩めずに突っ込んで強力なGがかかろうとも、気持ち悪くならないのだ。いつものオイラなら、確実に気持ち悪くなるであろうという状況なのに、だ。周囲の人たちは、先ほどに増して、皆、ビニール袋を口に咥えているのに、だ。
そして、この体勢で寝てしまえばもう、完璧。恐怖の山道バスも、まったく酔うことなく乗り切ることができるのだ。ただ、美しい山の風景を見ることができないのが、残念なところなのだが。
これは、この旅に出て一番の収穫発見かも・・・
それくらい思えるほどの、衝撃だった。いや、ホント、その後は、ホント、まったく気持ち悪くならなかったのだ。その後も、延々クネクネ山道が続いたというのに。
うむむ、これはどういうことなんだろう?と思って、後で、ネットで調べてみたのだが、頭を固定すると酔いづらくなるということはあるらしい。「頭をできるだけ固定する。背もたれにしっかり固定したり、車の窓際であれば窓と窓の間の支柱などに厚めのタオルをかませ、頭を押し付けます。車酔いは体が揺れるからではなく、三半規管の揺れ、つまり頭が揺れるからです。」なんて、車酔い対策アドバイスが書かれていたのを見つけた。
しかし、クネクネ山道では、頭を固定したくらいで、揺れなくなるなんてことはないはず。だから、今回の場合、揺れなくなるから、大丈夫になったんですよ、っていう説明はつかない。う~ん、理由は不明のままなのだが、とにかく、事実として、この方法をやると、揺れても酔わないのだ。
これ、複数人で臨床実験やってデータとって、うまいこと理屈つければ、医学会に衝撃を与える論文になると思うんだけどなぁ。っていうか、もし、すでに誰かが解明しているのなら、その論文を読んでみたい。
とにかくですね、右の上から五番目の写真みたいに、ちょっと上向き気味な状態でシートに頭を乗せる。その時、首はまっすぐではなく、若干ひねる。このひねり角度がちょっとポイントのような気がします。オイラの場合、ひねり具合を試行錯誤してたら、ちょうど全然酔わないポイントなる、ひねり角度があったんで。
ええ、これだけなんです。こんな簡単な方法で、薬も使わずにバス酔いが回避できるなんて。しかも、この方法が凄いのは、一旦気持ち悪くなってからでも、効果があるってこと。気持ち悪くなっちゃってから飲んでももう遅いっていう薬みたいなことではないのです。
ひょっとしたら個人差があるかもしれないので、この方法じゃダメでしたっていう人がいるかもしれないけど、気軽に試せる方法なんで。車酔いに悩み続けている人はぜひ、お試しあれ。
ああ、でもこれで、小学生以来、ずっと抱えてきた<乗り物酔い>という弱点から、開放されるかも。そういう意味で、今日のこの発見は、オイラの人生において、かなり重要なモノ。いや、ホント、この発見は、衝撃意外ナニモノデモナイ。
さて、ということで、九十九折山道をバスで越えてきたというのに、ケロッとしているオイラ。ワルザザートのバスターミナルから、町の中心まで元気に自転車で走り、宿にチェックイン。うむ、ちょっと標高が高くなったからか、ここワルザザートは、マラケシュほどは暑くない。とりあえず、日中でも気楽に外に出れる気温なので、到着早々、町中をウロウロ。ワルザザートが舞台になった映画<シェルタリングスカイ>の舞台になったという、タウリルトのカスパという建物があったので、外から見物。
ワルザザート、実は、この周辺は、数多くの砂漠映画のロケ地として使われている場所らしい。映画マニアとしてはウズウズ。ええ、ここに、わざわざやってきたのは、映画マニア心がうずいちゃったからなのですよ、ハイ。さぁ、明日は映画体験三昧だ!
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