Enter to Bulgaria
どんどん寒い方へ向かっているんですけど・・・

2013.1.8 / Serbia→Bulgaria(Beograd~Sofia) 本日移動403km(自転車4km走行) : Total 43230km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→ウィンナーサンド 昼飯→お菓子 夕飯→ハンバーガー / 宿→Sofia Internet Hostel(ドミ8ユーロ)

(English)
 I left from Beograd. I entered to Bulgaria by bus today too.



 セルビア、ベオグラードは、これまでのアドリア海沿岸部の東欧の国々の街とは、ちょっと雰囲気が違っていた。やさぐれているっていうかなんというか・・・古い建物が多いし、ウォールペイントがそこらの壁にしてあるんで、ちょっと退廃している感がある。でも、なんだか、重厚なヨーロッパを感じる面もあり、不思議な魅力のある街だった。この街は、もうちょっと居てもいいかな、なんて思っちゃったんだけど、バスの切符も買っちゃったことだし、本日、出発。ベオグラード滞在時間、一日未満。

 さて、宿のチェックアウト時間11時ギリギリまで暖かい部屋の中で粘り、12時半出発のバスに乗るべく、バスターミナルへ。1時間くらいは、外でも待てるだろう、と思っていたのだが、甘かった。ヨーロッパの冬の寒さをなめちゃいけない。外でバスを待っていて、15分もしないうちに、体の芯から冷え込んで、もう、ガタガタブルブルが止まらない。なんとか寒さを紛らわそうと、ムビラを取り出して、弾きはじめたのだが、寒すぎて指がうまく動かない。そんなつたない演奏でも、音色が魅力的なこの楽器。一人のおばさんが、立ち止まって聞き耳をたててくれていた。で、演奏がひと段落したところで、「それ、なんて楽器なの?」と話しかけてきてくれたので、しばし、ムビラについて解説。おばさんのおかげで、しばし、寒さを忘れて、待ち時間を過ごすことができた。

 で、ようやくバスが到着。荷物を預け、荷物代5ユーロ支払って、乗車。ふ~、バスの中は暖かい。生き返るようだ・・・

 ベオグラードの街を出ると、外は雪の世界が広がっていた。ベオグラードが、そんなに白い世界ではなかったのは、人が多いから、雪かきとかして、ちゃんと除雪をしていたのだろう。過疎な外の世界は、見事に白い世界になっていた。降ったら降りっぱなしの雪がそのまま残っている。

 いやぁ、南下しているから、だんだん暖かくなってくるだろうと思っていたのだが、全然そんなことはなかった。これくらいの南下は、あまり気温変化には関係なく、むしろ、内陸に入ることによる寒さの厳しさの方が、強いらしい。暖かくなってくるどころか、どんどん寒さが厳しくなる方向に進んでいる気がする・・・

 とりあえず、道はちゃんと除雪されているので、走りは問題ない。バスは順調に走り続け、ニシュという町に到着。ブルガリアのソフィアまではダイレクトに連れて行ってもらえるもんだと思っていたオイラは、この町で、多くの人がバスから降りる中、そのままiPodを聞きながら座り続けていたら・・・

 「キミ、ソフィアに行くんだろ。ここで乗り換え!」

 と、運転手のおじさんに言われ、慌てて降りることに。なんだよ~、直通じゃなかったのかよぉ・・・めんどくさいなぁ。ま、切符を買うときに確認しなかったオイラがいけなかったか。

 で、外に出たら、ターミナル係員のプレートを下げたお姉さんが「パスポート」と言って来た。?国境でもないのに、なぜパスポート?と思ったのだが、言われるままにパスポートを渡す。お姉さんは、オイラのパスポートを持って、8番の窓口カウンターへ。なにやら、チェックしている。戻ってきたお姉さんからパスポートを返してもらったのだが、スタンプとかは押されていない。ん~、なんのチェックだったんだろ?

