Plitvice National Park
世界一美しい滝というより・・・ここはエメラルドグリーンの湖水が美しすぎる

2012.12.29 / Croatia(Udbina付近~Niksic) 本日 自転車72km走行 : Total 43118km走行
天気:曇のち晴 ネット:1
朝飯→ソーセージサンド 昼飯→ミートソース 夕飯→豆スープとベーコン / 宿→Restoran Pino(100クーナ)

(English)
 I visited to Plitvice National Park. Here is very beautiful place.



 どうも、旅の女神様は、最近オイラに意地悪だ。実は、おととい走っていた道のどこかで、アラスカで買って、ずっとお供してもらっていた防寒手袋を、落としてしまったのだ。最近朝寒いため、出発時はあの防寒手袋をして走り始めていたのだが、走っていると暑くなってくるため、サイクリンググローブに取り替え、夕刻になるとまた寒くなるから再度、防寒手袋に取り替える、なんてことをやっていたんです。で、いちいち手袋をしまいこむのがめんどくさくなって、前カバンにマジックテープで留めるだけなんて状態で走っていたのがいけなかったのか、気付いたら、なくなっていたんですよ。え?それって、手袋をしまうのをめんどくさがったのが悪いんジャン・・・ええ、実は、全然女神様の悪戯なんかじゃなく、完全にオイラのミスなんです、ハイ。

 しかし、この極寒のヨーロッパを防寒手袋なしで走るのは、キツイ。早く代わりの防寒手袋を入手しないと、とても朝走っていられないのだが・・・小さな町では、厚手の手袋は売っていなくて。しょうがないので、軍手みたいな毛糸の手袋を買い、この上からサイクリンググローブをはめるという、二重手袋作戦で、なんとか寒さを耐えることに。

 さて、これまでずっと、開いているレストランなんて皆無の道を走っていたのだが、今日、ようやく、走り始めて1時間くらいしたところで、<開いている>レストランを発見。うひょ~、久々に暖かい飯が食える!と、喜び勇んで、レストランに入るオイラ。メニューを見せてもらったら、なんかいろいろあったのだが、どんな料理なんだかサッパリ分からないものばかり。とりあえず、<スパゲティミートソース>と書かれたものが目に入ったので、もう、ミートソースでいいや、と思い、オーダー。あ、それと、ミックスサラダを忘れずに。やっぱりねぇ、パンとソーセージとチーズだけみたいな、偏った移動食ばかりで、食事をすませていたら、猛烈に野菜が食べたくなってくるもんなのですよ。そして、こんな状態のときに食べる野菜の美味いこと美味いこと。

 さて、久々に満足する食事を済ませ、走り始めるオイラ。この辺、クロアチアの内陸部で、標高は700m近い山の中。当然・・・というか、雪がちらほら見えてくる。

 ところで、スピリットからずっと、ひたすらどこにも寄らずに、ただ走り続けてきたのですが、今日、ようやく、寄っていくべき所に到着するんですよ。それは、<プリトヴィッツェ湖群国立公園>という場所。なんとここ、世界一美しい滝が見れる、ということで有名な場所なんです。

 昼前に、プリトヴィツェ湖群国立公園の第一入り口に到着。そこには、ツアー客らしき人たちが大勢いた。うむむ、この寒い中、見に来る人なんてそんなにいないだろう、と思っていたのだが、結構たくさんいることにビックリ。

 さて、入り口でチケットを買うことにしたのだが、その前に、まず、ファニーバニーと荷物をなんとかしなくちゃいけない。「自転車では中に入れないよ」と言われたので、どこかに置かねばならないのだが・・・ここには屋外駐車場しかない。以前のオイラなら、荷物を装着したまま、チャリに鍵をかけるだけで、入園しちゃうところなのだが、フランスでリアバック盗難事件を経験して以来、荷物をつけたままの状態で、長期間、チャリから目を離すことなんて、できなくなってしまっている。

