Only running by bicycle
ただ走って一日が終わるって、どうなの

2012.12.28 / Croatia(Gracac手前~Udbina付近) 本日 自転車56km走行 : Total 43046km走行
天気:雨のち晴のち曇時々雨 自転車折りたたみ:1
朝飯→菓子パン 昼飯→ハムチーズサンド 夕飯→ソーセージサンド / 宿→野宿

(English)
 I run on Croatia road.



 朝になっても、雨は止まず。暴風も収まらず。外に出られやしない。このまま雨風が止まないのなら、一日ここで過ごすことになってしまう・・・まぁ、それでもいいかと思えるところが、5年目に突入したチャリダーの余裕ってやつですかね。こんなこともあろうかと、一日停滞するくらいなら、なんとかなる食料は持参しているし、水も多めに持っている。時間だって、楽器を弾きはじめちゃうと、意外とあっという間に過ぎてしまうもので、退屈もしやしない。今朝も、今日はもう、動けないもんだと割り切り、朝からカホンを叩いていたら、気付いたら10時過ぎになっていた。

 さて、10時過ぎ、カホンを叩くのを一旦やめ、ふと我にかえると、外がだいぶ明るくなっていた。雨音もしない。で、テントの外を覗いてみると、雲の合間から青空が見えた。強風のため、空の雲がすごい勢いで流れている。青空が覗いたかと思えば、次の瞬間に雨雲が広がり、ポツポツと雨が降り始めたりする、超気分屋天気模様。「うむむ・・・ビミョウだが、まぁ、走れないことはないか」ということで、楽器をかたづけ、荷物をまとめ、走る準備。

 さて、走り始めて、しばらくしたら、小さな町に到着した。一応食料は持っていたのだが、どうせ、今晩も野宿になるだろうから、なるべく手持ちの食材は夜の分にとっておきたい。それに、せっかく町に辿り着いたのだから、なにか暖かいものが食べたい・・・と思ったのだが、ここも、ファーストフードとかレストランらしき場所は全て閉まっていた。「オフシーズンとはいえ、町の人が食べに来たりしないのかいな」と疑問に思うも、開いていないものは開いていない。開いているところといえば、ミニスーパーだけ。しょうがないので、ミニスーパーで、バナナと菓子パンを購入。あ~、もっとパワーになるものが食べたいんだけどなぁ・・・

 さて、その後も、相変わらず風が吹き続ける道をひた走り。残念なことに、逆風。結構強い風なのだが・・・まぁ、パタゴニアの風を体験したオイラとしては、これくらいの逆風は、全然耐えられる。

 そうそう、人の耐性ってスゴイもんですな。一度めちゃめちゃ大変な体験をしたら、その後、少々のことに遭遇しても、そんなに大変なこととして感じられなくなる。もし、パタゴニアの風を体験していなかったら、逆風地帯に突入するたびに「ちくしょー、逆風なんて嫌いだー」と叫び続けていたんだろうけど、パタゴニアの風で耐性がついてしまったオイラとしては、少々の逆風地帯では、動じないようになってしまったのだ。

 そんなオイラも、雨に関しては、まだ耐性がついていないようで。今日も、何度も雨に打たれることになってしまったのだが、そのたびに「ちくしょー、雨なんて嫌いだー」と叫び続けてましたもん。う~ん、一度、どこかで、パタゴニアの風レベルの雨に、遭遇しないといけないかもな。そうすれば、少々の雨には動じなくなるかも。

 そんなこんなで、ひたすら走り続け、夕刻16時半、暗くなったので、風除けになりそうな、高架橋の下にテントを張って、今日も野宿。今日こそは、夜、雨が降っても風が吹いても大丈夫だぞ、と思ったのだが、こんな万全の時には、雨も降らず、風もなし。旅の女神様はここんところ、意地悪だ。

 ところで・・・ここんところずっと、朝、明るくなったらテントから出て、日中は自転車をひたすらこいで、夜、暗くなったらテントを張って、寝る、ただ、それだけの毎日が続いている。そんな生活って、どうなの?とお思いになる方もいらっしゃるでしょうが、これ、意外と充実感でいっぱいになるのですよ。走っている間は、頭の中は真っ白。ひたすら肉体だけを使い、一つに決めた目標を目指して、ただただ、前に進むだけ。この、シンプルさが、心地よい。