Escape from Schengen Area
シェンゲン・プレッシャーの超弾丸旅がここで終わる

2012.11.25 / Italy(Roma~Bali~) 本日 自転車8km走行 : Total 42204km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1 シェンゲン87日目
朝飯→スナック 昼飯→ケバブ 夕飯→パン / 宿→船中泊

(English)
 Today I left from Italy. I left from Schengen Area.



 本日、ローマを出発。で、宿を出る時、ロナックくんから「これ、お守りとして、ヨシにあげるよ」と、<タンカ>という曼荼羅画を、バックパックの中から取り出し、プレゼントしてくれた。おお、ありがとう。うん、やっぱり、オイラは、キリスト教のものより、こういうモノのほうが、ありがたみが分かる。ふ~ん、でも、こういうものをバックに入れて旅をしているのかぁ、ネパールの人って信仰深いんだな。

 「ありがとう!でも、僕はお返しするものがないんだけど・・・」というオイラに、「ヨシの話を聞けたから、僕はもう、十分もらったよ」なんて言ってくれて。うむむ、年齢は下なのに、ロナックくんの方が、全然大人な対応だ。

 そして、「僕は、もうすぐネパールに帰るから・・・ネパールに来たときには、ぜひ家に寄ってね」と、言ってくれたロナックくんに、「たぶん、一年半後くらいに行くから、その時はヨロシク」と、オイラは答えて、固く握手してお別れ。

 さて、今日は、ローマを出発して、バーリというアドリア海側の港町へと向かう。そうそう、実は、当初の予定では、ローマから、飛行機で、エジプトのカイロに飛ぶつもりだったんですよ。シェンゲンの期限がオーバーする前に、ヨーロッパから脱出して、エジプトにでも飛ぶしかないと思ってて。が、よくよく調べてみたら、ヨーロッパにもシェンゲン圏外の国がありまして。アドリア海を渡った向こう側にある、旧ユーゴ諸国周辺は、まだシェンゲン協定に加盟していない国がある。ということは、わざわざ飛行機で飛ばずとも、アドリア海をフェリーで渡るだけで、シェンゲンから抜けることが出来るってこと。

 それが分かったので、フェリーに乗ることにしたんです。さらに調べてみたら、イタリアのアドリア海側には、いくつも港があり、対岸の旧ユーゴ諸国へいくフェリー便がいくつもあるようなのですが・・・オフシーズンの今の時期に運行しているかどうかがビミョウな便もありまして。行った後で、「今の時期フェリーは出てません」と言われるとショックなので、とりあえず、フェリーに乗れる確率が一番高くなるように、フェリー便が一番多そうなバーリの港へ行くことにしたんです。

 で、宿を出た後、ローマ市内を抜け、一昨日バスを降りた<ローマ・ティブルティーナ>駅脇のバスターミナルへ行き、バーリ行きのバスに乗り込む。ローマから、バーリまでの道の途中の風景は、なかなかよかった。ああ、この道も、自転車で走ってみたかったな、なんて思いながら、車窓に流れる風景を眺める。ホント、シェンゲンの90日は、チャリダーにとっては短すぎる。チャリダーだけでもなんとか、延長してくれるような温情処置はないのだろうか?ヨーロッパは、自転車に理解ある国々が多いんだから、それくらいのことしてくれても、いいと思うんだけどな、なんてことを考えていたら、あっという間にバーリに到着。

 バスを降りた後、早速、バーリの港に行って、フェリーの便を調べてみる。どうやら、アルバニアのドゥラスという港町まで行くフェリーは、毎日一便出ていて、今日も、夜23時発の便があるらしい。夜便か・・・バーリの町で一泊したかったけど、明日出直してまた夜まで待つのも面倒だし・・・ということで、今日、もう、このフェリーに乗っていくことに。

 夜19時にチケットオフィスが開くよ、とのことだったので、それまでバーリの町をブラブラとチャリで走りながら時間をつぶす。で、19時になって、フェリーが停まっている港に並ぶ窓口に行ってみたのだが・・・全然開く気配がない。「アレッ?、19時に開くと言っていたのに・・・」と思ってキョロキョロしていたら、通りかかった一人のおじいさんが「切符かい?切符なら、隣にあるマリサヴェッラという港にある窓口に行かないと買えないぞい」と言うじゃないですか。え~、フェリーは、ここに停まっているのに、窓口は別の港なの?なんてメンドクサイシステムなんだ・・・と思いながら、とりあえず、おじいさんに、そのマリサヴェッラという港の場所を聞き、自転車を走らせる。

 で、迷いながらも、なんとか、マリサヴェッラに到着。65ユーロという、コレまで乗ったフェリーで一番高い金を払って、切符を購入。そして、また、先ほどのフェリーが停まっていた港へ戻り、チェックイン・・・

 ・・・と、ここは、これまでのフェリー乗り場とは、ちと違う。国境でのパスポート提示が不要だったシェンゲン圏内から、いよいよ出てしまうために、久々に、出国手続きをしなくてはならないのだ。イミグレに続く列に並び、パスポートを提出。特に何も言われることなく、出国のスタンプをポン・・・

 よし、これで、シェンゲン圏から脱出だ。これで、90日というプレッシャーからようやく開放される!

 ・・・と、テンションあがって、押してもらったスタンプを見たところ・・・確かにスタンプ、押してくれたのだが、ここのスタンプ、インクが薄すぎて、よくよく見ないと、出国の日付とか見えない・・・「シェンゲン圏外に出たということが、ちゃんと分からないと、後々、トラブルになるかもしれないんで、ちゃんと押してください」と、イミグレのおばさんに言ったのだが、「よく見れば、見えるでしょ。問題ないわよ」と、オイラの申し出は一蹴された。

 まぁ、次のアルバニア入国のスタンプがちゃんとしていれば、圏外国へ出たという証拠になるからいいか、と、そのままイミグレを抜け、フェリーへ。

 乗り込むフェリーは、相変わらず、今回も巨大客船ではあったのだが・・・今回のフェリーの席は・・・席なんかなかった。「最低料金のこのチケットの人は、この部屋です」と言って案内されたのは、船内のバーレストラン広間。どうやら、ここで、一晩過ごせ、ということらしい。

 バーレストランに置いてある椅子は、とても寝れるような椅子ではなかった。一応ソファー椅子みたいなのもあったのだが、それは、この船を熟知している地元の人が、早々と乗り込んで、早い者勝ちということで、占有しちゃっている。しょうがない、床に寝転んで寝るしかないか・・・それにしても、寒いな・・・こりゃ、マットと寝袋がなきゃ寝れないじゃないか・・・

 今までで、一番高いフェリー代を払ったのに・・・