By bicyle from train station
ヨーロッパ、チャリと電車のハイブリッド旅のススメ

2012.9.21 / Spain(Castelldefels~Barcelona~Blanes) 本日118km移動(自転車17km走行) : Total 40199km走行
天気:晴時々曇
朝飯→ドーナツ 昼飯→チョコサンドイッチ弁当 夕飯→ケバブ / 宿→Camping Reina Maris(キャラバン泊10ユーロ)

(English)
 Today I had plan to leave from Barcelona... But I had more some place to want to see in Barcelona. So I entered to Barcelona by train with bicycle and run by bicycle from train station in Barcelona city.



 イレネ姉さん宅は一泊だけのおじゃまで、今日はもう出発。ヨーロッパ、シェンゲン加盟国は基本的に6ヶ月間に90日しか居られないという縛りがありまして。ということで、3ヶ月で抜けないといけないんですけど・・・気づいたらあっという間に日が過ぎちゃっていて、スペインを抜ける頃に1ヶ月くらい過ぎてそうで。スペインだけで1ヶ月ってことは、残りの国々は・・・?ということで、ちょっと焦りが生まれ始めているのもあって、早めの出発。いや、めっちゃ居心地よかったんですけどね、イレネ姉さん宅も。

 イレネ姉さんとビクトルに見送ってもらって、出発。さて、ココからチャリ旅再開・・・と言いたいところですが、とりあえずフル装備にしたチャリに乗って向かったのは、電車駅。ええ、お得意の電車ワープです。

 いや、そもそも、バルセロナに自転車で突入するっていうのが、結構大変なのですよ。道は高速道路が多いし、車の交通量も多いし。ここ、カステルデフェレスはバルセロナよりちょっとだけ南にある海岸町なので、北上する場合、もう一度バルセロナを抜けないといけないんです。で、カルロスからも「バルセロナは、公共交通機関を使って抜けちゃって、バルセロナから離れた場所から走り始めるといいよ」というアドバイスをもらってまして。

 ということで、カステルデフェレスの電車駅からスペイン電車のレンフェに乗り込み、一旦バルセロナへ。そこから別の電車に乗り換えて、バルセロナ北部の海岸町、ブラネスってところまで一気にワープし、今日はその先の町まで走るつもりだったのですが・・・

 と、その前に、バルセロナ近郊でもう一つだけ見ておきたいものがありまして。サグラダ・ファミリア計画が始まる前にガウディが作っていたのが<コロニア・グエル教会地下聖堂>。で、その<コロニア・グエル教会地下聖堂>ってのが、実は、ガウディの最高傑作と称える人が多いという評判高い建築物らしいのですよ。これだけ、ガウディ、ガウディって言っているオイラが、最高傑作と言われている建物を見ないでこの地を去るっていうのは、なんだなと思ってまして。どうせ、電車で乗り換えのために一回バルセロナに戻らなきゃいけないことだし、ついでに行っちゃえというノリで、コロニア・グエルに向かうことに。

 コロニア・グエルには、ブラネスに向かう電車ではなく、別方向に向かう電車に乗らなきゃいけない。しかも、レンフェではなく、カタルーニャ鉄道というローカル線に乗っていかねばならない。コロニア・グエルに行くという過程を増やすことで、電車乗り込み回数が倍に増えることになる。フル装備のチャリで行くんでしょ?うわ、乗り継ぎめんどくさそうっ・・・いやいや、ここはチャリに優しいヨーロッパ。フル装備であろうと、チャリは簡単に電車に持ち込むことができるのですよ・・・

 と、言いたいところだったのだが、カタルーニャ鉄道は、ちょっと難易度が高かった。まず、バルセロナの駅のプラットフォームが地下にある。まぁ、これは、エレベーターがあるので、それに乗り込んでしまえば、簡単に降りられるので、問題なし。改札も、人が通り抜ける細めの通り抜け口だけではなく、自転車や車椅子が抜けられるような広めの通り抜け口が用意されているので、ここも問題なし。が・・・鉄道に乗り込むところにトラップがあった。もちろんカタルーニャ鉄道にも、チャリ車両なる車両があり、そこへ自転車を持ち込むことになるのだが・・・ドアのところが、二段ほどの階段状のステップになっちゃっていた。むむむ、レンフェだと、フラットな渡しステップだったから、スムーズにチャリを入れることができたのだが、二段も階段になっていると、超ヘビーなフル装備のファニーバニーではかなりキビシイのだ。しょうがないので、一旦荷物をほどいて、軽くした後、持ち上げて乗り入れ。ふ~、この駅が始発で、待ち時間が長かったからよかったけど、これ、停車時間が短い駅だったら、無理だったな・・・

 なんて汗をぬぐいながら、隣のドアを見たら、なんと、そちら側のドアはフラット仕様になっていた。なんてこった、あちらから入れれば楽だったのかぁ~・・・ということで、カタルーニャ鉄道も、実際は乗り入れ楽チンにできます、ハイ。

 さて、到着したコロニア・グエル駅。ここから教会まではちょっと距離があるのだが・・・教会以外は特に見所がないここ。駅を降りると、教会まで道に<足跡目印>が描かれており、それを辿っていくと、教会に辿り着いちゃうという楽チン道案内がなされてる。