 とにかく、そのお姉さんの「8番ゲートに到着するバスに乗ってね。それがソフィア行きだから」という案内に従って、8番ゲートでバスを待つオイラ。15分ほど待って、8番ゲートにやってきたのは、バスというより、バンタイプの乗用車。「おお?ここから先はこれですか?」このバンバスに、16人くらい乗り込んで、座席パンパンの状態で、ソフィアに向けて、出発。ちなみに、このバンバスの運転手のおじちゃんは、妙にテンションが高い。

 ニシュの町を出る頃には、すっかり日暮れ時となってしまっていた。走り始めたら、もう周囲は真っ暗。これまでの平野道と違って、次第に周囲が山の中を走っていく。う~ん、なかなかよさげな風景なのだが・・・暗いのがもったいない。ここは、昼間、風景が見える時間に走り抜けて欲しかった。

 さて、バンバスは、国境付近の町で一旦止まった。トイレ休憩かいな?と思ったのだが、そうではなく、客が待っているから乗せるとのこと。乗せるって、もう、このバンバスは、座席全部乗客で埋まっているんですけど・・・このバンには補助席もないし、と思ったら、運転手のおじさん、キャンプチェアを二つ、トランクから取り出して、座席の間にポンと置いた。「これが、補助席だ」そんな補助席に、ここから乗ってきたおばちゃん二人が腰かけ、定員オーバーした状態で、バンバスは、国境へ。

 さて、到着した国境。まず、セルビアの出国イミグレでは、前回同様、乗客全員のパスポートが集められ、それをポリスに渡して、一括処理してもらった。で、また、一旦返してもらい、手元に戻ってきたパスポートをチェックしたのだが・・・どこにも、出国スタンプが押されていない・・・慌ててパラパラとパスポートのページをめくるオイラをよそに、バンバスは走り始め、次のブルガリアの出国イミグレへと到着してしまった。で、ここでは、一人一人点検するようで。一旦全員バンバスを降り、イミグレへ並ぶ。オイラとしては、どのページにもセルビアの出国スタンプが押されていないことが気になって仕方がなかったのだが、あっという間にオイラの順番になって、そのまま、ブルガリアの入国スタンプが押されてしまった。

 まぁ、いいか。

 スタンプが押されていないと、もめるのはその国を出る時か、次の国に入る時だからな。次の国のスタンプを押してもらえちゃったのなら、とりあえず、問題は起こりそうもない。

 こんな感じで、無事ブルガリアに入国し、バンバスは20時過ぎに、ソフィアの国際バスターミナルに到着。で・・・バスを降りてビックリ。周囲は雪だらけじゃないですか。そして、めっちゃ寒い。今までで、一番寒い。どうやら、ソフィアは、標高550mの高地にある都市らしい。ヨーロッパの首都としては、スペインのマドリッドに次ぐ高地の首都とのこと。

 ああ、暖かい方へ行きたいのに、どんどん寒い方へと向かっている・・・

 とりあえず、早く暖かい宿に入ってしまいたいと、宿探しを始めたのだが・・・お目当てにしていた宿がことごとく見つからない。ここ、ソフィアにはヨーロッパ一快適と言われているらしい、日本人宿がある、とネットで調べて見つけたので、行ってみたのだが、その住所には、ホステルらしきものはない。しょうがないので、ロンプラに書かれていた別のホステルに行ってみたのだが、そこにも、ホステルらしきものはない。

 ん~、ソフィアのホステルって、もぐりのホステルばっかりなんですか?外見は、カモフラージュしてホステル経営していることを隠さなきゃいけなかったりするんでしょうか?

 困ったなぁ、と思いつつ、ウロウロしていたら、ようやく、表にでっかく<ホステル>と書かれた看板を出しているホステルを発見。<インターネットホステル>なんて、ちょっと怪しげな名前だったけど、まぁ、とにかく、寒さをしのげればいいや、と思い、ドアのベルを鳴らす。中は、まぁ快適とは言えないけど、それなりの感じ。ドミ部屋で8ユーロだったので、まぁ、このクオリティだったら、妥当か、とチェックインすることに。

 ふ~、とりあえず、落ち着けてよかった。さて、これからどうしよう。ブルガリアのソフィアからトルコのイスタンブールまでは、チャリ走りしようかと考えていたんだけど、この寒さと雪じゃ、ちとツライ。たぶん、高地であるソフィアを離れれば、雪はなくなる気はするのだが・・・どうなんだろう・・・