140km running to Djenne
逆風灼熱での140km越え・・・我ながらよくがんばった

2013.4.7 / Mali(San~Djenne) 本日 自転車142km走行 : Total 44169km走行
天気:曇のち晴
朝飯→豚足? 昼飯→焼きヤギ 夕飯→スパゲティ / 宿→Le Campement(シングル7500CFA)

(English)
 I arrived at Djenne.



 朝、この宿のレストランは食事がビミョウに期待できないので、さっさと出発して外で朝飯を食べることに。で、町外れのところで、皆さんがなにやら集まっている路上食堂があったので、そこで、皆さんと同じものを食べることにしたのですが・・・洗面器に入れられて出てきたのは、なにやら、豚足っぽい。ん?マリってイスラム教の人が多いから豚って食べないんじゃないの?と思って、これがホントに豚足なのかどうかを、食べているおじちゃん達に聞いてみたのだが・・・「これは何なんですか?」とは聞けるものの、それに対して返って来た答えの意味が分からない。そもそも、豚っていう単語、フランス語じゃ知らないし・・・

 ということで、結局よく分からなかったのだが、たぶん豚足らしきもので朝食をすませ、サンの町を出発。昨日は一日曇空だったので、あまり暑くはならず、快適に走れたのだが・・・今日は、朝から太陽攻撃。とりあえず、まだ比較的日が強くはない午前中に距離をかせぐべく、午前中はひた走り。

 ちょうどお昼頃、それなりの大きさの村に到着。この村に、路上で肉を焼いている肉屋があったので、それで、昼飯とすることに。肉のコマギレに、玉ねぎを混ぜて、ドレッシングであえたものを洗面器に入れて出してくれた。

 さて、この肉屋の前には、何人かのおばちゃんとその子供達が集ってまして。オイラが飯を食べていたら、お茶を淹れておごってくれたり(ちなみに、使っている茶葉は中国茶葉だった)と、何かと親切に接してくれたこのおばちゃんたち。うむむ、セグーを過ぎてから、マリの人たちとの絡みが減ってきてたから、このおばちゃんたちや、子供達とのふれあいが、なんだか妙に楽しぞ・・・ということで、飯を食べ終わっても、しばらくの間、子供達と戯れてしまうオイラ。このままここで、一番暑い時間はやりすごしてしまおうか、とも思ったのだが・・・今日の目的地である、ジェンネまではまだまだ遠い。あんまりノンビリしていたら、辿り着かなくなっちゃうので・・・おばちゃんたちに別れを告げ、出発。

 マリ道、点々として存在している村を通り過ぎたら、基本的に、荒野が広がっているだけ。牛やヤギたちだけが歩いているただっ広い大地を、ひたすらチャリで走り続けることになる・・・山道好きなアドベンチャーサイクリストには、少々退屈に感じちゃうと思われる道なんですが、オイラは、こういう方が好きかも。走りが大変な道に挑むより、平坦な道をタンタンと走るほうが、心地よかったりする。ま、マリ道は、途中途中で素敵な人たちに出会えるからそう思えるんだろうけど。もし、ひたすら何も無い荒野を延々走り続けなきゃいけない、なんてことになったら、たぶん、めげちゃう。

 いやぁ、それにしても、午後になったら、マジ灼熱になってきた。手持ちの水はすでに茹で上がって熱湯になってしまっているので、いくら飲んでも、全然喉が潤えない。ということで、村に辿り着くたびに、ビニール入りの水を買って飲むオイラ。ええ、西アフリカでは、この500mlと書いてあるのに400mlくらいしか入っていない水袋がどこにでも売られている。なので、村に辿り着けば、水補給はできるんです。といっても、荒野に点々と存在する村には、電気なんてきていないところばかりなので・・・当然冷蔵庫でキンキンに冷えているなんてことはあるはずがない。井戸水で冷やしてある程度なんですけど・・・それでも、手持ちの熱湯を飲むより、全然マシ。ちなみに、この袋水、お値段は、一袋25CFAもしくは50CFAなんで、まぁ、10円するかしないかといった額。

 さて、荒野の途中途中に時々出没する小さな村々ですが・・・この辺から新しいアイテムが目に付くようになってきた。家の一角に、ちょうど大人が立って一人入れるような、小型のボックス型のモノがおかれるようになってきたのだ。走っている時には、「何だろうこれ・・・物置なのかな?」なんて思っていたのだが・・・この後ドゴンでガイドに説明してもらったところ・・・これは、一人一人の個室なんだそうだ。で、一夫多妻制のマリでは、一つの家の敷地に、このボックスが多く存在するということは、それだけ多くの奥さんを囲っているということになるらしい。

 ・・・なんて、すっかり穏やかにマリ状況をお伝えしちゃってますが、そういえば、現在、マリは、日本の外務省的には、退避勧告地域なのですよ。で、実は、道で、たまに、迷彩塗装した装甲車やら、銃を持ったアーミーを乗せたトラックやらとすれ違うことがあるんです。それを見ると、ああ、確かに、今は緊張状態なんだ、ってことが実感できるのですが・・・チャリで走っていると、どこの国よりも平和に見えるマリなんですよねぇ・・・

 そんな感じで、平穏とは?そして戦時とは?なんてことを考えながら走る灼熱のマリ道。本日、加えて強烈な逆風が吹いてまして。この逆風が、多少涼しいから、まだ救いがあった。この風が熱風だったら、今日はまったくがんばれなかっただろう。

