Good feeling on Mali road
マリの優しさはチャリ旅でこそ身にしみる

2013.4.3 / Mali(Santiguila~Daourabougou) 本日 自転車133km走行 : Total 43807km走行
天気:晴のち曇のち小雨
朝飯→サンドイッチ 昼飯→ぶっかけ飯 夕飯→パン / 宿→村人宅の庭で野宿

(English)
 I was running on Mali road by bicycle.



 朝、昇ってきた日の光に起こされ蚊帳テントで目覚めたオイラ。反対側の道路には、トラックが数台止まっており、そのトラックの脇に、絨毯をひいて寝ているトラックの運ちゃんたちの姿が。うむむ、「その辺で適当に寝れば」というのは、こういうことなのか。道端で適当に寝て大丈夫な村なんですな、ここ。危険と言われている今のマリですが、現状はこんなにも穏やかなもの。夜、人通りのある道端で寝て大丈夫、なんて、平和だと言われている国でも、危険を感じてめったにやれないことなのに。

 国として危険ってことと、生活レベルで危険ってことは必ずしも一致しない。

 外務省が発表している海外渡航情報は、<国というくくりの情勢>として不安要素があるかどうかで、判断されているようだ。アルカイダの影響で北部のトゥアレグの人たちが暴動(テロ)を起こし、フランス軍まで介入しているマリは、確かに<国というくくり>では危険状態。ある意味、戦時体制であるワケで。が、<テロ>という局所突発的な相手に対する戦時状況というのは、国全体がピリピリしているワケではない。私達には直接関係ない、と思っている人たちも多くいて、その人たちの生活は、非常にのどかなものだったりするのだ。

 だからといって、旅をしていいか、というと、それはそれで別問題。何が起こるかわからない状況なのは事実なワケで。平穏な村だと思っていたところで、いきなり誘拐されるなんてことが起こらないとも限らないのだ。旅するのはあくまで自己責任。そして、そんな状況であるにも関わらず、そこを旅することを決めたのなら、状況把握感覚と研ぎ澄ませ、危険なことはなるべく回避するという判断が必要。

 ・・・とは思うものの、このあまりにも穏やかなマリの日常に接すると、ここが今<戦時下>であることなんて感覚がなくなってくる。

 感覚は研ぎ澄まされるどころか、緩む一方・・・

 さて、今日も日中は暑くなるだろうからということで、朝の涼しい時間帯に一気に距離をかせいでおこうと、日の出とともに、出発。24H営業と書かれていながらも、夜はがっつり閉まっていたガソリンスタンドのおじちゃんが、ちょうど出てきたタイミングで、別れを告げ、走り出す。

 村のメイン道は舗装道だったのだが、村から出たら、またすぐ工事中となり、未舗装の迂回道を走ることになった。「今日も一日未舗装道かぁ・・・ツライなぁ」と思っていたところ、今日走っていた途中で、道路工事箇所は終わりだった。そこから先は、一応アスファルト舗装された道に戻りまして。

 昨日は、未舗装道だったのと、久々のチャリ走りってことで、とにかく、バテバテになり、周囲に気を散らす余裕なんてなかったオイラだったのだが、今日は走り二日目ってことで、体もチャリモードになってきたし、なんといっても、舗装道になり走りやすくなってきたので、道周辺で起こることに、いろいろ気を散らす余裕が出てきた。

 ということで、途中立ち止まって村の写真とか撮っていたところ・・・子供達が寄ってきた。その子供達を撮っていたら、さらに子供達が寄ってきた。そして、際限なく増え続ける子供達・・・ええ、アフリカではよくあるパターンです。

 ちなみに、マリの子供達はどことなく、礼儀正しい感じがする。写真を撮る時、横に並んで、おとなしく立つのだ。この状況、セネガルの子供達だったら、おちゃらけてハシャギポーズをするガキンチョが絶対いるものなのだが・・・これ、国民性の違いってことなのかな?

