Kindly people in Morocco
アフリカ大陸縦断旅も終盤なので・・・チャリ旅再開します、ウッス

2012.8.23 / Morocco(Fes~Moulay Idriss手前の分岐点) 本日 自転車63km走行 : Total 39652km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→パン 昼飯→ケフタ 夕飯→ケフタサンド / 宿→ガソリンスタンド脇で野宿

(English)
 I left from fes. I run on Morocco road by bicycle again.



 暑さに参ったから、という理由をつけて、バスワープ続きだったここんところのモロッコ旅。いや、実は、ホントにダウンするくらい暑かったのは、マラケシュだけで、その後ワルザザートからは、暑さ的には、まぁ耐えられるくらいだったのですよ。が、乗り物癖というのは、怖いですな。一度バスに乗っちゃうと、癖になっちゃう。ヨーロッパに9月に入らなきゃという急ぎの気持ちもあいまって、ひたすらバス移動の日々を送ってしまいまして。

 そんなバス移動の誘惑を、ここで断ち切らねば。気づいたら、もう、ヨーロッパは目の前なのだ。バスに乗っていってしまえば、明日にはスペインに入れちゃうかもしれない。しかし、一年半もかけて走ってきたアフリカ大陸縦断をそんな簡単に終わらせるワケにはいかないっしょ。やっぱり、最後は、チャリ走りで締めなきゃと、なんちゃってチャリダーながらも、その辺は意地がある。

 ということで、本日から、チャリ旅再開。ここフェズからスペインへ向かう船が出るタンジェまで、チャリ走りで向かいます。

 さて、フェズの町を出たら、すぐに、田舎な風景が広がった。ヨーロッパも近いことだし、フェズはそれなりにデカイ町だったから、町の郊外もしばらく、賑わっているだろうと予想していたのだが、ぜんぜん外れた。町を一歩でたら、後はもう、馬や羊たちだけが点々といるだけの空間が、延々と続くだけ。

 う~む、それにしても、今日は写真の写りがえらくいい。

 空気がきれいなのだろうか?太陽光が鮮やかなのだろうか?とにかく、写真がビックリするくらいクリアに撮れた。乾いていてクリアな空気に、強い太陽光、荒涼とした岩肌の山々、変な色の湖・・・道のアップダウンも激しいので、アンデス走りのデジャブ感に襲われる。そう、このアトラス山脈、標高は低いのに、なんだか南米アンデスを思い出す雰囲気がある。アトラス山脈北部のこの辺、海が近いせいか、標高は低い。走っている道の標高は、200m~400mくらいをいったりきたりしている程度なのに・・・なぜ、こんなにも、アンデスの雰囲気とかぶるのだろうか?

 なんてことを考えながら走っている道の脇には、民家なんてなく、基本的にひと気がない空間なのだが、道路を走る車目当てで、ところどころに果物露天を広げているおじさんたちがいた。そんなおじさんたちに、挨拶しながら走っていたら、一人のおじさんが、手招きして、オイラのことを呼ぶではないですか。どうやら、売り物のザクロをふるまってくれるらしい。オイラが近寄る前に、手に持ったザクロをナイフで割りはじめたおじさん、オイラが近寄った時には「ほら、手を広げろ」と、オイラが慌てて広げた手にあふれんばかりのザクロの実を渡してくれた。

 こぼれるザクロを慌てて口に運ぶ・・・ん、ウマイ!

 ザクロは久々に食べたけど、ウマイな、これ。甘酸っぱい果汁が、ほどよい感じで喉の渇きを癒してくれる。親切なおじさんは、二つ目のザクロも割りはじめた。いや・・・売り物のザクロをそんなに・・・もうしわけねぇ、おじさん、お言葉に甘えて、もう一個いただきます。こういう優しさをいただけるなんて・・・あ~チャリ走り再開してよかった。ホント、自転車走りをしててよかったと思わされる瞬間デス、ハイ。

 さて、ザクロおじさんと別れた後、ちょっとした町に到着したので、ここで昼飯。と、目の前に、果物屋があって、そこで、でっかいメロンが売っていた。モロッコの黄色いメロン、実は、安くてウマイんですよ。人の顔ほどあるメロンが一個5ディルハム。50円ですよ。そんなメロンを見て、メロンを食べたくなっちゃったオイラ、食堂のおじさんに、「デザートにメロンって出してくれる?」とお願いしたら、「よし、分かった」と、食後に、キンキンに冷えたメロンを出してくれた。こ、これは、美味すぎる・・・ああ、果物王国モロッコばんざい・・・

 お腹も気持ちも満腹になり、走り始めたオイラ。さて、ここから先、道が二手に分かれる。オイラが向かうシェフシャウエンは、右手方向。だが、右手方向には、この先、しばらく宿がありそうな町がない。逆に、左手方向に15kmほど走ったら<ムーレイ・イドリス>という町に到着でき、そこには宿があるらしい。しかも、そこへ向かう途中に、ローマ帝国の遺跡<ヴォルビリス遺跡>なるものもあるとのこと。遺跡好きなオイラとしては、明日15kmほど戻ることになるのは承知の上で、気合入れて、左手方向に向かうことにしたのですが・・・目の前に見えてきたムーレイ・イドリスが、丘の上にあるのを見て心が折れた。この先、相当上らないといけないらしい。久々のチャリ走り、しかも炎天下の中、アップダウンが激しい道を走って来たオイラ、実は、もうバテバテ。ザクロと昼飯とメロンだけでは回復しきれないくらい、くたびれ果てていたのだ。なので、これから上り道なんて、もう無理状態になっていたのですよ。

 この先に、興味深い遺跡があるというのも分かっていたのだが、その誘惑に乗れないほど、カラダが疲れてまして・・・分岐点近くにガソリンスタンドを発見したオイラ、今晩ここでテント泊させてくれないかと、交渉することに。

 で、意外にもあっけなく交渉成立。「あの辺の芝生の上が快適だよ」と、テン場スポットまで教えていただきまして。とりあえず、テントはもうちょっと涼しくなってから張ることにしようと、日陰に座り込んで休んでいたら、ガソリンスタンド併設のレストランのお兄さんが「ほら、お茶」と、モロッコティーを奢ってくれた。ああ、これこれ、こういうことなんすよ。こういう優しさをくれちゃうから、チャリ旅は、やめれないんです・・・

 本日、夕飯はそんなレストランのお兄さん特製のケフタサンドをいただく。そうそう、ケフタって、ミンチ肉に刻んだ玉ねぎとか香辛料を混ぜ込んで焼いたもので・・・これ、まさに皮なし餃子。うん、ハンバーグというより、皮なし餃子のお味。このケフタ、パンで挟むのはもったいない。餃子の皮で包めば、バリウマ間違いないのに・・・