Bicycle can't run on snow
チャリダーにオフシーズンは関係ない・・・のか?

2012.11.8 / Italy(Cortina d'Ampezzo) 本日 自転車49km走行 : Total 41666km走行
天気:晴のち曇 ネット:1 シェンゲン70日目
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→スーパーの惣菜 / 宿→Camping Cortina(テント泊15.50ユーロ)

(English)
 I stayed in Cortina d'Ampezzo. I run around Cortina d'Ampezzo by bicycle.



 朝起きたら、テントと自転車が真っ白。霜です。寒いです、そりゃもう、寒いです。今日も寝袋からなかなか出られませぬ。今日はコルティナ・ダンペッツォで、もう一泊することにしたので、なおさら出られません。

 え?延泊しちゃうの?急いでいるんじゃないの?先に進まないの?

 ええ・・・ここで、昨日の夕刻に時間を巻き戻し。昨日、コルティナに到着した際、コルティナでの宿を探すため、街の真ん中にあるツーリストインフォに行ったんです。そこで、キャンプ場の場所を教えてもらい、コルティナの周辺情報が載っているパンフをもらった後、ドロミテ街道の状況を聞いてみたんですよ。すると、ここんところ、いい天気が続いているため、峠の上では雪は積もっているのだが、道路上は除雪されているので、チャリでも走れるよ、との話。おお、それはラッキー。では、ドロミテ街道を通って南下することにしよう、と思い、ツーリストインフォを出ようとしたところ・・・ツーリストインフォのオネエサンが「あ、でも、3日後から天気が崩れるわ。ドロミテ街道を二日で抜けるのなら大丈夫だけど、三日かかるようであれば、止めておいたほうがいいわよ」と、よく当たるヨーロッパの天気予報サイトを見て、アドバイスをくれたのです。

 かなりのハイペースで走れば、ドロミテ街道、二日で走りきるのも不可能ではない(だろう)。が、それは、ただ、ひたすら走っていれば、の話。オイラのことだから、このドロミテ街道、ただ、ひたすら走る、なんてことは絶対にできない。立ち止まりばかりして、一向に先に進めないなんてことになるのは、目に見えている。三日で走りきれるかどうかさえ、怪しいくらいだ。

 仮に、ドロミテ街道を走り始めたとして・・・二日間は天気がいいらしいので、その間は気持ちよく走っていられるだろう。しかし、三日目に吹雪いて、峠が越えられなくなり、下手すれば、ドロミテ街道のど真ん中で、立ち往生なんてことにもなるかもしれない。

 時間に余裕があるのであれば、それでもいいんですけど・・・シェンゲンに追われている今、途中停滞は、キビシイ。

 ということで、ドロミテ街道を走るのは、今回は諦めることにしまして。一応ここから先も、ドロミテの山の中を走っていくのですが、<世界遺産>となっているドロミテ街道ではなく、もっと峠が緩やかで、天気が崩れてもなんとか走っていけると思われる別の道を走ることにしたんです。

 で、もし、ドロミテ街道を走るのであれば、早速今日から、走り始めるつもりだったのですが・・・ドロミテ街道を走らないことに決めたので、せっかくだから、コルティナにもう一泊して、周辺を探索しよう、と思いまして。

 ということで、今日は、コルティナの周辺をチャリで散策。さて、じゃぁ、どこへ行こう、という話になるのですが・・・だいぶ前にドロミテを走ったようこ&ひろさんのブログに、「ドロミテのトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードは、世界一の散歩道」なんてことが書かれているのを思い出しまして。そうだ、ドロミテを訪れた際には、ぜひとも行ってみたい、と、思っていたんだ、ということで、トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードへ行くことに。

 トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードのハイキングコースに行くには、トレ・クローチ峠という峠を越え、ミズリーナ湖という湖の先にある上り山道を上がっていかねばならない。その山道の上から、ハイキングコースが始まるらしい。

 オンシーズンであれば、コルティナから、山道の上までバスが出ていて、楽々とハイキングコースの入り口に辿り着けるそうなのですが・・・現在、ここドロミテもスイスと同じくオフシーズン。トレ・チーメ行きのバスとか出ていない(途中まではあるようなのだが)。でもまぁ、そこは、チャリダーですから。公共交通手段がなくても、自転車という強い味方があるわけですよ。なので、チャリダーにはオンシーズンも、オフシーズンも関係ない。チャリに乗っていけば、どこへでもいける・・・と思っていたのですが・・・

 チャリに乗って、トレ・クローチ峠を越え、ミズリーナ湖を走りぬけ、上り山道を途中まで上る。この間の風景は、昨日の景色以上の絶景だった。実は、ドッピアーコからコルティナに抜ける道、途中で分岐点があり、左に曲がっていれば、今日走っている道に繋がるのだが・・・2000mを越えるトレ・クローチ峠、通れなかったら嫌だなと思って、昨日はもう一つのルートを走っちゃったんです。う~ん、両方走ったオイラとしては、どちらも素敵だったんで、ぜひ、ここは、コルティナを訪れるチャリダーにはどちらも走って欲しいところなのだが・・・もし時間の関係で、どちらか一方しか行けないというのであれば、今日走っているトレ・クローチ峠の方を走ることをオススメします。次から次へと変化する大スペクタクルな風景がたまりません、ハイ。

 さてさて、上り山道を途中までのぼってきたところで・・・この先侵入禁止の看板となってしまったのですよ。なんだよ~、ここまで来たのにこの先に行けないのかよ~と、残念がるオイラ。

 しょうがない、引き返すか、と、トボトボとチャリを方向転換させたところ、近くにあった山小屋の主人が「自転車なら入っちゃってもOKだぞ~。その看板は車が入らないように立てているだけだから」と叫んで教えてくれるじゃないですか。

 ほら、やっぱり、チャリにシーズンは関係ない。オフシーズンであろうが、行こうと思えばどこへでも行けるんですよ、と思って、進入禁止の看板の先の道も、ズンズンと進んでいったのですが・・・

 途中から、雪道になった。

 車を進入禁止にしているのは、除雪をしていないからだった。確かに・・・車では無理なこの道も、自転車なら、前に進むことはできる。できるんですけど・・・乗ってなんかいられない。ひたすら、押して上らなきゃいけない。うむむ、これは、<チャリで行ける>とは言えないよ。これなら、チャリは置いて、歩いたほうがマシじゃん、と、途中のガードレールにファニーバニーを鍵でしばりつけ、歩いて上ることにしたのですが・・・ツルツルの雪道、スニーカーで歩くのも結構シンドイ。ハイキングコースに到着する前に、ヘバッテしまう・・・

 途中までがんばったんですけどねぇ・・・だんだん日も暮れてきてしまいまして。結局ハイキングコースの入り口まで辿り着けないまま、来た道を戻ることに。

 あ~、世界一の散歩道を歩けなかったのが、残念・・・ではあるのですが、今日は今日で、チャリで走った道が、超絶・絶景だったもんだから、まぁ、なんだか、心は満足しちゃってまして。帰りの足取りはそんなに重くはない。

 いやぁ、ドロミテ、ホント、どこ行っても素晴らしい景色だな。ちなみに、昨日の道を、ヨーロッパ一のサイクリングロードなんて書いちゃったけど、どちらかというと、今日の道のほうが、サイクリングロードとして、上でしたわ。ということで、一日で、タイトルホルダー変更。でもね、明日、ちょっとだけ、ドロミテ街道を走ちゃうことにしたんです。だから・・・明日、またタイトルホルダー変更しちゃうかも。