What's understanding of your trip?
5カ国ビザを受け取る待合所にて

2013.5.21 / BurkinaFaso(Ouagadougou) 本日 自転車0km走行 : Total 45077km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→オムレツサンド 昼飯→リグラ 夕飯→カツサンドみたいなやつ / 宿→Lauriers(Mission Catholique)(シングル6000CFA)

(English)
 I stayed in Ouagadougou.



 昨日申請しておいた、5カ国ビザ、今日の16時に出来上がるというので、取りにいったのだが・・・まだ出来上がっていないので、表でちょっと待っててちょうだいと、オバチャンに言われ、木の長椅子が置かれた表で、待つオイラ。

 と、そこへ、同じく昨日5カ国ビザを申請したらしい、欧米人が黒人のガイドと共にやってきた。「キミも、ビザ待ちかい?」と英語で話しかけられ、「ええ」と答えたところから、この欧米人との会話が始まりまして・・・

 彼も旅人、当然のように、旅の話に展開。で、オイラはいつものように、「自転車で世界を周ってて」とオイラの旅を説明。いつもなら、これだけで「おお、すごいね」と、ポジティブモードで話が転がっていくのだが、今日の彼との会話はちと違った。「なるほど。で、キミは旅で何を掴んだのかな?(What's understanding of your trip)」と、つっこんできたのだ。掴んだものなんて・・・多すぎて、とても、オイラのつたない英語では表現できない、と思ったのだが、とりあえず、「出会う人たちが優しくて暖かくて、世界は愛で包まれているなって思ったよ」と答えたんですよ。

 そしたら、「表面的にしかみてないんだな。飢餓で苦しんでいる人や、医療にかかることも出来ずに死んでいく人たちについて考えていないのか。そう、出会う旅人みんな、そうなんだ。日本人のキミだけじゃない。ヨーロピアンもアメリカンも、みんなそう。それが、オレを失望させるんだ」と、言い、彼は、その後のオイラとのコミュニケーションを断絶してしまった。

 もちろん、そういうことについても感じたことはあったさ、と反論しようと思ったのだが、彼はすでに、コミュニケーションを閉ざした状態で、オイラのことをもはや、眼中に入れていなかった。自分の意見と違ったら、聞く耳もたずかよ、と、ちょっとムッとして、オイラもだんまり。

 ムッとしながらも、なんかちょっとショックだった。その理由は・・・みんながみんな、オイラのチャリ旅を、チャリ旅だからスゲーなんて言ってくれるワケではないんだという事実に、直面してしまったからだった。

 今まで、出会う人は、チャリ旅だからということで、オイラのことを持ち上げてくれていた。そして、そんな状況に慣れてしまったオイラは、「チャリで旅しているんだ」っていう言葉が、まるで水戸黄門の印籠のように効くものだと思ってしまっていた。が、それは勘違いだったということに気付かされたのだ。

 別に、チャリで旅をしていることがスゴイんじゃない。チャリに乗りながら、何に出会い、何を感じて、そして、どんなリアクションを返してきたのか、ってことが、スゴイかどうかの判断材料になるのだ。本当はそこを聞きたがっていたんであろう彼には、完全に言葉足らずだった。コミュニケーションを断絶してしまった彼には、もはや、追加で説明はできないのだが、もし、コミュニケーションを開いてくれていたとしても、上手く説明できたかどうか・・・

 いや、たぶん、今のオイラには出来ない。

 そういう言葉を用意してこなかったからだ。

 「言葉はいつだって想いに足りない」なんて言葉で紛らわすことによって。

 「チャリ旅しているんだ」・・・それ以上を語ることをおろそかにしていた自分に気付かされた。日記にはいろいろ書いているつもりだが、対面会話でそこまで突っ込んで話すことはほとんどなかったから、会話の言葉にしてこなかったのだ。

 だって、「チャリ旅しているんだ」っていうだけでみんな驚いてくれたんだもん。

 でも、そうじゃない人だっている。

 それに、「チャリ旅している」ということで驚いてくれた人たちだって、本当は、それ以上の驚き話を聞きたがっていたに違いない。

 ちゃんと、会話言葉でオイラの旅の面白さや奥深さを語れるようにならなきゃ。

 そんなことを考えされられた、5カ国ビザ発行までの待ち時間。

 延々2時間、たっぷりと、考える時間を与えてくれました、ハイ。






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