Pompei Scavi
遺跡好きなオイラが、ヨーロッパの遺跡に対してビミョウな理由

2012.11.21 / Italy(Napoli~) 本日 自転車0km走行 : Total 42185km走行
天気:曇時々晴 自転車折りたたみ:1 ネット:1 シェンゲン83日目
朝飯→宿の朝食 昼飯→モッツァレラサンド 夕飯→ピザ / 宿→バス車中泊

(English)
 Today I went to Pompei Scavi. And I left from Napoli by bus.



 ナポリ二日目。今日は、旅出発前から、気になっていた<ポンペイ遺跡>に行ってみようかな、と思いまして。

 ポンペイ遺跡・・・イタリア・ナポリ近郊にあった古代都市で、西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火による火砕流によって地中に埋もれ、一瞬にして、存在が葬られてしまったという。一瞬のうちに地中に埋もれてしまったために、当時の生活の様子が生々しく発掘された<火山の噴火が時間を止めた古代都市>遺跡。

 そんな情報を目にして、旅に出発する前には、このポンペイに古代のロマンを感じていまして。中南米では、マヤ・インカの遺跡にテンションあがりまくりだった遺跡好きなオイラとしては、このポンペイも、<ローマ・ギリシア遺跡を見る前>は、楽しみにしていたんですが・・・

 ヨーロッパに入って、いろいろ目にしてきた、ローマ・ギリシア遺跡には、全然心が動かなかったんですよ。なんていうか、マヤ・インカでは、遺跡を見たときに、心の中に、古代のロマン妄想がブワッと広がっていったのですが、なぜか、ローマ・ギリシア遺跡では、遺跡を目の前にしても、妄想力が働かない。歴史は知っているはずなのに、バックボーンは知っているはずなのに、妄想が発動しないのだ。

 前にも書いたけど、遺跡を楽しむには、妄想力が必要。その場所で、昔の人たちがどんな生活をしていたか、ということをある程度知っている知識をベースにして、自分勝手に想像する。そう、この<自分勝手に>というところポイント。<自分勝手な想像>だからこそ・・・妄想。みんながみんな、遺跡を見て妄想して楽しむってワケじゃないとは思うんだけど、少なくとも、オイラの遺跡の楽しみ方は、そんな感じなのだ。

 そんな頼みの妄想力が、今まで見てきたローマ・ギリシア遺跡では、発動しなかったっていうのもあり、実は、ポンペイ遺跡、行くのをためらっていたんですよ。たぶん、ポンペイ遺跡に行っても、他のローマ・ギリシア遺跡と同じく、妄想力が発動せずに、あまり楽しめないのではないかと。だとしたら、楽しめないポンペイ遺跡に行くよりも、ピザが超絶に美味いナポリで、一日中、ピザを食べ歩きしたほうが、確実に楽しめるだろう、と思ったりもしまして。

 が、一応、旅前から気になっていた遺跡でもあるし、ひょっとしたら、ポンペイ遺跡は特別で、オイラの妄想力を発動させてくれるかも、と、期待する部分もありまして。こういうのって、行ってみないとわかんないですから。ということで、やっぱり、行って見ることに決めたんです。

 ポンペイ遺跡のあるポンペイの町は、ナポリから、電車で30分くらい行ったところにある。片道2.8ユーロの切符を買って電車に乗り込み、ポンペイ・スカーヴィ・ディ・ミステリという駅で降りると、もうすぐ目の前がポンペイ遺跡だった。

 11ユーロで入場券を買って、いざ、ポンペイ遺跡へ・・・

 う~む・・・やはり・・・妄想力が発動しないか・・・

 やっぱり、ここも、他のローマ・ギリシア遺跡と同じだった。マヤ・インカの時のようなテンションには、どうしてもなれなかった。いや、なれない、ではないな、テンションにさせてくれない。そう、テンションは、自分で上げるものではない。その場所に上げられてしまうものだから。ローマ・ギリシア遺跡は、やっぱり、オイラのテンションを上げてくれるものではないのか?

 広い敷地内をグルグル歩いたのだが、どこへ行ってもビミョウなテンション。円形闘技場に入った時にはちょっとテンションあがったけど、後は、なんだか、盛り上がらず。

 いやぁ、話通り、火山に埋もれていたために、保存状態がよく、きれいな遺跡だったんですけどねぇ・・・

 ん?いや、ひょっとして、遺跡が整いすぎていたために、ビミョウだったのかも。キレイすぎる要素が目立ちすぎるがために、古代の人々の生活に想いをはせるパワーが減衰しちゃったのかも。うん、だって、ここ、遺跡の中に、カフェレストランとかあったりするんだもん。さすがに、これには、オイラはドン引き。ヨーロッパの人たちって、こういうことを良しとしてやっちゃセンスをもっているんですよねぇ・・・

 そう、ヨーロッパの遺跡って、ヨーロッパらしく、手入れをしているってのが、オイラ的には、ビミョウなのかもしれない。遺跡は後世の人の手は、なるべく入っていないほうがいい。古く朽ち果てた風景に時間の流れを感じることができ、その時間の流れが、ロマンへの妄想を導いてくれるものなんだろう、きっと。

 さて、そんなポンペイ遺跡だったので、早々に遺跡見学は終え、ナポリに戻ることにしたオイラ。で、ナポリに戻ってから、向かったのは・・・もちろん、ピザ屋ですよ、ハイ。

 昨日は1ユーロの小ぶりなピザを、ちょくちょくつまみ食いっていう楽しみ方をしたんだけど、今日は、3ユーロの大型ピザに挑戦。こっちのほうが、モッツァレラチーズがたんまり乗っていておいしそうだったんですよ。でも、3ユーロのピザは、かなりでかい。一人で食べきれるかなぁ、なんて心配もあったので、昨日は手がだせなかったんです。

 で、今日は、ポンペイ遺跡を歩き回って、腹をバッチリ減らしてきたことだし、ということで、3ユーロの大型のマルガリータピザを食べたのですが・・・これが、昨日以上に美味しくて。まるで、ミルクのようなモッツァレラチーズがたまらない。モッツァレラの味を引き出すために薄生地となっていると思われるピザ生地に、フレッシュな味わいのあるトマトソース・・・大型ピザだと食べきれないかもなんていう心配は、まるで杞憂だった。一枚、あっという間にたいらげてしまった。もともとシンプルなマルガリータピザ、それぞれの素材がいいから、変な癖がなく、あっさりしていて、食べやすかった。

 もう一回だけ言っておきましょう。

 ナポリのピザの美味しさは尋常ではない。

 ナポリ、ピザを食べるためだけ目的で来るだけの価値があります。食べもの旅をしている人なら、ここは絶対外せませんぜ。

 さて、最後に、小型のマルガリータピザをもう一枚食べて、満足したオイラは、今日、もう、ナポリを出発。

 夜行バスに乗って一気に、フィレンツェへ。

 最初は、電車でフィレンツェまで行こうと思ったんだけど、特急に乗せるなら、自転車を輪行袋に入れなきゃいけないし、特急電車でも、一旦ローマで乗り換えなきゃいけないと言われまして。どうせ、輪行袋に入れなきゃいけないのなら、乗り換えのない、バスで行っちゃおうと。で、バスの出発時刻を調べたら、夜行もあるというので、宿代節約にもなるし、夜行で行っちゃうことに。

 ん?ところで、フィレンツェって・・・イタリア北部のトスカーナ地方にある町でしょ。なんで、パドヴァの後に寄らずに、一旦南部を巡った後に、行くことになったの?

 ええ、それにはワケがありまして。そのワケは・・・明日の日記で。