(English)
I arrived at Bandiagara.
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仮面の国ドゴン・・・ということなのか、昨晩泊まった宿には、興味深い<仮面>をかたどった置物がいくつも飾られていた。この造形はなかなかワクワクさせてくれる。おお、そうだ、ひょっとしたら宿のおじちゃんが、ドゴンダンス情報を持っているかもしれない、と思い、「ドゴンダンスは、どこへ行ったら見れるんですか?」と聞いたところ、バンディアガラという町に行けば見れる可能性があるよ、とのことを教えてもらいまして。
ということで、本日、もう、バンディアガラへ行くことに。ホントはねぇ、居心地いい宿だったんで、もう一泊延泊しようかとも思ったんですけど・・・基本的に昼間は停電みたいなので、延泊しても、昼間はパソコン作業は出来そうもない。そうなると、ただ暑いだけってことになっちゃうので・・・ドゴンダンスも早く見たいしってことで、もう、次へ行くことにしたんですよ。
宿を出て、道端でおばちゃんが売っていたサンドイッチを食べることにしたのだが・・・、一つでは足りそうもなかったので、二つ平らげ、パワー充電。
ニジェール川沿いにあるモプティの町、走っていると、食器洗いやら洗濯やら水浴びやらと、素敵な朝の風景が見える。
さて、モプティの町を出て、Sevareという町へ戻り、ここから、本格的にドゴンの村地帯へと突入・・・と、気合を入れたところで、Sevareの町外れの道端に、クーラーボックスを置いてたたずんでいるオネエサンの姿が目に入った。うむむ、あれは、冷たいジュースを売っているに違いない、と思って、そろそろ暑くなりだしたので、喉を潤しておこうと、オネエサンにクーラーボックスの中を見せてもらったら・・・なんと、めっちゃ美味そうなアイスが、ちゃんと凍った状態で、ぎっしり詰められているじゃないですか。
そうそう、これこれ、<ヨーグルトアイス>。ヨーグルトを凍らせているだけなんですけど、めっさ美味しい。最初に食べたのが、バマコで・・・Lafiaの近くの物売りオネエサンが、なぜか不定期に、しかも夕刻だけ売っていたんで、見つけたらいつも即買いしていたんです。
これは、買うしかないでしょ、ということで、一つ買って、チュウチュウと吸いながら走り始めたのですが・・・アイスを食べ終わったところで、「もう一個食べたいぞ」欲求が、むくむくと沸いてきてしまい、引き返すオイラ。うむむ、引き返すなんてメンドウな行為、めったにやらないんですが・・・このアイスの魅力には抗えなかった・・・
で、追加で買うのが一つだけだと、また引き返したくなるだろうから、と、今度は二個買ってしまうことに。適当に、二個、ヨーグルトアイスだと思って取ったのだが・・・買った後、よくよく見てみたら、なんか色が違う。ヨーグルトの種類が違うのかなぁなんて思って食べてみたら・・・白い方は、なんと、ココナッツ(タピオカ入り)だった。これが、ヨーグルトアイスの味を更に越えるほどの美味しさでして。
この暑さの中で、この味のアイスは・・・絶頂の幸福感を感じさせてくれるものです、ハイ。
そしてこの絶頂の幸福感の後に待ち構えていたのは、過酷な試練だった・・・
その試練とは・・・熱風と太陽。
これまでも、「暑い、暑い」と書いてきましたが、これまでは、どこからか、涼しい風が吹いていたんですよ。この風のおかげで、灼熱の太陽の中、暑いと、文句言いながらも、なんとかがんばれてきたんです。が、Sevareからバンディアガラに向かう道に入ったら、風が熱風へと変わってしまったじゃないですか。灼熱の太陽光線+熱風・・・このコンビネーションは、チャリ走りには厳しすぎる。
とにかく、すぐに、バテる。
木陰を発見する度に、休憩。
全然前に進めない。
人がいる村に辿り着いたら、すぐに店に入って、ジュース。そして、水。当然、電気なんてきてないから、冷蔵庫なんてなく、全然冷えてないのが残念。これが、冷えてたら、確実にさっきのアイス以上の絶頂の幸福感を味あわせてくれるんですけど・・・
で、飲み物を飲んだ後、疲れ果ててうなだれているだけのオイラに・・・「これに座るとだいぶ楽だぞ」と言って、おじさんが、椅子を出してきてくれた。ああ、このマリの人たちの優しさが・・・ホント心に染みます・・・
