Movie City
映画マニアなら最高にワクワクする場所

2012.8.13 / Morocco(Ouarzazate) 本日 自転車65km走行 : Total 39494km走行
天気:晴のち曇時々雨 パンク:1 ネット:1
朝飯→オムレツ 昼飯→ピザ 夕飯→タジン / 宿→Hotel Royal(60ディルハム)

(English)
 I stayed in Ouarzazate.



 さて、今日は、ワルザザート周辺を探索。この周辺、映画のロケ地だらけらしいのですよ。そんな数々のロケ地の中で、映画<グラディエーター>の舞台となったアイト・ベン・ハッドウというところに行ってみることに。

 このクソ暑い中なので、タクシーで行っちゃおうかとも思ったのですが、チャーターだと意外と高い。片道30kmちょいだし、ま、がんばるか、とチャリで行くことに。実は、この辺、マラケシュほど暑苦しくはないのですよ。標高がだいぶ上がったからなのかなぁ・・・過ごしやすいとは言えないけど、もうダメってギブアップするほどではない。

 さて、走り始めたワルザザート周辺道。意外と心地よい。いや、いい風景が広がっているのですよ。これは、チャリで走らなかったのはもったいなかったなぁ、とちと後悔。ま、今、走っているからいいか。うん、この辺は、サイドロードをチャリ走りすることに、ってことで。そうそう、そのスタイルこそ、本来の折りたたみチャリ旅の正しいあり方。メインは公共交通機関を使い、ちょっとしたところをチャリで走る・・・って、つもりもあったんだけどなぁ、最初は。でも、やりはじめたら、やっぱりガッツリチャリ走りになっちゃった。ガッツリ走るんなら、折りたたみチャリである利点って実は、あんまりないのですよ、ハイ。

 さて、20kmほど走って、小さな町へ到着。ここから右折してわき道へ入り、さらに10kmほど走ると、見えてきました、アイト・ベン・ハッドウ。なるほど、確かに、非常に絵になる町です。リドリー・スコットがロケ地に選んだだけのことはある。ちょっと離れた高台から、全景を眺める。うん、こういうのは、引きで見るのがいいんです。

 さて、とりあえず、中にも入ってみるか、と、そのまま村へ突入。土産物屋が立ち並んでいて、かなり観光地化されている感じであったが、只今、ラマダンなので、客引きも強引な感じがなく、ビミョウに閑散としていて、オイラ的にはいい感じ。で、中へ入ってから、どこかに、自転車を停めようと思ったのだが、この辺にたむろっているモロッコ人たちが「その自転車いいな」「いくらするんだ」「俺のと交換しないか?」と久々のチャリ興味攻撃を浴びせてきたので、適当な場所に停めるわけにもいかなくなり、そのまま、中でもずっと抱えているハメに。

 ま、中にチャリを持ち込んでも特に怒られないようだからそのままでいいか、と、そのままあちこちで、ファニーバニーinアイト・ベン・ハッドウな様子を写真撮影。

 ただ、上に行くには階段道をひたすらあがらないといけないこの建物、さすがに、自転車を抱えて頂上まであがるのは、シンドイため、途中で断念。ま、雰囲気が味わえればいいか、と引き返すことに。

 と、ここで、前輪のパンクに気づいた。そう、こういうショートトリップでも、結構パンクってしちゃうもんなんですよ。なので、こんな時でも、タイヤ交換セットは忘れないように持っておかなきゃいけない。今回も、ちゃんと3点セットをカバンの中に入れておいたため、慌てることなく、チューブ交換。

 さて、アイト・ベン・ハッドウを後にして、次に向かったのは、アトラス・コーポレーション・スタジオ。ワルザザートの町の中心から5km離れた場所にある、映画スタジオだ。ということで、道はほぼ、戻り。で、到着したアトラス・コーポレーション・スタジオ。中へ入ると、早速リドリー・スコット監督の写真が!!!(何を隠そう、オイラ実は、リドリー・スコット監督の大ファン。ブレードランナーの頃からの追っかけデス)。そして、その他、ここをロケ地として撮られたと思われる映画のポスターが数々貼ってある。う~ん、映画好きなら、これだけでも、ワクワクしてくる。

 さて、ここでは、1時間に一回、ガイドによるスタジオ案内ツアーがあるようなので、それに参加することに。で、まず連れて行かれたのが、いきなりチベット。いや、実際のチベットではなく、チベット映画を撮るために作られた映画のセット。ここには、ドリー(移動撮影に使う機材)とかが、置いたままになっており、ちょっと遊べるのがいい感じ。

 この後も、様々な世界に突入・・・で、この世界を作り上げている巨大なセット、一見、ホンモノっぽいですが、壁やモノを叩いてみると、軽い音しかしない。まぁ、中は張りぼてなのですよ。小道具も、発泡スチロールとかで作ってあるし。映画とはいかにウソなのか、ということがわかるのですが・・・実際の映画の騙し方の上手さに改めて感激する瞬間でもあるのです。

 いや、ここは、面白い。映画ファンなら絶対好き。あ、映画ファンじゃなくても、子供はこういうところにつれてこられたら嬉しいだろうなぁ・・・一緒に周ったご家族の子供は、めっちゃはしゃいでたもん。う~ん、そういえば、オイラも小学生の頃、東宝の砧スタジオに遊びに行かせてもらった時、はしゃぎまくってたもんな。そして、その思い出は今でも強烈に覚えている。

 さて、一旦宿に戻ってシャワーを浴びてマッタリ。実はこの辺、アトラス・コーポレーション・スタジオ以外にも、撮影スタジオは、他にもいろいろあるので、それを巡るというのもアリなんですが・・・なんせ、暑いんで。集中力が持ちません。行っても、さっきみたいな興奮は、もうしないだろうな、って思ったんで・・・スタジオ巡りは終了。

 ということで、一応、ワルザザートでやろうと思っていたことは終了。バスチケットは昨日のうちに買っておいたし、予定通り、明日、テネリールに向けて出発の心積もりでいたんです。が、夜、涼しくなったんで、町をブラブラしていたら、広場に、ステージのセットが組まれているじゃないですか。「今日、何かやるんですか?」「うん、今日から、ラマダン・フェスティバル。面白いバンドがいっぱいでるよ」とのこと。

 で、始まる時間だという23時に行ってみたら、いやぁ、このフェスがめっちゃ面白かった。しょっぱなが、ワルザザートのベルベル人による儀礼音楽演奏。いや、もう、これだけでノックアウト。これこれ、こういうのを見たかったのよぉ。これを見るために、アトラス山脈を越えて、ベルベル人の住む砂漠地方に戻ってきたのよぉ、と、まるで、オイラの願いをわかっていたかのような、見事な演出。

 その後は、雰囲気が一変。若者によるポップミュージック。これも、洋楽ではなく、まさに、モロッコポップな音楽で。これこれ、こういうのも、聞きたかったのよぉ。モロッコで実際どういう音楽が流行っているのか、イマイチ分からなくてモヤモヤしていたのよぉ、と、これまた、オイラの願いがわかっていたかのような、見事な演出。

 終わったのは夜中の2時過ぎ。最後のバンドが超かっこよかったので、「あのバンド名何ていうの?」って近くのお兄ちゃんに聞いたら、バンド名を教えてくれた後、「あのバンドよりもっとカッコイイ演奏するバンドが明日出るよ」って。

 え~、そんなこと言われたら、明日出発できないじゃん。