Only one side Pedal
片ペダルで50km走ったことがありますか?

2012.11.19 / Italy(Alcamo~Parelmo~) 本日 自転車64km走行 : Total 42184km走行
天気:曇時々晴のち雨 ネット:1 シェンゲン81日目
朝飯→トマッソさん宅の朝食 昼飯→メニュー飯パスタ 夕飯→パン / 宿→船中泊

(English)
 Today was last day of running on Sicilia.



 朝、起きて、キッチンへ行ったら、一人のおばちゃんが、朝食の用意をしてくれていた。トマッソさんのお母さんのルイーサおばさんだ。「どうも、お世話になってます」と、ルイーサおばさんに挨拶して、朝食をいただくオイラ。

 さて、昨日、雨の中、アップダウンの激しい道を走ったため、替えたばかりのブレーキシューが早くも磨耗しきってしまっていた。雨の日走りは、乾いた日走りより、圧倒的にブレーキシューの減りが激しい。ということで、、朝食後、今日もブレーキパッド交換。

 さて、ブレーキを直してキッチンに戻ったら、トマッソさんとアリアナさんも、起きてきて、朝食を食べているところだった。そんなお二人に、朝の挨拶をしつつ、オイラは出発準備。

 いやぁ、一晩とはいえ、すっかりお世話になってしまいまして。居心地いい場所でした。できれば、数日ユックリ滞在したいところなんですけど・・・シェンゲンタイムリミットまであと10日を切ってしまったオイラは、もはや、ユックリしている余裕もなく・・・今日、もう、シチリア島を発たねばならないのです、残念ながら。

 ちなみに、オイラは、一泊だけお世話になって、出発するのですが、この農家に民泊するアグリトゥーリズモ、通常は、一泊では受け入れてくれないらしいので、ご注意を。

 で、そうそう、宣伝しておこっと。シチリア島西部を訪れる皆さんで、シチリア島でノンビリ滞在生活をしたいって思っている方には、トマッソさん宅、超オススメので、ぜひ。

 ここのページに書かれているトマッソさんの連絡先にコンタクトすると、対応してくれます。

 さてさて、この時には、ここが、アグリトゥーリズモだなんてつゆ知らず、いつもの居候気分訪問しちゃったオイラですが、昨日から、あれ?ここ、ひょっとして宿なんじゃないの?そういえば、ドナッテラおばちゃんも、知り合いと言いながら、確か、そこは宿だから、みたいなことを言っていたような気がするな・・・と思って、ここは、友人宅にお世話になるのとは違うのだから、ちゃんと宿泊代を払ったほうがいいのでは、と考えたオイラ。こっそり、ルイーサおばさんに、「お世話になった一泊分、お支払いしようと思うのですが」と申し出たんですよ。そしたら、「何言ってるの。ドナッテラの知り合いなんでしょ。お金をもらうわけにはいかないわ」とありがたく言っていただいちゃいまして。で、さらに、それだけじゃなく、「うちで取れたミカンとメロン、好きなだけもっていきなさい。このメロンは、パワーつくわよ。サイクリストには最適ね」と、果物のおすそわけまでいただいちゃったんですよ。この黄色いメロン、モロッコで初めて食べて、その美味しさを知ってから、大好物になっちゃったオイラは大喜び。ミカンも、メッチャ美味いシチリアミカンで・・・ホント、感謝感謝。

 トマッソさんと、ルイーサおばさんに、言っても言ってもいいつくせないほどのお礼を言って、出発。

 それにしても、イタリア、こんなにいいことづくめでいいんでしょうか?

 なんか、幸せすぎて怖い。

 と、そんな予感は、的中しちゃうものでして・・・

 トマッソさん宅を出て、走り始めてすぐ、左足に違和感を感じた。なんか、ペダルがカクカクする。なにか変なものでも挟まったのかなぁ、と思って、ペダルを確認してみたところ・・・なんと、クランクとペダルの接合部分のネジがバカになりかけていて、ペダルが取れそう、というか、折れてしまいそうになっているじゃないですか。これは、ピンチ。アラカモに戻って自転車屋を探そうかと思ったのだが、今日の晩には、パレルモに戻ってフェリーに乗らねばならないオイラ、この辺でモタモタしているワケにはいかない。

 ということで、無茶だとは思いながらも、このまま走り続けることに。なるべく左ペダルに負担をかけないように、こぐときには、右足だけに力を入れて、走っていたのですが・・・