村の子供達も、ものめずらしさからか、集まってくるものの、疲れているオイラに必要以上に干渉してこない。「シノワ」攻撃もしてこないし・・・にこやかに、微笑んでくるだけ。
さて、この暑さなんで、とにかく水の消費量が半端なくなる、ってのは分かっていた。だから、いつも以上に水を補給して走っていたのに・・・まさか、途中で水がなくなってしまうとは。そんなまさかの事態が起こってしまったのだが・・・この道沿いには、結構な頻度で小さな村が点在している。そして、村には、村の飲料水が、水瓶に入れて置いてある(たぶん、井戸水)。ということで、村に立ち寄って、水瓶に入れてある、村の飲料水をいただくオイラ。一応、近くの木陰で昼寝中のおじさんに断って水をもらいましたんで・・・水泥棒ってワケじゃないですから、ハイ。
と、こんな感じで、これまでとは比較にならないほどの暑さ攻撃が始まってしまったドゴン・カントリーのチャリ走り。本日は、なんとか、目標地点としていた、バンディアガラに到着。とにかく、疲れ果てていたオイラ、なだれこむようにして、お目当ての宿に入り、チェックイン。最安値は、屋上テラスでテント泊だと3000CFAだ、と言われたんですが、屋上テラスへ行ってみたら、まだ日がある時間だったので、遮るものが何もない屋上は、まさに灼熱地獄。ドミ部屋が5000CFAだっていうんで、扇風機のあるドミ部屋にすることに・・・が、その扇風機が夜に壊れ、結局、夜はテラスでテントで寝ることになるのだが・・・
さて、庭で涼んでいたところ・・・宿は、ちょうど、従業員さんたちの、夕食タイムだった。「そこのジャポン、一緒に食え」とシェア飯に声をかけていただいたので、ここはお言葉に甘えて、一緒にいただくことに。で、食べながら、「ドゴンダンスを見たいんですけど」と相談してみたら・・・一緒に食べていた人たちの中で、一人のおじさんの目がキラリと光った。どうやら、ツアー会社のおじさんがいたようで・・・
「150,000CFA払えば、見れるよ」と、おじさん。
「えっと・・・3万円ですか!?た、高い」
「今は観光客いないからね。他に客がいないから、キミ一人のために、踊ることになる。これくらいの値段は当然だよ」
ちなみに、ドゴンダンスは、本来は、ドゴンの人たちの宗教的な行事を行う時に踊られるもの。村を訪れた時に、ちょうど行事のタイミングだったら見れるのだが、そのタイミングで村を訪れるというのも難しい。で、どうしても確実に見たい人は、あらかじめ、観光者向けとして踊ってもらうよう、お願いすることが可能なようなのだ。
「ええ・・・それはそうかもしれないですけど・・・でも、その値段じゃ無理です。見たいけど見れません」
「じゃぁ、いくらなら払えるんだ?」
「10,000CFA(2000円)なら・・・」
「ハッ(笑)、話にならん。しょうがないな・・・オレのコネで、特別に交渉してやると、100ユーロになる。100ユーロならどうだ」
もうちょっと下げてくれるよう交渉したのだが、これ以上は下がらなかった。う~ん、100ユーロかぁ・・・高い額ではあるのだが・・・ドゴンへはドゴンダンスを見に来たというのに、高いからって止めちゃうと、何のために来たのか分からない。正直、払えない額ではない。これは、思い切ってお願いしちゃうのが、正しいお金の使い方ってもんじゃないか、と。ここで、金をケチると、あとで、めっちゃ後悔することになるような気がしたので・・・
「じゃぁ、100ユーロでお願いします」
と、Tamakadi Company Tourというツアー会社のマボというおじさんにお願いして、明日、ドゴンの村に行って、ドゴンダンスを見せてもらうことに。
「ドゴンの村には、このオスマンってやつが連れて行ってくれるからな。あ、バイクで行くから、ガソリン代は別料金で払っといてな。それと、明日終わった後でいいからオスマンにチップを支払ってやってな。チップの値段?通常は・・・50ユーロくらいだけど、キミはお金がないみたいだから、まぁ、気持ちでいいから、とにかくよろしく」
う~ん、結局100ユーロじゃすまないんだよな・・・ま、これくらいのことは、想定済み。とにかく、ドゴンダンスを見ることが出来るようになったのが、なによりだ。
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