 灼熱逆風の中、なんとか、100km走りきり、ジェンネ方面とモプティ方面の分岐点に到着。ああ、もうバテバテ。ここには冷蔵庫を置いてある店があったので、冷たいコーラを一気飲み。あぁぁぁ~美味い。この世のものとは思えない、このコーラの味。冷たいコーラこそ、人類の偉大なる発明だよ、うん。

 さて、マリの最大の目的地であるドゴンカントリーに向かうのなら、このままモプティ方面に走ればいいのだが・・・せっかくですから、泥のモスクが有名なジェンネにも寄ってみたいと考えてまして。が、ジェンネはこの分岐道を曲がって、30km、ニジェール川方向に入っていかねばならない。しかも、そこからモプティに抜ける道はなく、モプティに行くのなら、再び同じ道を引き返してこなきゃいけないのだ。

 ちと、メンドクサイ。

 今日はもう100km走って疲れきっているし・・・ジェンネに行くのは諦めて、この辺で野宿して、明日、素直にモプティ方面に走ればいいんじゃね?なんてことも考えたのだが・・・ジェンネには呼ばれているような気がしてならないオイラは、ジェンネ行きを諦めるワケにもいかず。そのまま分岐道を曲がって、ジェンネ方面へ走り出すことに。

 幸い、分岐点を曲がったことで、受ける風の方向が変わり、微妙に追い風となった。なので、残りの30km一気に走ることが出来、だんだん太陽が沈みゆく中ではあったのだが、こりゃ、日暮れ直前にジェンネの町に辿り着けるかも、なんて思っていたところ・・・

 町に入る直前に、関門が待ち構えていた。

 ニジェール川に囲まれた場所にあるジェンネの町、雨季、乾季によって、川の水の量が大いに変わるためなのか、橋なんて設けてない。が、今は乾季とはいえ、流れている川はあるわけで・・・ジェンネに辿り着くには橋の無い川を越えなきゃいけない。そんな川を越えるために・・・一応、渡し船が用意されていた。

 で、この渡し船なんですが・・・川岸まで来ちゃうと、座礁してしまうためなのか、川の途中で停まっている。こっちの岸まで来てくれない。どうやら、船に乗るためには、川の中を運んでいかねばならないらしい・・・のだが、目の前には、渡し船に乗り込もうと、無理やり川に突っ込んで、ニッチもさっちもいかなくなった車をなんとかしようと、皆さんがおおわらわ状態になっちゃっている。うむむ、軽量チャリダーになったとはいえ、車が動けなくなるほどの深さの川の中をファニーバニーを担いでいけるとは思えない。これは困った、と思っていたら、動けなくなった車を押していた一人のお兄さんが「1000CFAで手伝うよ」と言ってきた。渡し船はタダなのに・・・こんなカタチで出費か。まぁ、しょうがない、これは、手伝ってもらった方が得策だ、ということで、お兄さんに手伝ってもらって、二人で、荷物フル搭載のファニーバニーをそのまま担ぎ上げ、渡し船へ。

 そんなこんなで、渡し船に時間をとられている間に、日暮れ。対岸に着くまでにも、刻々と周囲が暗くなってくる。

 で、すっかり暗くなって、ジェンネの町に突入することになったのだが・・・ジェンネの町は、なんだか迷路のように入り組んでいた。いや、地図上では、町の周囲をグルッと大きな通りが囲んでおり、その通りを通っていけば、宿や市場がある場所へ辿り着けるはずだったのだが・・・途中何箇所も工事中になっており、迷路のような小道へと入っていかざるをえない状態になってしまったのだ。

 すっかり暗くなった中、迷路のような道を進まねばならないメンドクササ・・・

 しかも、この困った状況に、さらに追い討ちをかけるように、ガキンチョたちが群がってきた。このガキンチョたち、一人や二人ではない。30人くらいのガキンチョ軍団だったのだ。別に自転車のモノを盗ったりするようなことをされるワケではないのだが、この人数のガキンチョたちに囲まれるのは、それだけで、メンドウなことだったりするのだ。

 ああ、なんとかならんのか、この状況・・・

 と嘆いていたところに、一人の救世主が現れた。「ヨロシク、サリフって呼んで。あ、日本名はイナモトね」というこの男は、もちろんマリ人。イナモトなんて名乗る、普段だったら相手にしない<メンドクサイ代表>のような自称ガイドなのだが、この時には、ホント、救世主だった。ガキンチョ軍団を追い払ってくれた上に、迷路をスルスルと通って、お目当ての宿にも案内してくれたのだ。

 「今日はもう、疲れているだろうから、グッスリ休んで。明日、もしガイドが必要なようだったら、声をかけてね。市場のあたりにいるからさ」と言い残して去ろうとするサリフ。おお、なんだか、いいやつじゃんか。

 「待って、サリフ・・・いや、イナモト。とりあえず、腹減っているからさ・・・飯を一緒に食おう」ということで、サリフに安食堂に案内してもらい、一杯200CFA(40円)の飯を、彼にも奢って一緒に夕食。

 ふ~、とりあえず、飯を食って落ち着いた。迷っている最中は、なんだココ、最悪、なんて思っていた、迷路のようなジェンネの町の小道も、よくよく見れば趣があるじゃないか。とりあえず、明日、ジェンネの町が盛り上がるという月曜市の日だから・・・楽しみだ。

 え?月曜市の前日に辿り着くように、逆算してバマコから走ってきたのかって?ふふふ、そうそう、その辺も緻密に計算した走りだったんですよ・・・と言いたいところですが、実は、ただの偶然です。適当に出発気分になったから、バマコを出発して、そのまま毎日走り続けたら、たまたま、ジェンネの月曜市の前日の夜に辿り着いちゃったんです、ハイ。












































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