Good Italian Road
イタリア道は走りやすいぞ

2012.11.6 / Italy(Sterzing/Vipiteno付近~Toblach付近) 本日 自転車79km走行 : Total 41562km走行
天気:晴時々曇 自転車折りたたみ:1 シェンゲン68日目
朝飯→パン+バナナ 昼飯→パン 夕飯→ソーセージなど / 宿→道沿いに野宿

(English)
 I run on Italian road.



 雪がどっさり積もっていた1375mの国境の町ブレンネロからだいぶ下ってきたとはいえ、まだまだ山の中であるこの辺り。日中、陽があたっている間はまだ暖かいのだが、さすがに夜朝は、めっちゃ冷え込む。正直、テント泊はキツかった。一応冬の南米アンデスとかでも耐えられる装備で走っているオイラではあるのだが、例の盗難事件で、フリースとジャンパーを失ったのが痛い。あの2枚を着て寝るのと着ないで寝るのでは、寒さ耐性が大きく違いまして。

 寒さのため、夜中、何度も起きて、かなり寝不足の状態ではあったのだが、明るくなったので、荷物をまとめて出発準備。この時期のヨーロッパ、日照時間が短いからねぇ。日がのぼったのにウダウダして出発が遅れちゃったら、ぜんぜん距離をかせげない。まぁ、どうせ、今日も絶景続きで、頻繁に立ち止まって写真撮影をしなきゃいけないことになるだろうから、そもそも、そんなに距離は走れないんだろうってのは、はじめから分かってはいるんだけど。

 さて、走り始める前に、まず、冬用モコモコグローブを装着。いつもの指露出なサイクリンググローブでは、指先が凍りつくため、とても耐えられない。

 で、走り始めたイタリア道。昨日の日記で、イタリアに入ったら、車が走る幹線道路とは別に側道があり、そこを走っていると書きましたが、今日も引き続き、その側道に沿って走るオイラ。で、この、側道であるサイクリングロードが、めっちゃ走りやすいのですよ。なにがいいって、まず、側道なのに、きっちりと舗装されたアスファルト道路であるということ。町に入ると、石畳道とかになっちゃうこともあるのですが、基本的には穴ぼこなんて空いてないアスファルト道。そして、次に素晴らしいのは、細かく道誘導が記されている点。ヨーロッパ道なんで、相変わらず道は入り組んでいるわけですよ。ちょっと走ると、すぐ分岐道にさしかかる。で、この分岐点があるたびに、きちんと明確に、<サイクリングロードはこちら>という分かりやすいサインが書いてあるんです。これが、ホントに助かる。いちいち地図を開かないですむし、なにより<この道を走っていて大丈夫なんだろうか?>という要らぬ不安を抱えないですむのが、デカイ。精神的に安心した状態となり、ただ、周囲の風景を楽しむことに専念できるようになるのだ。

 さて、しばらく走って、ブリクセン/ブレッサノーネという町(この辺の町は、ドイツ名とイタリア名のふたつ表記がなされているのが普通。この表記からも、このあたりが、まだ完全にイタリアではないということがうかがい知れる)近くにやってきた。ここに、分岐道がある。右に進めば、ボーツェン/ボルッツァーノというこれから向かうドロミテ山塊のメインロードとなるドロミテ街道への入り口の町に辿り着くので、当初の予定では、このボーツェン/ボルッツァーノに行くつもりだったのだが・・・ドロミテ街道って、2000m級の峠の連続らしいのですよ。スイスで峠閉鎖の話を聞き、オーストリアとイタリアの国境の1375m地点で積もった雪を見てきたオイラとしては、ドロミテ街道も、すでに走れないのではないかと、思いまして。たとえ走れたとしても、大変な状況ではないかと思いまして。で、この分岐点にたどり着く前に、どこかツーリストインフォとかで、ドロミテ街道の状況を聞きたかったのですが、あいにく、どこのツーリストインフォも閉まっているタイミングだったので、結局、状況確認ができず。

