Unlucky Year?
う~ん・・・そういえば今年は大厄

2013.7.1 / Togo→Benin(Lome~Grand Popo) 本日 自転車86km走行 : Total 45477km走行
天気:曇時々雨時々晴 パンク:2 スポーク折れ:1
朝飯→オムレツサンド 昼飯→ぶっかけ飯 夕飯→サンドイッチ / 宿→Doue Plage(シングル5000セーファ)

(English)
 I entered to Benin.



 今日の朝食は、宿併設の食堂でフランスパンのオムレツサンド。いやぁ、西アフリカの旧フランス統治国にあるフランスパンは、マジ美味い。本場フランスのバゲットより美味いのではないか、と思っているのはオイラだけでしょうか?そうそう、西アフリカでは、そんなフランスパンを食べ続けた結果、フランスパンの秘密を掴んでしまったのですよ。

 いや、大したことではないんですけど・・・フランスパンって挟むものの味を損なわないってのが、ポイントなんだと気づきまして。食パンって、食パンの味が主張するじゃないですか。なので、ハムなりチーズなり、卵なり、豆ペーストなりを挟んで食べると、パンの味の主張が、ハムやチーズや豆の味を若干なりとも損ねちゃうんですよ。その点、フランスパンは違う。パンの味としての主張は消し、食感のみ口に残るようになる。なので、ハムはハムの味が楽しめるし、チーズはチーズの味が楽しめるし、卵は卵の味が楽しめるし、豆ペーストは豆の味がちゃんと楽しめるんです。

 逆に言うと、フランスパンは食べても、食べた感じがしなかったから、以前は好きじゃなかったんですよ。食パンの方が<食べた感>があるもんだから、食べ盛りだったオイラとしては、とにかく<食った>という実感の持てるモッサリパンばかり、好んで食べていた。

 けどねぇ、これを大人になったっていうんですかねぇ・・・最近はすっかり、フランスパン派になってしまったのですよ。チャリに乗ってて腹は減るから、大食漢なところは変わっていないはずなんですけど。

 さて、腹も満たし、出発しようとしたところで・・・後輪がパンクしていた。さらによくよく見てみると、後輪のスポークが2本も折れている。なんてこった・・・後輪に負担がかかりすぎているんだな。う~む、やっぱりバラフォンが重いのかぁ。

 そうそう、そういえば、昨日宿にチェックインした後、パソコンを使おうとしてコンセントにアダプターを差してみたんですけど・・・やっぱり、パリメの停電の時に過電圧かなんかで、いかれちゃったようで、パソコンにまったく電気を供給してくれない状態に。

 トラブル続きですわ。

 とりあえず、後輪を直し、出発。さて、ちょうどトーゴの首都ロメを走っているってのもあって、道脇には店がいろいろ並んでいる。その中に、パソコンショップを発見。中へ入って、「これと同じアダプタありますか?」と聞いてみたら、なんと、型は若干違うのだが、HP純正のアダプターの在庫を持ち出してきてくれた。う~ん、こういう時、グローバル展開しているメーカーのパソコンのありがたみを実感できる。もってきてくれたアダプターで、無事パソコン復活。

 その後のトーゴ道は何事もなく走り続け、トーゴとベナンの国境に到着。ゴミゴミした国境で、なんとなく嫌な予感がしたのですが、トーゴの出国手続きはスムーズに終了。まぁ、ここも、特別なことは起こらないか、と思いながら、国境をまたぎ、ベナン領域に足を踏み入れたところで、国境線上に立っていたベナンの入管係官と思われる男が声をかけてきた。

 「パスポートを見せろ」

 ベナンの入国ビザはブルキナで取得した5カ国ビザがあるワケですし、トーゴはそれで何事もなく入国・出国ができたんで、ここベナンも問題ないはず。やましいことは何もないし、ということで、おとなしくパスポートを渡したところ、パスポートを受け取った男が、ペラペラとページをめくった後、とあるページで目がキラリと光った。

 「イミグレには、この男に連れて行ってもらえ」

 と、案内人の男の人を紹介され、その人についていく。ふむむ、ベナンの入管は親切なんだな、なんて思いながら案内された部屋に入ると、そこには二人の係員らしき男が座っていた。

 「ベナンの入国手続きをしたいんですけど」

 と言って、パスポートを渡すと・・・

 「プロブレムだ」と。

 え?なぜですか?と聞くと、ブルキナで取得した5カ国ビザはシングルビザで、取得した後5カ国ビザ圏外であるガーナに入国しているではないか、と。一回圏外に出たのだから、このビザは無効であって、入国は認められない、と言うのだ。

