The most beautiful road in Europe
欧州一のサイクリングロード

2012.11.7 / Italy(Toblach付近~Cortina d'Ampezzo) 本日 自転車55km走行 : Total 41617km走行
天気:晴 ネット:1 シェンゲン69日目
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→スーパーの惣菜 / 宿→Camping Cortina(テント泊15.50ユーロ)

(English)
 Today I entered to Dolomiti mountains. I like these mountais! I decided this road is the most beautiful road in Europe.



 ああぁぁ・・・やっぱり寒い。朝起きて温度計を見たら氷点下5度。いやぁ、もう、相当気合を入れないと寝袋から抜け出せない。あと5分だけ・・・いや、もうあと5分・・・と、iPodのアラームを5分ずつ延ばして、いつまでたってもテントから出れない。7時半になり、いい加減、起きないとダメだと、自分を叱咤して、なんとかテントから這い出る。出てしまったからには、大急ぎでテントをたたんで、出発準備。うう・・・霜がついたテントが冷たすぎ・・・

 さて、一応パンとか持っていたのだが、こんな寒い中で朝飯なんて食ってられない。とりあえず、ちょっと走って道沿いのガソリンスタンド併設のカフェに入って、カプチーノを飲んで体を温める。こんなちょっとしたカフェバーでも、わざわざカプチーノにハート型のデコレーションをしてくれるのが、いかにもイタリア。そうそう、イタリアといえば、コーヒーでもありますから。特にエスプレッソ。今日は、体温め目的で、カプチーノにしちゃったけど、もうちょっと暖かい場所に行ったら、メッチャ濃ゆいと評判のイタリアン・エスプレッソをぜひ楽しみたい、と、ようやく最近になって、カプチーノとマキアートの違いが分かってきたオイラが言う。

 さて、カフェではカプチーノだけを飲んで体を温めた後、店の外のガソリンスタンド脇で、手持ちのパンを食べて朝食とする。お腹を満たして、走り始めたら、すぐに、トブラッチ/ドッピアーコという町に到着した。ここから、方向を変え南下。いよいよ、ドロミテ山塊に突入することになる。

 壁のようにそびえ立っていたドロミテ北部の山脈に、ちょうど切れ目みたいな谷があり、道はそこへと続いている。無茶な峠越えはしないですみそうだ、と、その谷に突入。山に入っていくので、上り道にはなっていたが、基本的には緩やかで、非常に走りやすい。で、このゲートのような谷をくぐり入ったところから、景色が一変。超絶景となった。ちなみに、本日、空は真っ青な青空。これ以上はないっていうくらいの好天気。そんな中、このドロミテの山々に突入できるとは、なんたる幸せ。晴れ男冥利につきるってもんです、ハイ。

 とにかく、ここからは、落ち着いてなんかいられない風景が続きまくり。走っていても、風景が気になるもんだから、チャリを停め、カメラを取り出して、パチリ。で、また漕ぎ出しても、すぐにまた気になるポイントが目に入って、またチャリを停めて、パチリ、と、全然前に進めない。

 なるほど~、これがイタリアン・アルプスかぁ。ドロミテの真珠と言われる起伏の激しい石灰質の山々。石灰特有のモリモリッとした一見グロテスクな起伏や、垂直に切り立った赤茶色の岩肌がなんとも言えずに魅力的。玄武岩の山もいいけど、この石灰質の山もいいなぁ・・・スイスアルプスより、全然こっちのほうが好き。スイスで書いた日記で、スイスアルプスを、美男美女の主役級の俳優だけ集めたゴージャス過ぎて飽きが来ちゃうドラマのようだ、と形容しましたが、それに対して、ドロミテは、ちゃんと無骨な脇役も登場するメリハリのあるドラマになってまして。ドロミテは、主役となる山々はもちろん美男美女でいるのですが、その周りに、ブサイクだけど味のある脇役の山々がちゃんといるんですよ。それらの脇役山があるからこそ、主役の山が現れてきた時に、「おおぉ~」と思わず声が漏れちゃう。主役の魅力がより引き出される、待ってました的な登場となり、たまらなく、興奮できる。

 う~ん、これは、久々に、本気で興奮できた山風景。いやぁ、このドロミテの魅力は、言葉で語っても野暮ですから。ぜひ、写真でご堪能ください。といっても、写真では、実際のドロミテの魅力の1/10も収めきれていないんですけど。

 とにかく、この道ではテンションあがりすぎた。あまりにテンションがあがっちゃって、普段なら絶対突入したりしない、雪が積もった側道とかに突っ込んでいっちゃったりしたもんな。トレ・チーメと思われる素敵な山の頂が見えたんで、つい・・・その山の頂をもっと間近で見ようと思って、雪道を入り込んだんだけど、やっぱり無茶だったようで、結局途中で引き返すハメになっちゃったんだけど。ま、でも、それはそれで、また楽しいからいいやって思えるほど、ハイテンションだった。

 ホント、ここは、楽しすぎる。ここは、もう、ヨーロッパ一のサイクリングロードと断言しちゃってもかまわないでしょ。ん、いや・・・この後、素晴らしいと評判のシチリア島や、来夏の北欧がまだ待っているんですが・・・ま、断言したくなるくらい、テンションがあがっちゃったってことで。

 とにかく、本日のゴールである<コルティナ・ダンペッツォ>の町に辿り着くまで、オイラの好みにピッタリの道が続いた。いや、到着した<コルティナ・ダンペッツォ>が、これまた、オイラのド好みの町だった。山間に囲まれた素敵な町、というランキングでは、オイラの中では、南米パタゴニアのコイアイケが、これまでダントツでナンバーワンだったのだが・・・ここ、<コルティナ・ダンペッツォ>は、そのコイアイケを越えるかもという想いを抱かせてくれたほど、素敵な風景の町だった。四方をそれぞれ特徴が違う山々に囲まれ、パノラミックな風景が魅力なコルティナ・ダンペッツォは、残念なことに、とても写真には収まりきれない。<黄金の盆地>という異名を持つここの魅力は、実際に訪れないと、たぶん、分からない。

 コルティナ・ダンペッツォ、魅力的な町だけあって、もちろん、ハイクラスなリゾート地。なので、宿も高い。ここではとても、部屋のある宿になんか泊まれず・・・泊まれる場所と言えば・・・キャンプ場。そんなキャンプ場も、オフシーズンのため、かろうじて、一軒開いているだけだった。そんなキャンプ場にチェックインして、テント設営。

 うむむ・・・コルティナ・ダンペッツォ・・・昨日、一昨日の野宿場所より、全然標高高いんですけど。周りには雪があるんですけど・・・当然、夜朝は、昨日、一昨日より断然寒いってことですよね・・・

 耐えられるかな・・・