Fall in love with Patricia Guerrero
素敵に踊れる女性に弱いんです

2012.9.4 / Spain(Jerez de la Frontera~Sevilla) 本日 109km移動(自転車8km走行) : Total 40068km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→サンドイッチ 夕飯→タパス / 宿→Hostal Oasis Backpackers(ドミ10ユーロ)

(English)
 We went to Sevilla by train.



 弾丸トラベラーな二人に付き合って、本日、もう、セビージャって街へ移動。ヘレス、ちょうどいい規模の街で、ノンビリできそうだったんで・・・一人だったら、しばらく沈没してたかもな。ヨーロッパで沈没はヤバイ。サクサク前に進ませてくれる、二人が来てくれてよかった。

 さて、セビージャまでは、二人と一緒に行くんで・・・チャリ走りはせずに、電車で。フル装備のファニーバニーで、電車の駅へ。チャリで電車、日本の感覚だと、そもそも、乗れるのかい?って感じですが、そこは違うぜヨーロッパ。なんと、電車にそのままチャリを持ち込めるんです。

 まず、駅からして楽だった。階段メインで作られている駅の建物にも、ちゃんと、自転車が通れるスラロープが設けられている。なので、そのまま自転車を押して、駅へ乗り込み、窓口でチケット購入。おじさんに「この自転車も一緒に乗せるんだけど」と言ったのだが、特に追加料金も発生せず。その後、オイラたちが乗る電車が、一番端のホームだということだったのだが、そこへ辿り着くのも、エレベーターとかあって、楽々。自転車を担ぎ上げて階段を上り下りなんていう手間は一切かからない。そして、自転車車両が止まるマークのある場所で、電車が来るのを待つ。現地のサイクリストがいるならば、その人の隣で待つのと間違いない。で、電車が着たら、あとは乗り込むだけ。電車とホームの間の隙間にも、渡し板みたいなのが出てくるから、乗り入れもまったく苦労することなく、スムーズ。あとは、車内で他の客の邪魔にならないように、端っこにチャリを置けば、完了。本当は、自転車車両には、チャリを立てかけて置ける便利な置き場があり、地元のサイクリストは、ここに颯爽とチャリを置いて、自分の席に座りに行くのだが・・・オイラのファニーバニーは、荷物フル装備のため、あんなふうに立てかけて置けない。とりあえず、邪魔にならないように、そして倒れないようにしなきゃいけないので、離れるわけにはいかず、安藤さんと小野ちゃんは、席に座りに行ったのだが、オイラだけ、この自転車車両で、ファニーバニーと共に過ごす。

 で、1時間ほど乗ったところで「セビージャ・・・」というアナウンスが聴こえてきた。ああ、ここで降りればいいんだ、と思い、降りたのだが・・・安藤さんと小野ちゃんが降りていない。最初は、二人が寝過ごして降り損ねたのか、と思ったのだが、よくよく駅名を見てみると、オイラが降りた駅が、セビージャのセントロにある駅ではなく、ひとつ手前の駅だった。

 まぁ、オイラは自転車だし、一つ手前の駅といっても、そんなにセントロから離れているわけでもないので、ファニーバニーにまたがり、セビージャのセントロに向けた走り始める。

 で、街に入ったのだが・・・入ってからが大変だった。とりあえず、まずは宿探しと、ロンプラを見ながら、安そうなバックパッカー宿に向けて走っていたのだが、突然道の先が、自転車進入禁止とかになっている。モロッコとかだったら、こういう標識はあってないようなもので、誰も守っていないから、オイラも、ま、いいのかな、と進入しちゃうのだが、ここ、ヨーロッパではそうはいかない。自転車進入禁止の道路には、自転車は一台も進入していないから、入るわけにもいかない。押していけば大丈夫かな、とも思ったのだが、基本的に、自転車進入禁止にするだけあって、人通りが激しい場所が多く、このファニーバニーで突入すると、すごく邪魔になりそうだったので、断念。

