Ride on the wave of happiness
流れに乗るのも悪くない

2012.8.18 / Morocco(Rissani~Merzouga(Hassilabird)) 本日 自転車34km走行 : Total 39554km走行
天気:晴のち曇 折りたたみ:2
朝飯→パン 昼飯→タジン 夕飯→タジン / 宿→砂漠で野泊(代金はツアー含)

(English)
 I arrived at Sahara town. I entered desert riding on camel.



 今日は、メルズーガまで自転車走り。暑くならないうちに出発。砂漠に突入するんで、メッチャ暑くなるだろうと思っていたのだが、意外と日が昇っても暑すぎるってことはなかった。砂漠が近づいているのに・・・ひょっとして、この感じだと、砂漠も灼熱ってことはないのかも、と期待。

 さて、ちょうど正午くらいにメルズーガ4km手前の地点に到着。そうそう、実は、正確に言うと、目的地はメルズーガではないんです。メルズーガの手前にある、Hassilabirdという小さな村が目的地なんです。ここには、<Wilderness Lodge>という、ノリコさんが以前居たゲストハウスがありまして。そこからメルズーガのシェビ大砂丘に突入する砂漠ツアーが安いと聞いていたんで、そこへ行くことにしていたのですよ。ノリコさんに、地図を書いてもらっていたので、迷うことなくWilderness Lodgeに到着。

 と、「そろそろ着く頃じゃないかと思ってた~」と聞き覚えのある声が。ええ、オイラの一日前にメルズーガへ向かって出発した、あのマイさんです。彼女がココに到着した時、誰もツアーに行く人がいなかったので、一日延ばして、誰か来るのを待っていたとのこと。ちょうど、今日の朝、ここにマサオくんという男の子が到着したので、二人で今日、砂漠ツアーに行くことになったそうなのですが・・・「ヨシさんも一緒に行きましょうよ。大勢で行ったほうが絶対楽しいですって」とお誘い。うむ、これは、南アに到着した時のナミビアレンタカー旅パターンだな。あの時も、到着したばかりでのお誘いで、ちょっと休みたいと思っていたが、結果的に誘いに乗ったのがよかったからな。こういうのは、流れに乗ってみるもんだ、ということで、オイラも、今日早速砂漠ツアーに行くことに。

 とりあえず、涼しくなる夕方から出発するツアーということなので、荷物を部屋に置かせてもらい、三人で昼飯に。村に一軒だけ開いている店があるということで、宿のザイドが店に案内してくれた。このザイド、めっちゃ働き者。なぜか、店員の代わりに、オイラたちのオーダーをとって、まるで店の人のように働いていた。ちなみに、このザイドがオイラたちの砂漠ツアーのガイドをしてくれるらしい。

 昼飯を食って、宿でノンビリしていたら、「用意ができたよ」と声がかかった。ザイドについていくと、宿の目の前に3頭のラクダが。おお、ここからラクダに乗っていくんかい。とりあえず、持ち物として、水と、上着と、トイレットペーパーをナップザックに詰め込み、二度と砂漠で壊したくないカメラは、ダイビング用のハウジングキットに入れ、完全防塵対策で、ラクダに乗る。

 ラクダにまたがって・・・ラクダ使いのおじちゃんが、ラクダの横腹を叩いたら、ラクダが一気に起き上がった。思わず、おおぅ、と言ってしまうほどの衝撃。立ち上がったラクダは結構高い。普段見慣れない視界がなんだか新鮮で楽しい。

 先頭にマイさん、真ん中にマサオくん、最後にオイラという体制でラクダが歩き出す。そんな三頭のラクダをひっぱってくれるのは、ベルベル人の少年。ザイドは、横を歩いて、オイラたちのカメラで、ビシバシ写真撮影。

 さて、砂漠・・・これが、想像を遥かに超えて凄かった。ペルーでワカチーナ砂丘に行ったから、ナミビアでナミブ砂漠を見たから、そして、サハラ砂漠も、ずっと走ってきたし、もう砂漠はいいやって思っていたオイラ。ここは別世界でした。やっぱり何事も、体験してみないといかん、と改めて思わされた。「たぶん、こんな感じだろう」なんていう、オイラの想像力なんて、圧倒的な大自然の前では、ホントに陳腐なものなのだ。360度、砂の世界。凄いよ、という話は聞いて、想像はしていたんだけど、実際目の前に広がった360度大砂丘の世界というのは、あまりにも圧倒的だった。

 うほ~、トドラで出会ったみんな~、ありがと~。あのメンバーに出会ってなかったら、この砂漠はスルーしようと思っていたんだもんな。いやぁ、この世界はスルーしなくてホントよかった。

 空には雲が張っており、強烈な夕日風景は見れなかったんだけど、雲のおかげで、砂漠内に入っても、暑すぎることはなく、快適なラクダ旅ができた。

 で、暗くなって砂漠のど真ん中の休息地に到着。掘っ立て小屋のような建物が建っていて、庭に、テーブル一個と、マットが3つ引いてあった。今日はここで寝ることになるとのこと。ザイドが夕食を作ってくれるのを待っている間、外で話しながら待っていたら・・・夕刻雲がかかっていた空から次第に雲がなくなっていった。マサルくんが「ビックリした」という声を上げ、空を見上げているのに、釣られて空を見上げると、満天の星空。これは凄い。

 オイラ的には、メガネを替えたおかげで、それまでのぼんやりとした夜空がいきなりクリアになったコロンビアで見た星空以上の衝撃はおそらくもう、ないと思うのだが・・・ここ、サハラ砂漠の星空は、この旅で相当上位ランキングな星空。

 そんな星空の下で、ザイドが作ってくれたタジンを三人でパクつく。ウマイ。

 食事の後、太鼓の音がどこからともなく聴こえてきた。これはぜひとも見に行きたいと、三人で見に行くことに。真っ暗な中、ザイドが案内してくれ辿り着いたのは、砂漠をラクダで歩いていた時、何度もすれ違っていたスペイン人のツアー客集団のテント地。ここで、ベルベル人の人たちが、生ライブをやっていて、スペイン人のお姉さん達がそのリズムに乗って踊っていた。いやぁ、砂漠で太鼓・・・うんうん、これも、楽しみにしていたことだったんですよ。そんなオイラ、鉄製のカスタネットであるカルカベを貸してもらって、彼らの演奏に交じらせてもらうことに。いや、楽しい、こういうの。うん、オイラはやっぱり、こういう音楽旅がしたい。

 その後、宿に戻る途中で、星空休憩。と、ここで、スローシャッターのカメラと懐中電灯を使っての文字書き遊びをしましょうよ、とマイさんが、電灯を振り回しはじめた。15秒開放のシャッター設定をしたオイラのカメラで、マイさんの電灯を撮らえる。かなり芸術的に光の線を書き上げる彼女、最終的に、マサオくんも参戦し、暗闇でのお絵かき大会に。

 そして、宿営地に戻った時はすでに0時過ぎ。もっともっとこの満天の星空を眺めていようと思ったのだが、砂漠の夜は、思った以上に快適で、横になったらすぐ爆睡。