 いやいや、ブルキナビザは別で取ってあるので、この5カ国ビザはトーゴに入国した時点から有効になるはず。従って、圏外に出たことにはならないのだから、ベナンも有効のはずだ、と言い張ったのだが、いや、この5カ国ビザは取得した時から有効になるから、そういうことではないと、係員。

 入国したければ、ペナルティ代と新たなビザ代として、60,000CFA(1万2千円)払えと法外な要求。

 あ~、これがメンドクサイ賄賂要求ってやつなのか。

 賄賂天国と言われた西アフリカ、これまで不思議と賄賂を要求されることはなく、通過できてきたんで、なんだ、賄賂って噂だけなのかな、なんて思っていたところだったのだが・・・やっぱり、実際にあるってこった。

 理不尽とは思うものの、一応彼らの言い分も、理屈があるっちゃぁある。5カ国ビザとはそういうものだ、と言われてしまえば、ガーナを挟んで入国してしまったオイラの落ち度と言えなくもない。しかし、おそらく、これは、ただの屁理屈なんだろう。そして、多分、ベナンの国境に立っていた係員は、オイラのようなビザの取り方をしている旅人をチェックして、この部屋に送り込む役割を担っていたのだろう。オイラはそのトラップにまんまと引っかかってしまったってワケだ。

 パスポートは向こうの手に渡ってしまったため、こちらとしてはどうしようもない。取り返そうとすると、ものすごい形相で、「ん?逆らうのか?」とにらんでくる。

 こちらとしては、払う気ないので、にらめっこしたままの膠着状態が、30分ほど経っていった。

 が、30分も経ったところで、オイラは外に置きっぱなしにしてきた荷物装着したまんまで鍵もしていないファニーバニーが気になってきた。手続きはあっという間に終わるだろうと思って、そのまま置いてきたのは間違いだった。こんなに長期戦になるとは・・・いくら物取りが少ない西アフリカとはいえ、人が行き来するイミグレに、無防備に放置では、何をされているか分からない。

 しかし、金を払うまではこの部屋からも出さねぇぞな二人の係官。これはしょうがない。悔しいがオイラが折れるしかないか・・・ということで、金の交渉開始。しょうがない払うのは払うが、60,000CFAはありえない。そもそもペナルティってまだ入国前なのだから、ペナンに対してペナルティを払う義務はない。もし払うとしたらトーゴにだろ?という、屁理屈には屁理屈返しということで、交渉し、35,000CFA払いということで話が落着く。まぁ、35,000CFAでも、ありえない出費ではあるのだが・・・もたもたして、チャリごと盗られるなんてことがあったらそれこそ取り返しがつかないということで、泣く泣く支払い。

 お金を受け取ったら、じゃぁ、外の受付で手続きしろ、とパスポートが返された。なんだよ、やっぱりここは、単に賄賂要求をするための監禁部屋だったんじゃないか。案の上、外の受付での入国手続きでは、新ビザなんてもらうことなく、5カ国ビザのナンバーで入国手続きが行われていた。なんだよ~、払った35,000CFAは新ビザのための代金じゃなかったのかよ!

 いやぁ、しかし、便利と思った5カ国ビザにこんな落とし穴があったとは。ブルキナで5カ国ビザをとって、間にガーナを挟んでベナンに向かおうと考えている旅人の方、ご注意くださいね。もしオイラと同じビザ状態で、この国境を無事通過したいなら、国境線は急いで超えて、変な輩に捕まることなく、直接イミグレ窓口に向かうのがポイントです。途中で捕まってパスポートチェックされちゃうと、ほぼ確実にあの監禁部屋に送り込まれますから。

 いやぁ、ホント、どうしたっていうくらいトラブルが続くのはナゼ?

 そういえば、ブルキナで本間さんと話した時「え?ヨシさんってそんな歳なんですか?今年大厄じゃないですか。厄払いしておいたほうがいいですよ」なんて話になったんですけど・・・う~む、本気で厄払いしておいたほうがいいのかもしれない、って気がしてきたよ、こんなトラブル続きの状況に陥っちゃったら・・・

 あ~、それにしても、ベナンの第一印象は最悪だよ。たぶん、住んでいる人は他の西アフリカ同様、いい人たちばかりだとは思うんだけど・・・こういうことが起こると、国自体の印象が悪くなりますな。そういえば、西アフリカは旅人の間でそんなに評判はよくない。なんでこんな素敵な西アフリカのことをよく言わない旅人たちばかりなんだろうって思っていたんだけど・・・こういうことがあると、ビミョウな印象を持ってしまうのも、いたしかたない。


























































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