Mediterranean climate
地中海性気候区へ

2012.12.17 / Montenegro(Catinje~Budva) 本日 自転車36km走行 : Total 42491km走行
天気:曇 パンク:1 ネット:1
朝飯→宿の朝食 昼飯→ハンバーガー 夕飯→チャーハン / 宿→Sun Hostel(ドミ泊8ユーロ)

(English)
 I left from snow town today! I arrived beach town. Here was no snow.



 雪の世界に閉じ込められて早3日目。天気予報では、昨日も一昨日も雪、または雨マークだった。そして、明日も雨マーク。が、なぜか今日だけ雨マークがない。ということで、今日が唯一の脱出チャンス。

 朝、起きて、窓から外を見ると、靄がかってはいるが、雪も雨もふっていないようだ。ただ、雪や雨が止んでいても自転車で走れるかどうかは分からない。道の状態を見るために、外へ出てみたところ、昨日、雨が降ったおかげで、積もっていた雪もだいぶ溶けて、道路は地面が見える状態になっていた。ほっ、これなら、なんとか自転車でいけそうだ、と思って足を踏み出したところ・・・

 ツルッ

 と、足が滑った。うまくバランスをとったからコケはしなかったが、危ない。そうだ、雪はなくなったが、地面は雨と雪解け水で覆われていて、氷が張られた状態になっている。薄日ながらも、太陽光に当たって、若干溶けぎみの地面の氷は、一番滑りやすい危険な状態なのだ。

 うむむ、油断はならないな・・・

 とりあえず、注意すればいけそうな状態にはなっていたので、急いで出発準備を整え、宿を出る。裏道にはまだ雪が残っているため、ファニーバニーを用心深く押しながら、少しずつ前に進む。町のメイン通りに出ると、車が道路の雪や氷を撥ね退けてくれているためか、雪道ではなく、ちゃんとアスファルトが見える道路になっていた。ふ~、ここからは、走っていける、と、サドルにまたがった瞬間、

 ツルッ

 と、また足が滑った。車をよけるため、道路の端に寄ったのだが、そこがちょうど凍り状態になっていたのだ。またコケはしなかったのだが、今度は、しこたま股をサドルにぶつけてしまいまして・・・うむむ、まだまだ気を緩められないや・・・

 そんな状態の道を少しずつ進む。町を出て幹線道路に出たら、道路上は完全に、雪や氷がなくなり、自転車で普通に走れるようになった。

 しかし、走れるようになったのはいいんだけど・・・せっかく山を見に来たのに、毎日靄がかって、結局全然山なんて見れなかったなぁ、何しにココにきたんだろ。ただ雪に閉じ込められるためだけに来たなんて、バカみたいじゃないか、なんて思って道を走っていたら・・・そんなオイラを不憫に思ったのか、次第に靄が晴れてきた。おお、これこれ、この風景が見たかったのよ、と、姿を見せてくれた雪山を眺める。

 さて、こんな感じで、12月中旬のこの時期には、北海道の札幌とほぼ同緯度にあるヨーロッパの山の中は、もう雪で覆われているのだが・・・ガイドブックによると、一山越えたところにあるアドリア海沿岸部は、地中海性気候のため、年中比較的温暖らしい。ということで、もう、こりごりの雪ゾーンからは脱出して、モンテネグロの沿岸部のブドヴァというビーチリゾート町に行くことに。

 海岸方向へ走っていると、相変わらず山の中ではあるのだが、次第に、雪が視界からなくなっていった。15kmくらい走ったら、完全に雪はなくなってしまった。たった15kmしか離れていないのに、こうも、世界が違うとは・・・雪がなくなった道を走っていると、今朝までいたあの大雪ゾーンが幻だったように思えてくる。

 しかし、モンテネグロって、山しかないな。町と町の間は、ホント、なにもない。

 さて、そんな何もない道を、しばらく走ったら、いきなり、目の前が開けて、ゴージャスな海景観が目に飛び込んできた。おお、これは、スゴイ。ここからこの景色を見れただけでも、この山道を走ってきた甲斐があったってものよ、と思えるくらい素敵な風景だった。

 この海岸にある町が、目指すブドヴァだ。坂を一気に駆け下りて、町に到着。途中、海に入って泳いでいる人を発見。あの大雪ゾーンを自転車で走った同じ日に、海で泳ぐ人を見かけるとは、なんちゅうギャップ。季節感が狂わされ、なんだかクラクラしてくる・・・

 それにしても、この気候ってやつは、ホント不思議だ。小学校か中学校の地理の授業で覚えさせられた<気候区>。こんなの覚えても意味ないじゃんと思っていたのだが、世界を旅してみると、この気候区というものが、人間の生活にとって大きな影響があることが分かってくる。

 さて、泳いでいる人がいるとはいえ、一応冬のこの時期、ビーチリゾートであるこの町は完全にオフシーズン。なので、宿も閉まっているところが多く、オンシーズンならあいているホステルなども行ってみたら、やってなかったりして。ようやく、三軒目の宿があいていて、なんとか泊まることができまして。で、もちろん一番料金の安いドミ部屋に泊まることにしたんだけど、客なんて、オイラくらいしかいないので、ドミなのに、一人。実質シングル部屋みたいなものなので、広々とゆったり過ごせる。これ、オフシーズンの旅ならではの特典だ。

 さて、宿のオネエサンが、ブドヴァの町の見所をいろいろ教えてくれたので、今日は早めに町に到着したことだし、せっかくだから、久々に町観光をしてみることに。

 オススメされた旧市街が雰囲気があっていいかんじだったのだが、オイラ的には、その旧市街の奥にあったビーチに大興奮。ここのビーチ沿いが岩場が崖のようになっており、層状のむき出しの奇岩が素敵過ぎて。う~ん、雪ゾーンから逃れるために来てみたビーチ町だけど、ブドヴァ、なかなかいい所じゃないですか。