 さて、道脇で食べ物が並べられているちょっと大きめの村に到着したので、ここで軽く二度目の朝飯。で、飯を食べた後、走り始めようとしたら・・・道端の木陰の下でファーストフードを売っているおばちゃんに呼び止められた。二度目の朝食後も、まだもうちょっと何かを食べたかったオイラ(走り始めるとひたすら腹が減るのだ)、おばちゃんは、油で何かを揚げている最中だったので、「何ですか、これ?」と聞いてみると、「アカラよ」とのこと。おお、久々のアカラ、それはぜひ食べてみたいということで、50CFA(10円)で、アカラ一袋購入。うん、これ、パンに挟んでも美味いのだが、そのまま食べると、豆の味が濃厚で、さらにうまみを感じることができるのだ。

 アカラをポリポリかじりながら、おばちゃんたちに別れを言い、走り出したら・・・今度は、自転車に乗ったおじちゃんが併走してきた。お~、次から次へとマリ人に絡まれるこの状況。今日はまだ元気だから、オイラもノリノリで対応できるぞ。で、このおじちゃんが、「オレが村を案内してやろうか?」というので、じゃぁ、簡単に、ぜひ、ということで、お願いすることに。村の泥で出来たモスクやら、知り合いのご家族の家やらを案内してくれた。う~ん、それにしても、泥のモスクというと、今向かっているジェンネってところのモスクが有名なんだけど、泥のモスクって、ジェンネに限ったモノなワケではないんですな。この辺のモスクは泥で作られているものなんですな。

 と、まぁ、こんな感じで、今日は、マリ道を走っていると、マリ人に次から次へと絡まれたんですが・・・この絡まれ方が非常に心地よかった。なんか、マリ人の控えめさがにじみ出ている絡み方でして。ズウズウしくいきなり近距離に入ってくるのではなく、ちゃんと、距離感を取りながら近づいてくれる感じが好感触だったのだ。

 このマリ人的控えめな距離のとりかたは、実は、マリに入った時から感じてまして。セネガルの強引な距離のとりかたに慣れてしまっていたオイラとしては、最初マリ人の接し方はちょっとおとなしく思えて、物足りなさを感じていたんですよ。が・・・チャリで走り始めると、この<ちょっと配慮した>マリ人的接し方が、非常に心地よかった。

 そんなマリ人に癒されながら走った本日ですが・・・太陽には苛められまくり。今日もとにかく暑かった。走っているととにかく汗をかく。そして、かいた汗もすぐに乾いちゃうもんだから、体から出たミネラル成分が服にガッツリ残る。いやぁ、こんなにも塩が体から出ちゃうもんなんですな。こりゃ、塩分がちゃんと入った食事を取らないと、いかん。

 さて、夕刻、そろそろ日が暮れ始めるというタイミングで辿り着いたのは、小さな村。できれば、セグーまで走りたかったのだが、セグーまではあと30kmくらいはある。とりあえず、今日はもう130kmくらい走ってて、めっちゃ疲れている。さて、どうするかと、立ち止まって考えていたら、物売り帰りのおばちゃんたちが声をかけてきたので、にこやかに手を振り返したら、売れ残りのアカラを一袋おごってくれた。ああ、ありがたい、と、いただいたアカラをポリポリ食べながら、そうだ、今日はもう、ここで寝てしまおうと思いついたオイラ。

 平穏そうな村だし、まぁ、ここも昨日と同じように、道端で適当に寝ても安全なんだろうと思って、おばちゃんたちに「ここの道端で、テントを張って寝ちゃってOKですか?」と聞いたところ、「いいんじゃない。一応、あそこのおじいちゃんたちにことわってね」という返事。ということで、長老さんたちと思われるおじいちゃん達に、寝てもいいとの許可をいただき、ここの道端にテントをはることに。

 で、道端の家の壁にファニーバニーを立てかけ、テントの準備にとりかかろうとしたら・・・壁向こうにある家に住んでいるオネエチャンが、不思議そうにこちらを見てきた。とりあえず、にこやかに微笑み返して、ペコリとご挨拶。すると、オネエチャンたちが、手招きしてくれるじゃないですか。近寄ってみたら「テントなら、家の敷地内に張りなさいよ」とのこと。

 ということで、ヤギやら牛やらウマやら、そしてたくさんのガキンチョたちで溢れるこの大家族の家の敷地内にテントをはらせてもらうことに。で、案の定・・・テントの周りには、家のガキンチョが集まってきた。申し訳ない、元気な時だったら、遊び相手になってあげられるのだが、今日はもう疲れ果てているので、ほおっておいてくれ・・・と言っても、聞いてくれるようなガキンチョたちではなく、テントの周りに次々と集まってきて、ワイワイガヤガヤ。あ~、ここは、もう寝たふりをしよう、とテントの中に入って、横になるオイラ。これ、ガキンチョたちに去ってもらうためのカモフラージュとしての<寝たふり>だったのだが、疲れ果てていたオイラは、<寝たふり>は<ふり>ではすまずに、そのまま熟睡・・・ああ、オネエチャンたちに、一応夕飯を誘われていたのに・・・今日は夕飯は夢の中で・・・




































































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