 かなり悩んだのですが、この分岐道、左に進んで、トブラッチ/ドッピアーコという町から南下して、ドロミテ山塊の心臓部という<コルティナ・ダンペッツォ>という町に行くことに決めまして。というのも、オイラの中で、ドロミテで一番行きたい場所が、<コルティナ・ダンペッツォ>なんですよ。ドロミテ街道も走りたいけど、もし行って峠が越えられないってことになって、引き返すことになったら、気力が萎えてしまいそうで・・・ここは、確実に行けそうなルートで、ということで、このトブラッチ/ドッピアーコ経由の道が浮上してきたのです。

 ということで、ドロミテ山塊の北側の麓沿いの道をまずは、ひたすら東へ。赤いトンガリ屋根の教会が目立つ、チロル風の小さな町をいくつも抜け、お昼過ぎに、割とデカイMühlbachという町へと辿り着いた。そろそろ昼飯を食べたいところだと思い、何か食べられる場所がないかな、とキョロキョロしながら、走っていたら・・・<ピザ>をほおばりながら歩いている学生集団を発見。ハッ、そういえば、イタリアといえばピザじゃないですか。いやぁ、ピザって今やどこでも食べられる軽食になってしまったため、わざわざ旅中にピザなんて食べなくても、と、他の国ではあえてピザは食べないようにしていたオイラ(とはいうものの、基本的にピザは好きなので、たまにどうしても食べたくなって食べることはありますが)だったのですが・・・ピザの本場のイタリアに来たからには、ここで<ピザ>を食べることに意味があるワケでして。ここでは、リミッターをかけることなく、思う存分、ピザを堪能できるのですよ。

 どうせ、ピザを食べるなら、美味しいピザを食べたい。ということで、ここで、チャリヨシさん流、美味しい店サーチレーダーを発動。このサーチレーダー、仕組みは単純。タダ単に、地元の人が多く入っている店を探すだけです、ハイ。そして、今回は特に簡単だった。ピザをほおばっている学生さんたちに流れがあり、その元を辿っていったら、ゾロゾロと人が出てくる一軒のピザ屋さんに辿り着いてしまったのだ。で、早速、ここで、ソーセージ(サラミ?)が乗っているピザと、ほうれん草が乗っているピザのふた切れをオーダー。焼きたての熱々ピザにかぶりつく。う・・・美味い・・・なんていうんでしょうかねぇ、この、他のピザとは味が違うような感じ。たぶん、ベースに使っているトマトソースの味になんかポイントがあるような気がする。あと、生地のモチモチ感もなんか独特。う~ん、ピザも極めたら、こんな感じの美味しいピザが作れるのかぁ・・・生地から作ってみたら、面白いと思うなぁ・・・なんだか、自分でも作ってみたくなっちゃった。餃子、カレーに続き、ピザ道も極めてみますか?

 さて、美味しいピザでお腹を膨らませて、再出発。今日の道は、ある程度の勾配があるアップダウンは常にあるものの、そんなに大きな峠越えはない。絶好調ファニーバニーにとっては、最も走りを楽しめる道だった。昨日と比べて、若干雲が多かったのがビミョウではあったが、雨が降るほど天気が崩れることもなく、心地よくサイクリング林道を走れて、充実感たっぷり。

 そんな感じで、もっともっと走っていたかったのだが・・・17時を過ぎるともう日没。そして、日が沈んだら、すぐに周囲が暗くなってしまう。今日も、景色を堪能しながらのノンビリ走りとなったため、町には辿り着けず。いや、小さな町なら、その辺にあったし、その町には<サイクリストウェルカム>な看板を掲げた宿らしき場所もあったのだが・・・どうやら、そこ、オープンしているのはオンシーズンの時だけのようで。走っていてもサイクリストなんて、オイラ以外誰も見かけない、このオフシーズンの今の時期、その、宿らしき場所は、閉まっていたので、今日もしょうがなく、野宿。う~ん、今日も、夜のあの寒さをしのがなきゃならんのかぁ・・・