(English)
I stayed in Tamale.
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ガーナの真ん中よりちょっと上にあるタマレという町でバスを降りたのは、ここで、ガーナ音楽が聴けるっぽかったから。ガーナの伝統音楽って、もともと、王家に捧げるためのものらしく、王国が点在していた北部ガーナが、伝統音楽の産地だったみたい。ということで、北部のそれなりに大きな町、タマレに滞在したら、音楽と遭遇しやすいだろうって思ったので、滞在してみることにしたんです。
さて、昨日はとりあえず1日だけと思って滞在した高い宿だったが、一晩泊まっちゃうと、もう、移動するのがメンドウになり・・・ここで延泊しちゃうことに。ああ、やっぱりこうなったか。こうなることは、なんとなく、昨日チェックインして「今晩だけ」って言った時点で、すでに、心の中では分かっていたんですよねぇ・・・「今晩だけじゃないだろ」って。
ということで、延泊ってことで、今日も泊まる手続きをした後、朝飯を食べるべく、外へ。そこいら辺の屋台でサンドイッチを食べることにしたのですが・・・パンは、モサモサの食パンタイプか、コッペパンタイプしかない。英語圏になったので、フランスパンがなくなっちゃったんです。ふむふむ、まぁ、とりあえず、食パンを食べてみるか、と、食パンタイプのパンにオムレツを挟んだものをオーダーしたところ・・・フライパンで焼いているオムレツの上に、パンを重ね、そのままギュッと押しつぶしてくれた。これが、タマレ流(ガーナ流?)オムレツサンドらしい。見た目のイメージは、パニーニみたな感じ。味は・・・ビネガーは入っているようなのだが、塩を入れないらしく、塩ッ気がないので、なんだか、だいぶ物足りない。
そして、町のあちこちで見かけるカフェスタンドには、どこでも<ミロ>がたくさん並んでいた。さすが、カカオの国。思ったほどチョコレートは見ないんだけど、ミロはビックリするくらい目につく。とりあえず、適当なカフェスタンドで、さっき買ったパンを持ち込んで、ミロを頼んでみた。すると、ミロと一緒に、ミルクと砂糖と空の容器が一つ出てきた。スプーンはなし。これは、ミルクと砂糖をお好みで入れた後、この空の容器に移し替えることで、混ぜる、というアフリカ式のかき混ぜ方で飲めということ。
さてさて、飯話ばっかり書いちゃってますが、タマレに来たのは、音楽目的。ということで、どこかで音楽が聴けるところはないかと、宿のお兄ちゃんに聞いたところ「ユッフンという場所で演奏が聴けるよ」と教えてくれた。教えてもらった場所に行くと・・・<Youth Home>という野外のカルチャーセンターみたいなところに辿り着いた。なるほど、ステージらしきものがあり、ここで、演奏の練習とかやるのかな、と思って、近くにいた人に「音楽演奏っていつやるんですか?」と聞いてみたところ・・・「次やるのは月曜日」との答え。どうやら、基本的に月曜日から金曜日まで、演奏練習が繰り広げられるようなのだが、今日は、なんかの理由でお休み。で、土日はやっていないから、次は月曜日になるとのこと。
う~ん、次の月曜日までは待てないなぁ・・・
見れなくて残念と、思いながら、ユッフンの建物の周辺をグルグル周っていたら、少年が二人、太鼓を持って現れた。演奏をはじめてくれたので、写真をパチリ。
さてさて、その後、<National Culture Center>という場所に行ってみることに。ロンプラによると、ここで、たまに、音楽演奏が行われているらしい。今日がその<たまに>の日だったらいいなぁ、と思いながら、行ってみたら・・・ラッキーなことに、まさに、その<たまに>の日だった。
とあるグループが、ちょうどこれから、演奏練習を始めるという場面に遭遇できまして。その練習風景を見せてもらうことに。
で、彼らが用意していた楽器が、ドゥンドゥン(大太鼓)、トーキングドラム、ジャンベ、ジャンベに似た深胴タイプの打楽器、カウベルと、今まで見たことあるような楽器ばかりだった。うむむ、ガーナもやっぱりこれまでと同じような音楽なのかぁ、わざわざ来たんだから、違う音楽が聞きたかったんだけどなぁ・・・なんて思って、演奏が始まるのを待っていたところ・・・
唐突に叩かれ始めた太鼓の音が、そんな想いを吹っ飛ばしてくれた。
基本的にトーキングドラムとドゥンドゥンがメインとなってリズムを奏でるのが、このグループのドラムスタイル。一応、ジャンベ奏者もいて、ジャンベを叩いてはいるのだが、この二つの楽器の音量があまりにもデカイため、ジャンベの音はかき消されて脇役以下の存在になっている。そして、トーキングドラムとドゥンドゥンが奏でるシンプルながらも力強いビートは、これまで聴いてきたジャンベ音楽やサバール音楽とはちと違っていた。
なんとなくキューバのルンバに近いような・・・
リズムキープのために鳴り響くカウベルが、キューバ音楽のソンの基本パターンとまるっきり同じだったのだ。もともと、この辺の人たちがキューバに連れて行かれたという歴史的背景があるからなのか、はたまた、ゲバラがアフリカに来た時に持ち込んだキューバ音楽の影響でこのリズムが生まれたのか・・・どちらが正解かは分からないが、とにかく、明らかにキューバ音楽となんらかのつながりが感じられる音楽であった。
ダンスは・・・セネガルの荒々しい踊り方とは違い、動きが滑らかで、どちらかというと洗練されている感じの踊り。5歳くらいの小さな女の子も踊りの輪の中に入って、踊っている姿が、妙にほほえましい。
いやぁ、やっぱりガーナに来てよかったよ。っていうか、来なかったらきっと後で後悔していたに違いない。ガーナ音楽は、これまでの西アフリカ音楽とはまた違ったオリジナルなジャンル。ガーナ音楽を知らずして、西アフリカ音楽を語るなんて・・・ガーナ音楽を知ってしまった今は、ちょっとおこがましく感じる。
とにかく、素敵な太鼓音楽を演奏&ダンスだった。最後に、トーキングドラムだけが鳴り響き、後の皆さんは輪になって踊るというシチュエーションになったのだが・・・この時に二人のトーキングドラマーでアンサンブル演奏されたビートが、めっちゃかっこよくって。これを聴いて、おもわず、「トーキングドラムを習いたい」って思っちゃった、オイラ。
トーキングドラム自体は、セネガルからあったんですよ。演奏でよく使われていたから、目にすることが多かったし。でも、なんか、トーキングドラムを自分で叩けるようになりたい、とは思わなかったんですよね、今までは。そんなオイラが、「習いたい」って思っちゃったほど、かっこよかったガーナのトーキングドラム。
う~ん、ガーナでは、トーキングドラムの修行っすかねぇ・・・
いや、そんな時間は・・・
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