Maison D'hote Amande Chez Noriko
久々に日本人宿へ

2012.8.15 / Morocco(Ouarzazate~Tinerhir) 本日 182km移動(自転車13km走行) : Total 39507km走行
天気:晴のち曇 自転車折りたたみ:1
朝飯→オムレツ 昼飯→オムレツ 夕飯→鳥のから揚げ / 宿→Maisson D'hote Amande(70ディルハム)

(English)
 I left from Ouarzazate. I went to Tinerhir by bus. Near Tinerhir, there is Japanese Guest House.



 今日も、ワルザザートでは、ラマダン・フェスティバルが続くらしいのだが、そうそう延泊していられない。なんてったって、今のオイラは弾丸トラベラー。9月初めにスペイン入国を果たすため、急ぎ足モードなのだ。

 ということで、ちょっぴり心残りではあるのですが、本日、ワルザザートを出発することに。次の目的地は、トドラ渓谷。スペクタクルな景観が見れるということで楽しみにしている場所なんですが・・・実は、スペクタクルな景観以上に楽しみにしていることがありまして。それは、そのトドラ渓谷に、ノリコさんという日本人女性がやっている日本人宿<アーモンド>があると聞きまして。日本人宿があると聞けば、かならず寄っていくというほど、日本人宿好きなオイラとしては、ぜひとも寄りたい場所だったのですよ。

 なんせ、アフリカ、日本人が集まる宿はあっても、日本人がやっている日本人宿って無かったからねぇ(実は、マラケシュに、ハウス13という日本人宿があったらしい。後から知った)、久々の日本人宿訪問。そして、何よりも、アーモンドでは、ノリコさんが作るご飯がめっちゃ美味いと聞いて、そりゃもう、楽しみで楽しみで。

 さて、昼13時にバスに乗り込み、出発。ここから先、バスの窓から眺めた風景が・・・絶景続きでした。しまったぁ~、ここは、チャリで走るべきだったぁ~、と思わずこぶしを握りしめて悔しがるような風景が、車窓に流れていく。この道、風景もいいのだが、途中通過する町が、いい雰囲気の場所ばかり。そそり立つ岩壁の壁面に家を建てている町とか、オイラの超好みじゃないですかぁ~

 そんな地団太踏んだバス道中だったのですが、テネリールという町で、バスを降り、そこからトドラ渓谷までチャリを走らせ始めたら、さっきまでの悔しい思いは吹っ飛んでしまった。目の前には、バスで見た風景以上の絶景が広がっていたのだ。おお、さすが、トドラ渓谷、先ほどバスで通ってきたカスパ街道一の絶景ポイントと言われるだけはある。渓谷へ行くには、結構な坂を上っていかねばならなかったのだが、上れば上るほど、素晴らしい景色が見えてくるので、上るのが楽しくてしょうがない。バスワープ続きで、久々のチャリ気分だったってのも、いい意味で作用して、気持ちよい走りになった。

 そんな走りをして、テネリールの町から15kmほど渓谷に入ったところで、左手に<Amande>と書かれた小さな看板を発見。ふおお、ここか。いや、そろそろかと、キョロキョロしててよかった。走りに集中してたら、見落とすところだったな。

 さて、門のところにあった呼び鈴を押してみたのだが、反応がない。と、隣の売店のおじちゃんが出てきて、「ノリコは、今渓谷に行ってるよ。待ってたら戻ってくると思うから」と教えてくれた。そこで、門の前で待っていたら、渓谷から戻ってきたと思われる一台の車がクラクションを鳴らして止まった。お、ノリコさん登場か?と思ったのだが、車に乗っているのは、どうみてもモロッコ人。「ノリコは渓谷にいたよ。二人の日本人の女の子と一緒に。もうじき戻ってくると思うから」と、言って去って行った。ふむむ、ただ、待っているだけだと不安になるのだが、こうやって、状況を教えてくれると、安心して待っていられる。

 とりあえず、暇つぶしにジャンベを軽くポコポコ叩いていたら、通りすがりの人たちが何人も「俺にも叩かせろ」的なことで、ワンフレーズ叩いて去っていった。いやぁ、モロッコ人ってみんな太鼓が叩けるんだな。こんなにも太鼓王国だったなんて、知らなかったよ、ホント。

 と、1時間くらい待ったところで、宿の前でタクシーが止まって、ノリコさんたちが降りてきた。「ゴメン、待った?」「ちょっと待ちましたけど、道行く人たちが、ノリコさんが渓谷にいるってこと教えてくれたんで、全然問題なかったです」なんて、言葉を交わしつつ、ノリコさんの宿へ。

 中は、モロッコ雑貨でいい感じにアレンジされて雰囲気ある部屋だった。「泊まる部屋はここで、トイレとシャワーはあそこね」と案内され、とりあえず、落ち着こう・・・と思ったのだが、今日、ノリコさんと一緒に、トドラ渓谷に行っていたという、二人の女の子旅人、マイさんとシホミちゃんが話しかけてきてくれ、休むまもなく、旅人談義に突入。ドーナツを用意してくれたノリコさんも交えて、話が盛り上がる。いやぁ、女の子たちと、ゆったり環境でこんなに日本語で会話するの久々だったんで・・・おにいさん、だいぶ、テンションあがりまくり。

 さて、話が留まることなく、気づいたらもう周囲は真っ暗。ノリコさんが「そろそろ夕食にしようかしらね。何食べたい?」と。そこはもうお任せで。いや、お任せって言われるのは結構困るってことも知っているんですけど・・・「日本食であれば、なんでも」なんていう曖昧リクエスト。

 で、ノリコさんが台所に行って料理を作ってくれている間も、ひたすら喋っていたら・・・突然、電気が切れた。どうやら停電らしい。「すぐ復旧するから」とノリコさんは言うのだが、なかなか復旧せず・・・ま、今、ラマダンですから。

 結局、ノリコさんが食事を作り終え、出してくれても、電気はつかず。懐中電灯で照らしながら食べた、唐揚げ定食は・・・そりゃもう、おいしゅうございました。モチモチの白米ご飯に、トリ唐って・・・最強です。

 美味しいフルーツデザートまで出してもらっちゃって、もう大満足。そして、その後も、留まることを知らない旅人談義は夜更けまで続くのであった・・・

 気遣いが素晴らしい日本人オーナーがいる空間に心を緩め、言葉が通じる日本人と心行くまで喋って心を開放・・・これが、日本人宿のいいところ。常に警戒心が必要で、なかなか心を緩められない海外旅において、ほっこりできる、オアシスのような存在なのですよ、ハイ。