Born in here
相棒の生まれ故郷へ

2012.10.25 / Germany(~Frankfult~Darmstadt) 本日 自転車35km走行 : Total 41054km走行
天気:曇 チェーン交換:1 ブレーキパッド交換:2 ブレーキワイヤー交換:2 シフトワイヤー交換:1 タイヤ交換:2 リム交換:2 その他交換もろもろ ネット:1
朝飯→菓子パン 昼飯→ドイツのピザみたいなの 夕飯→ソーセージ / 宿→Jugendherberge Darmstadt(ドミ24.90ユーロ)

(English)
 I went to raise und muller. This company is the factory of my bicycle.



 朝5時にフランクフルトに到着。まだ真っ暗な夜空だが、フランクフルトの町は明かりがついてちょっと賑やか。駅近くのターミナルだったため、駅に集う人たちの人通りもあり、怪しい雰囲気は特にない。

 さて、深夜バス移動の後は、基本的に寝不足になるので、到着した町で宿をとって滞在しちゃうことが多いのだが・・・今日は、そのままダラムシュタットという町に移動しなくちゃいけないんです。

 ドイツといえば、ファニーバニーの生まれ故郷。そう、オイラの相棒は、ドイツで作られたんです。しかも、その工場はフランクフルトの近くの町<ダラムシュタット>。ここにある<ライズ・アンド・ミューラー>という会社の工場で、ファニーバニーは生まれたんです。

 そんなライズ・アンド・ミューラー社に、「アナタの会社のBirdy(BD-1はこちらではBirdyという名称で販売されている)で、世界一周をしています。ついにドイツに到着しますので、ぜひ御社を訪れたいと思っています。お忙しいところ恐縮ですが、ぜひお時間をつくっていただけないでしょうか」との旨のメールを送っていたんですよ。

 そしたら、「ぜひ、来てください。そして、旅の話を聞かせてください」との返事をもらえて。で、日程調整した結果、今日25日の昼頃に、訪問することになりまして。

 まだ暗い中、フランクフルトの町を走り、ダルムスタットへ。意外と走りやすいドイツ道を走り、昼前にダルムスタットに到着。そして、ライズ・アンド・ミューラー社へ。

 思っていたより小さかったライズ・アンド・ミューラーの本社。迎えてくれたのは、メールで連絡をとりあっていた、スピンドラーさん。早速案内された、地下の倉庫に荷物を置かしてもらい、ファニーバニーだけ、上の作業場へ移動。どうやら、すでに、メンテナンスをしてくれる流れになっているらしい。おお、ありがたいことです。メンテして欲しかったけど、なんかそれを言うのは・・・と恐縮していたオイラは、メールでは特に頼んではなかったんですよ。それなのに・・・いや、ホントありがたい。

 で、Birdyマイスターさんが、相棒のファニーバニーをチェックしてくれている最中に、スピンドラーさんが、社内を案内していろいろなものを見せてくれた。

 いちいち興味深かったのだが・・・そうそう、今、ライズ・アンド・ミューラー社で一番のベストセラーは、新しいタイプのE-バイクらしい。E-バイクとは・・・電動アシスト機能付のハイブリッドチャリのことでして。で、「乗ってみる?」と言って乗せてもらったそのE-バイク、これに、ビックリ。いやぁ、これは、まさにチャリ革命ですわ。ハイブリッドチャリって、こぐ時は人力で、で、電動モードに切り替えたら、バイクみたいにただ乗っているだけっていうモノだと思っていたんですが、そうじゃないんですな。<電動アシスト>っていう言葉の通り、こいでいる時に、電動パワーを加えて走ってくれるチャリだったんですよ。これ、どういうことかというと、自分でこいでいる時に、誰かが後ろから押してくれる感じがイメージに近い。チョー楽ちんなんですよ、走るのが。そして、ちょっとのパワーでスゴイスピードがだせる。平地であれば、45kmくらい出せちゃうのだ。上手く乗れば、今一日かけて走っている100kmの道を、2時間半くらいでいけるってことですよ。ふおお、チャリ旅が全然変わりますがな。

 電動アシスト自転車、まだ未体験の人は、ぜひ一度試乗してみて。自転車の概念がひっくりかえされます。衝撃です、チャリ革命ですよ、これ。ちなみに、今5000ユーロくらいしちゃうそうなんで、なかなか買うには勇気がいる価格。そして、ちょっと重い。う~ん、これを安く軽量で作れたら、絶対売れるな・・・ふむふむ・・・