 しょうがないから、回り道をする。その回り道の先でも、また自転車進入禁止があり、さらに回り道。次第に、自分がどこを走っているか分からなくなるという、迷路状態。

 まぁ、なんとか、お目当ての宿に辿り着き、チェックイン。ドミトリーだけど、朝飯つきで一泊10ユーロ。うむ、ヨーロッパにしては格安だ。セビージャしばらく滞在するつもりだったので、この値段で泊まれる宿があって、ホッとした。

 さて、早速宿のフリーWifiに接続したら、安藤さんと小野ちゃんから「はぐれたね~」というメールが入っていた。二人はちゃんと、セントロの駅で降りて、スムーズに宿に到着したらしい。とりあえず、今、宿にチェックインしました、と返事を打つ。で、落ち合う場所を決め、合流。いやぁ、ネットが、<はぐれる>ってことを深刻でないことに、しちゃいましたね。例え、はぐれたとしても、すぐに連絡がとりあえる。電話がなくても、ね。

 合流して、まず、飯。ビールを頼むとタパスが一つオマケでついてきて1.5ユーロというお店で小腹を満たす。

 さて、その後、カテドラルを見たりしながら、セビージャで開催されているビエナルというフラメンコフェスの情報収集。一応、プログラムは手に入れてあったので、今晩22:00~アルカサルでステージがあることは確認してあったのですが、このステージのチケットをどこでどうやって手に入れたらいいのかが分からない。とりあえず、会場となるアルカサルに行ってみようということで、アルカサルに行ってみたところ、ビエナルのチケットは、ここでは売ってないとのこと。近くにある、二つのテアトル(劇場)で買えるから、そっちへ行ってと言われる。ということで、そのチケットが売っているらしいテアトルに行ってみたのだが・・・一つ目のテアトルは開いてなかった。しょうがないので、もう一つのほうのテアトルへ。<近い>といわれたけど、実際は結構、距離があるテアトル。二つを巡るのは結構しんどい。二つ目のテアトルも閉まっていたら、キレるところだったが、幸い、二つ目のテアトルは開いていた。ここで、無事、本日のチケットをゲット。

 ちなみに、チケットの代金は一人30ユーロ。高い。そんな高いチケットなのに、どんなステージが行われるかわからないのに、買っちゃうオイラたち。フラメンコが盛んなセビージャで、二年に一回行われるビエナルだから、外すことなんてないでしょ、という期待と根拠のない信頼だけで、買ったのですが・・・

 この期待と、根拠のない信頼は、裏切られることはなかった。

 30ユーロでも安い、と思わせてくれる、素晴らしいステージが繰り広げられたのだ。

 最初、オーケストラ形式でフラメンコ曲の演奏が始まった。正直、この演奏だけだったら、退屈だった。フラメンコ特有の情熱や緊張感はなく、ただ、ひたすら心地よい音楽が流れ、思わず睡魔に誘われてしまうところだったのだ。

 そんなステージに、すっと、緑の生地にスパンコール艶やかな衣装を着た一人の女性が立った。凛として立つ彼女の立ち姿。それだけで、一気に会場は緊張感で包まれた。

 そして、踊り始めた彼女。軽やかでありながら、力強く情熱的。そして、どこまでも美しく華麗。

 オイラの思い出フラメンコを遥かに超えるフラメンコだった。

 これまで、この旅でいろんな踊りを見てきたけど、彼女のフラメンコは群を抜いてダントツで素晴らしかった。

 オイラ、もともと、踊りが素敵な女性に弱い。目の前で素敵に踊られちゃうと、それだけで、恋に落ちれる。

 今日見たステージで踊っていたのは、パトリシア・ゲレロというバイラオーラ。

 惚れたちゃったよ、パトリシア。

 ちなみに、二度の衣装替えがあって3つの衣装で踊ってくれたパトリシア。ステージが終わった後、「パトリシア凄かったね~」と興奮して話すオイラに、小野ちゃんが返した言葉は「パトリシアって今踊ってた3人の踊り子さんの、どの人?」。・・・え~、小野ちゃん!って、安藤さんとダブル突っ込み。