 で、この足跡目印を辿ってインフォメーションセンターに到着。ここで教会の入場チケットを購入。で裏手にある教会へ。サグラダ・ファミリアとは違って、全然観光客はいない。ここは、サグラダ・ファミリア以上の神に包まれる経験ができるかも・・・とちょっと期待しちゃったのだが、残念ながら、そこまでの恍惚感は味わえず。そして、なんか・・・思っていたより地味。

 う~ん、サグラダ・ファミリアの後に来たのは順番間違えちゃったかな・・・サグラダ・ファミリアの中を見る前に、この教会聖堂を見ていたら、もっとグッと来たかもしれない・・・とか考えてみたのだが・・・後で、あの岡本太郎が、ガウディの建物を見て周った時に話していた記事を読んで、なるほど、と思うことがあった。

 ちなみに、岡本太郎は、このコロニア・グエル教会を絶賛している。『「いろいろ見たけど、ここが一番いい。全てが集約されている。ここは、またぜひ訪れたい」と言っては、食い入るように眺めてその場を離れようとしませんでした。彼はどちらかというと当時、ガウディの装飾的な部分にはさほど興味を示さなかったんです。確かにカサ・ミラやグエル公園もいいのだけれど、サービス精神が過剰だと言って。コロニア・グエルでは、そうした”見る人のご機嫌”を気にしている様子が排除されているから、ある種の潔さが感じられたんでしょうね』

 そう、ガウディ建築は、基本的に<サービス精神>で溢れているんですよ。どこかしらポップに感じるのは、そのサービス精神によるものだったんだと思う。ミーハーなオイラは、そのポップな<サービス精神>に魅せられている部分が大きい。で、このコロニア・グエル地下教会聖堂のような、サービス精神少な目っていう建物に、あれっ?って反応をしちゃったんだと思う。

 まぁ、天気がよかったんで。昨日味わえなかった青空の下でのガウディ建築を満喫できたから、よかった。コロニア・グエルをこの目で見たことで、心の引っかかりもなくなったし。

 さて、まだ時間は早い。バルセロナに戻って、ブラネスへ行っても、まだ走り始めることができる時間だ。とりあえず、駅で電車を待っている間に、イレネ姉さんが作ってくれたサンドイッチ弁当を食べ、腹を満たす。で、バルセロナに戻るカタルーニャ鉄道は、今度はフラットになっている入り口から、自転車を入れ、今回は楽々移動。

 で、戻ったバルセロナ。レンフェ電車の駅と、カタルーニャ鉄道の駅は少し離れている。そんな駅間をチャリで走って移動していると、隣にミロ広場なるものがあり、ミロの画のモチーフの像が建てられている公園がある。せっかくだから、ここで記念撮影、と像の前にファニーバニーを置いて、写真を撮ったところで、ふと思いついてしまった。

 ん?バルセロナには、ミロの像なんかより、ファニーバニーと一緒に撮るべき象徴的な建物があるじゃないか・・・、と。

 ええ、もちろん、サグラダ・ファミリアですよ。

 思いついちゃったら、行かないわけにはいかなくなっちゃった。駅から離れているから、バルセロナの街中を30分以上走っていかなきゃいけないことになるのだが・・・それでも、行かずにはいられない。気になっちゃったら、やるまで心のモヤモヤが消えない。思いを残すっていうのがめっちゃイヤなんですよ。ああ、やっかいな性格です、ハイ。

 ということで、昨日に引き続き訪れたサグラダ・ファミリア。今日は「フル装備のファニーバニーで着ました!」という記念写真撮影・・・って、走って乗り込んだワケじゃないのにね。電車で運び入れただけなのにね。

 まぁ、写真を撮ったら満足した。これで、もう思い残すことなく、バルセロナを後にできる。

 結局バルセロナの町で2時間くらいウロウロしちゃったから、レンフェの電車に乗ってブラネスに到着する頃には、すっかりいい時間になってしまった。ということで、今日はもう、この先に向かって走り出すことはせず、ブラネスで宿泊。そろそろオフシーズンになってきたからなのか、キャンプ場がガラガラでして。「お客がいないから、テント泊の値段で、キャラバンに泊まっちゃっていいわよ」というありがたい配慮で、今日もベッドで就寝。

 いやぁ、それにしても、今日はいろいろ、一気にやっちゃった感があるな。電車に乗って一気に移動して、細かいところはチャリで巡る・・・うむむ、これ、オイラが<折りたたみチャリ>でやりたいと思っていた旅スタイル。ヨーロッパで、ようやくこれが実現できるようになってきましたよ。このスタイル、いいですよ。フル装備のファニーバニーはちょっと重すぎるから、ところどころシンドイところがあるけど、軽量チャリダーだったら、間違いなく楽しめるはず。轍をつなぎたいチャリダーだと、抵抗があると思うけど・・・特に、バルセロナのような大きな町に入る時や抜ける時は、このチャリと電車のハイブリッド旅スタイル、超お勧めです、ハイ。