 困っていたら、「荷物だけなら、中で預かってあげるよ」と、公園係のお兄さんが言ってくれた。「本当ですか、ありがとうございます」「ただし、10クーナもらうけど」「・・・」金とるんかい。ま、100円くらいで、安心が買えるのならいいかと思い、10クーナ支払って、公園事務所の中に、荷物だけ置かせてもらうことに。で、ファニーバニーを駐車場横のデッカイ木にキーロックして、これで、万全。

 40クーナ支払ってチケットを購入。早速中へ入る。まず見えてきたのは、複雑な隆起の岩岩の間を流れ落ちる滝。ふむふむ、なかなか美しいじゃないか、しかし、これくらいで世界一はないだろう、と若干穿った想いで、滝を眺める。で、ここから先の道が、滝の下のほうに降りられるようになっていたので、降りてみることに。下まで降りると、湖の上に遊歩道が引いてあり、滝の下まで歩いていけるようになっていた。が、この時期、水で濡れる木の遊歩道は、凍ってしまうようで、滝の近くは、つるっつるになっていて、怖くて、とても歩けない。他の人たちも、トライしようとしていたが、結局みんな、諦めて引き返してくる。

 う~ん、これがオフシーズンってことか。そうそう、実は、このプリトヴィッツェ湖群国立公園、結構広いんですよ。が、今の時期、奥の方は閉鎖されてて行けないって言われたんです。行けないってどういうこと?と思ったのですが、なるほど、道が凍ってしまって行けないってことだったのか、と。

 せっかく来たのにプリトヴィッツェ湖群国立公園の1/3くらいしか見れない。ちと残念だなぁ、世界一美しい滝ってのは、きっと閉鎖された奥の方にあるんだろうなぁ、と思いながら、再び上に上る道を歩いて、湖を上から眺められる場所まで辿り着いたところ・・・

 はわわ!

 素晴らしすぎる景色が眼下に広がっていた。エメラルドグリーンの湖の端から、複雑な滝線を描く真っ白な滝が零れ落ちている。

 これこれ、これをみたかった!

 もう、この風景を見ただけで、満足してしまった。スゲェぞ、プリトヴィッツェ湖群国立公園。

 この風景は確かに、こいつぁスゴイ世界の風景の上位に入り込む風景だ。世界一美しいの滝と言われるのも納得・・・いや、ここは、滝が美しいっていうより、エメラルド・グリーンの湖水が美しいんじゃないの?湖水が美しすぎるから、滝も美しく見えるっていう現象なのではないんですか?

 なんて思ってみたりもしたのだが、まぁ、どっちでもいいです。眼下の風景が、美しすぎることには変わりないんですから。

 それにしても、今日、晴れるタイミングで、ココに来れてよかった。日が当たらなかったら、このエメラルド・グリーンの感じは見れなかっただろうからな。

 どうせ、奥までは行けないことだし、これ以上先に進むのはやめて、この素敵な風景をずっと眺めて過ごすことにしたオイラは、寒さを忘れて、ここに1時間くらいたたずんでおりました、ハイ。

 さて、大満足のプリトヴィッツェ湖群国立公園を後にして、再び走り始めたオイラ。ココから先は基本的には下り道が続き、一気に距離が進んだ。日も暮れてきて、今日も野宿かな・・・と思い始めたところで、宿つきのレストランを発見。造りがちゃんとしてて、高そうな雰囲気だったのだが、一泊100クーナでOKとのこと。おお?14ユーロくらいか、だったら、シャワートイレつきの個室ってことを考えると、むしろ安いじゃないか、と即チェックイン。そして、とりあえず、スープだけでも温かいものを食べたいと思ったオイラは、階下のレストランへ。で、メニューを広げてビックリ。かなり安いのだ。そういえば、朝食べたミートソースも安かった。クロアチア、沿岸部を走っていた時は、「レストラン飯高け~」と、メニューを見て頼む気なくしていたのだが、どうやら、あれは、超観光地である沿岸部の観光地値段だったのではないかと。内陸部に入れば、宿代も食事代も、そんなに高くはないようだ。散財せずに、過ごせそうだぞ。

 うむむ、いい流れになってきたぞ。ここから、旅の女神様は、オイラに微笑みかけてくれるようになってくるのか?