 そんなE-バイクに対する夢想をムクムクと広げていたら、作業場の方から声がかかった。オイラの相棒ファニーバニーをメンテしてくれることになったコヒナさんのチェックが終わり、「ここと、ここと、ここと、あそこを直すけどいいか?」という確認。もちろん、おまかせしますから、気になるところは全部直しちゃってください、と、オイラ。ええ、ここは、BD-1(Birdy)のことを一番よく分かっている場所ですから。街の自転車屋も、もちろん、チャリのプロですけど、そこは特殊要素を持っているBD-1、街の自転車屋では直しきれない箇所、見きれない箇所もあるのですよ。そこへいくと、ここは、全てを分かってくれている。ここで、直してもらえば、ここからの旅を安心して進めることができる。

 と、ここで、ちょうどランチタイムに突入。本格的な作業は午後、飯後からはじめることに。で、スピンドラーさんが「ランチ一緒に食いに行こう」と誘ってくれまして。「何食べたい?」というので、「ドイツに入ってすぐなので、ドイツ料理が食べたいです」とリクエストしたところ、連れて行ってくれたレストランでオーダーしてくれたのが、<ドイツ風ピザ>。うむむ、ソーセージとかかと思ったのだが、ピザもドイツではティピカルな食べ物なんですか?

 昼間からビールもつけてもらい、いただいたランチ。おいしゅうございました。そして、その後、「せっかくダルムシュタットに来たんだから、いいところを案内しよう」と、ダルムシュタットの東側にある巨大な農園ゾーンに連れて行ってくれまして。そして、そこで取れた無農薬りんごで作ったアップルパイまでご馳走になっちゃって・・・いやぁ、スピンドラーさん、ホントいい人で。自身も旅好きで、いろんなところを訪れている。南アがお気に入りというスピンドラーさんと南ア話題で盛り上がる。ああ、こういう人当たりがよく、面倒見がいい人が広報にいる会社は、絶対いい会社です。改めて、好きになりました、ライズ・アンド・ミューラー社。

 ちなみに、スピンドラーさんと、散歩しながら、どうしても気になっていたあることを聞いてみた。それは、<オイラ以外に、BD-1で世界一周をしている人がいるのか?>ということ。すると「聞いてないよ。たぶん、キミがレコードホルダーだ」と、スピンドラーさん。ほほほ、それを聞いて、ホッとしましたぜい。一応ね、<BD-1で初の世界一周>ってのは、オイラの中で、この旅を続けるモチベーションの一つですから。

 さて、会社に戻ったところで、コヒナさんが作業を進めてくれていた。思っていた以上に大分解してくれて、いろんなパーツを取り替えてくれている。前後ホイールは前後とも、リムもタイヤもギアもついた新しいものに総取替えしてくれて、さらに、リアのギアホイールの歯が減っていたので、これも取り替えてくれ、フロントギアも新しいものに取り替えてくれ、さらにチェーンも新しいものに。そして、前ハンドルをつける前フレームのヘッドパーツを新しいものに変えてくれ、前サスペンションの機構部分も総取替えしてくれた。そして、ブレーキやギアワイヤーも新しく張ってくれまして。ほぼ、まるまる半日作業。パーツ費と作業費を入れたら、きっと600ユーロくらい取られてもおかしくはない大メンテ作業、これを、フリーでやっていただけちゃいまして。ええ、太っ腹な会社です。

 完全に生まれ変わったファニーバニー。試運転しようと、荷物を装着し、乗ったところ、オイラ的にはバッチリ。が、その姿を見た、マイスターの責任者的立場の方が、「リアのサスペンション部分が揺れすぎているのが気になるな。これは、直しておいたほうがいい」と。が、時刻はすでに17時近く。もう、今日の作業時刻は終わる時間だ。コヒナさんをはじめ、皆さん、もう帰り支度を始めている。日本だったら「まぁ、ちょっとの作業だし、今日やっておくよ」という流れになるんでしょうが・・・「ヨシ、明日の朝9時に来れるか?リアのサスペンションは明日、直すことにしよう」と。ふむむ、ここはドイツ。仕事の時間が終わってからまで、作業はしない。これが、日本とドイツの大きな違い。