 しばらく走っていたら、ペダルが取れてしまった。

 折れたか!と思ったのですが、どうやらそうではない様子。クランク側のネジ山が磨耗のためツルツルになってしまい、ペダルがスポッと抜けてしまうという現象が起こってしまったのだ。

 うむむ、こんなことってあるのねん。

 試しに、片ペダルだけで走れるかと、左ペダルを外したまま乗ってみたのだが、まぁ、出来なくはないが、かなりキツイ。ということで、なんとか、応急処置ながら、外れてしまったペダルをくっつける方法はないかと、紐を使ってくっつけてみたりもしたのですが・・・

 しばらくは、この、ヒモ縛りペダルでいけたものの、やはりペダルが回転したりして紐がこすれてしまうのか、こいでいると、紐が切れてしまい、やっぱりペダルが外れてしまいまして。

 いろいろ試したのだが、バカになったネジ穴にペダルをうまく固定してずっと走り続けるのは無理だった。というか、これ以上、無茶状態で走っていたら、今、大丈夫なペダルの方のネジ山も、変に磨れて、ダメになってしまう可能性がある、と思い、無理してペダルを固定するのは諦めまして。

 同じ無茶をするのなら、実害が少ない方で、ということで、オイラがキツイだけですむ、片ペダル走法で、走ることにしたのです。

 平地や下り坂であれば、片ペダルでもなんとかなる。右足ペダルを踏み込み、その勢いで回転運動を続ければいい。左足は、基本的に宙に浮かせたままなのだが、クランクが上部に来たタイミングで、クランクに足を乗せ、クランクを蹴る形で、回転運動の補助をする。

 こんなカタチでこぐことになったのだが・・・これ、こいでいる右足よりも、宙に浮かせている左足の方が、辛くなってくることが判明。右足は、基本的には、いつもやっていること。こぐ、ということに対する筋力は、普段から鍛えているので、負担がかかるようになったとはいえ、大したことではない。一方、左足は、常に宙に浮かしておく、なんてことは普段やらないことでして。いつもは使わない筋肉を使うことになるので、その筋肉がパンパンに張ってくるのですよ。特に辛くなってくるのが、足の付け根のところ。あ~、こりゃ、明日、筋肉痛になること間違いなしです、ハイ。

 そんな感じで、チャリ走りとしてはホント大変だったんですけど、風景は相変わらず絶景続きだったシチリア島。今日は、海岸沿いの道をずっと走ってきたのだが、ここにも、オイラの大好きな風景がゴロゴロ。

 そして、海岸道は、人がたくさん住んでいるようで、走っていると、いろんなところで、声をかけられた。シチリアでは、この声のかけられかたが、南米やアフリカのノリに近いものがあって、オイラとしては非常に楽しい。

 シチリア島は、また来たいなぁ・・・素敵なところだろうなぁとは思っていたものの、実際来てみたら、期待を遥かに超える素敵過ぎるところだった。ここは、4、5日では短すぎた。ってうか、シチリア島だけで最低二週間は、時間が欲しい。来夏、もう一回ヨーロッパ走りをする時、シチリア島だけは、もう一回リベンジしようかなぁ・・・北欧からスタートする次回のヨーロッパ走り、前半戦は油断しないで、急ぎ足で走ることにして、シチリア島走りのために、シェンゲン残り日数が二週間くらい余るようだったら、シチリア島に再上陸してもいいかも。

 そんなことを考えながら走っていて、パレルモの街までもうちょっとというところで、一旦スコール雨が降り始めた。慌てて傘を差し、雨が止むのを待つ。今日の雨は、この一回だけですみまして。このスコール雨をやりすごしたら、後は、天気が崩れることなく、無事、パレルモに到着。

 いよいよ、楽しかった今回のシチリア島走りも終わり。そのまま、フェリー乗り場へ行って、ナポリ行きのフェリーチケットを購入。フェリーは、20時発で、明日の朝7時にナポリに到着するという。フェリー代は48.56ユーロ。

 で、乗り込んだフェリー。今回のフェリーも、前回のジェノヴァから乗り込んだフェリーと同じような豪華客船。とは言うものの、相変わらず、一番安いチケットしか買えないので、また大広間的な部屋で、一晩を明かすことになったのですが・・・今回の部屋には、テレビもなく、最初から、電灯は暗めの設定。もう、すぐに寝てください状態。まぁ、どうせ、寝るだけだしね、と、空席を利用して横になろうとしたのだが・・・この部屋のシート、肘掛を動かすことができなかった。4つの席を使ってベッド作戦は、今回とることができず・・・う~ん、この辺の過ごしやすさ、フェリーによってマチマチなんですなぁ・・・