(English)
I run on Croatia road. I entered to mountain road...
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昨日の夜半から降り始めた雷つきの豪雨は、明け方には止んだ。それにしても、こんな時間にこんな所でテント泊している最中に降り始めた豪雨には、対処のしようがない。退避しようにも、周囲は真っ暗だし、そもそも、テントから出たところで、建物どころか、葉の覆い茂った木すらないのだから、雨宿りのしようもない。なので、テント内に水がどんどん浸水してくる恐怖にも、黙って耐えるしかないのだ。テント内に持ち込んでいた防水加工のオルトリーブバックで堤防を作り、水の被害を最小限にするくらいしかできなかった。
まぁ、しかし、周囲が水はけのいい場所だったのが幸いした。降った雨も、次の瞬間には、地面にしみこんでしまうので、テント内が湖状態になるような最悪な事態は避けられたのだ。これまで、テントが水浸しになり、最悪の状況になったのは、イースター島と、マラウィ湖。この二回の浸水は、ともに、周囲に溜まった水がテント内に流れ込み、大変なことになった。決してテントがダメだからじゃない。ただ、雨が降るだけならば、このアクトテントは、十分耐えられる優れたテントではあるのだ。
とりあえず、雷豪雨はなんとか耐えしのぐことができ、朝、テントを出る。外は、それまでの雷豪雨がウソだったかのように晴れ渡った青空になっていた。
ふ~
さて、状況が悪い時には、悪い状況が更に重なるものでして。プラティパスの水を飲み干してしまっていたので、後部に積んでいたペットボトルタンクの水を、詰め替えようとしたところ・・・なんと、ペットボトルの蓋がなくなっていて、中の水が全てこぼれてしまっていたのだ。どうやら、昨日かおとといに走っている最中に蓋が緩んで外れてしまったみたいで。取り出しやすいようにと、後部バックのチャックをちゃんと閉めていなかったのが失敗だった。
なんてこった、水がない。
ピンチ。これは、昨日の雷豪雨以上のピンチです。
人影がないところを選んだテント場には、もちろん、補給する水なんてない。手持ちの水がないまま出発。とりあえず、水を補給できそうな場所まで走るしかない。
さてさて、ちょっと走ったら、<グリル>と書かれた、レストランらしき建物が見えてきた。ただ、当然のように、閉まっていた。朝早いから閉まっているとかいうのではなく、この時期はオフシーズンなので、完全閉鎖って感じの閉まり方だった。とりあえず、水道くらいはないものか、と勝手にお邪魔して、店の裏側に回ったところ・・・庭に水をまくための水道を発見。勝手に申し訳ない、と心で詫びながら、水を補給させてもらう。
ふ~
水が補給できたことで、だいぶ心が落ち着いた。とりあえず、喉を潤して、走り始める。ここから先は、山の中へ入っていく道をひたすら走り続けることになる。それにしても、昨日までちょっと寒さが緩んでいたのに、雷豪雨の後、急にまた寒くなった。そして、山の中へ入っていくにつれ、その寒さがどんどん増していく。行く先に見える山に雪がかぶっているのが見えてくるし・・・う~ん、まさか、あの雪山を越えていくなんてことにはならないだろうな・・・
結局、先ほど見えていた雪山の隣の雪は積もっていない山を越えることになった。で、その山の麓に辿り着いたところで、大きな湖が広がる場所に出た。湖の周りをチャリで走っていると、この湖に注ぎ込む川をいくつも越えていくことになる。その川越の橋の上からみる川が・・・
ほ~
と、ため息が出ちゃうくらい、めっちゃ美しかったんですよ。ものすごい透明度の水で。うっすらとエメラルドグリーンの色気を出していて。この川の色の感じは、ブラジルで見て来たボニートの川と一緒。ちなみに、この見事な色は、どうやら、水に溶け込んだ石灰岩が光に反射して、見えるらしい。ふむふむ、この水が源流になって、アドリア海の美しい海の色を演出しているんですなぁ。
さて、この先、道が湖沿いの小さな町に寄るようなカタチになっており、一旦急坂を降りることになった。その後、再び上り坂開始。
ふ~
・・・ココから先の上り坂はかなりきつかった。走り後半で体力的に疲れていたというのもあったし、勾配がちょっと急になったというのもあったのだが、なんといっても辛かったのが、上り坂が延々続いたこと。海抜100mの地点から700mの地点までひたすら上りっぱなし。
そんな坂ではあったのだが、途中の見晴らしポイントから見降ろした谷の景色が絶景だった。
ほ~
この辺、周囲の風景はまるで、別の惑星かと思うような、妙な雰囲気がある絶景ポイントだったのだ。オイラのド好みの風景だったので、最初はこの風景を見るたびに、坂の疲れなんて吹っ飛び、テンション高くペダルを漕いでいたのだが、1時間もすると、風景の素晴らしさより、疲れが勝ってしまい・・・写真を撮っている心の余裕もなくなってしまった。
ふ~
上っても上っても、先が見えてこない。アップだけでなくダウンもあれば、気分転換にもなるのだが、ひたすらアップだとどんどん気持ちが滅入ってくる。
結局、今日は、この上り坂を上りきることができず、途中で見つけたわき道で、テントを張り、野宿。今日こそ、晴れていたから大丈夫だろう、と思っていたのに、22時くらいから、また雨が降り出した。が、今日の雨は昨晩ほどの豪雨ではなかったので、全然大丈夫そう・・・なんて、ちょっとホッとしていたところ、それまでまったく風なんてなかったのに、なぜか次第に風が吹き始め、0時過ぎには、暴風が吹き荒れ、テントが飛ばされそうになるという事態に。ということで、今晩も大丈夫なんかじゃない。おちおち寝てなんかいられない。
あ~、もう、カンベンしてくれよ。なんで、静かに寝かせてくれないんだよぉ・・・
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