mmm...Benin...
やっぱりベナンは・・・

2013.7.3 / Benin(Cotonou) 本日 自転車0km走行 : Total 45771km走行
天気:曇時々晴 ネット:1
朝飯→ローカル飯 昼飯→カツ丼 夕飯→ハンバーガー / 宿→Hotel le Crillon(シングル5500セーファ)

(English)
 I stayed in Cotonou.



 昨日の日記ではベナンと言えばブードゥー教と書きましたが、実は、オイラの中でベナンと聞いてブードゥー教より先に思い出すものがある。それは・・・ゾマホンさん。以前日本のテレビ番組<ここがヘンだよ日本人>に出ていた、アフリカ人のゾマホンさんは、ベナン出身。当時、テレビっ子だったオイラは、当然この番組も見ていたワケでして。強烈な個性を放つゾマホンさんは、めっちゃ印象に残っていたんですよ。

 そんなゾマホンさんが、ビートたけしさんに弟子入り(?)し、たけしさんが、ゾマホンさんの祖国ベナンのために、学校を建てる資金を提供したと言う話を聞いてまして。その<たけし日本語学校>が、ここコトヌーにあるということなので、行ってみることにしたのですよ。

 自転車でも行けそうな距離だったのだが、詳細な場所がよく分からなかったので、バイクタクシーで連れて行ってもらうことに。バイクタクシーだとあっという間に到着した<たけし日本語学校>。

 入り口付近に居た現地の男の人に声をかけたら、日本語で「チョットマッテ」と言われた。で、男の人が呼んできてくれたのが、ここで、ボランティアの日本語教師をしているという、イワカワさんだった。そんなイワカワさんに学校を案内してもらうことに。

 ちなみに、イワカワのココでの働きは完全ボランティアとのこと。給料は出ないんだって。宿や飯など生活に必要なものは提供されるから、暮らしてはいけるけど、ってな感じ。日本からココまでの飛行機も自腹で払ってきたらしい。

 そんな条件なのになぜ?と最初は思ったケド、イワカワさんが「でも来てホントよかったですよ」と明るく話してくれた話を聞いて、なるほど、それは<旅>と同じなんだな、って思わされた。お金が入ってくることではないかもしれないけど、その体験が自分にとって、とても重要なものになる、だからやっている、という類のものなのだ、たぶん。

 なるほどなぁ、いわゆる移動する<旅>以外にも、こういう形で、<旅>に似た体験をする方法があるのかぁ、と考えさせられた。いやぁ、ホント、この世界には、いろんなカタチの<生き方>ってやつがあるんすな。

 「西アフリカ、来る前に抱いていたイメージと全然違ってましたよ。すごくいい場所ですよね。このよさを多くの日本人に知ってもらいたいな、って思ってます」とイワカワさん。

 分かる、分かりますよ、僕も同じ思いです、ということで、西アフリカのよさを知ってもらう会を勝手に二人で発足。

 さてさて、今日は授業がない日とのことなので、授業の様子などを拝見することが出来なかったのは、残念だったのだが、代わりにイワカワさんから、じっくりといろんな話を聞けて、面白かった。今や、駐日ベナン共和国大使館全権大使、というお偉いお方になっちゃった、ゾマホンさんの裏話とか聞かせてもらったりして。

 それにしても、こういう施設が建てられ、実際に機能していて、一部ではあるけれども、確実にアフリカの人たちの生き方を変えているということは、ホント、素晴らしいことだと思う。

 一方で・・・こういう支援の難しさの一面も垣間見れた。学校設立に当たって、たけしさんの他に、所ジョージさんも、協力していて、所さんが、日本で使っていた車をスクールバスとして、寄贈したとのことで、立派な車が車庫に置かれていた。が、この車、実際には、スクールバスとして使われていないとのこと。というのも、所さんて、アメ車好きで有名じゃないですか。で、贈られてきた車も、アメ車だったらしいのですよ。で、このアメ車が燃費が悪いらしく・・・使うとなるとガソリン代が馬鹿にならないらしい。しかも、故障すると直すのがまた大変らしくて。なので、一回もスクールバスとして使われないまま、車庫に置かれっぱなしらしい。

 せっかくの好意で贈ってもらったものなのに、残念なんです、とイワカワさん。う~ん、ここに、援助の難しさが見えると思うんです。アフリカの現実を知っていたら、アメ車を贈るなんてことにはならなかったと思うんです。いや、所さんも好意でしたこと。その想いは凄く素敵なコトだと思うんですけど・・・相手の事情をよく知らないのに、贈るものは、必ずしも相手に喜ばれるとは限らないってこと。

 以前、日記で書いた、援助と愛の関係についての話なんですわ。援助がちゃんと援助として成り立つのは、相手に対して愛がある場合に限る。愛があれば、まず、相手が喜んでくれるものはなんだろうって、真剣に相手のことを考えじゃないですか、相手のことを知るところからはじめるじゃないですか。それがないといい関係にはなれないはず。ノブレスオブリージュじゃ、なかなかうまくいかないんですよ。ノブレスオブリージュでは、自分の一方的な想いを相手に与えることになる危険性を秘めている。その結果、空回りしてしまう可能性が大きくなるってことなんです。

 いや、ホント、所さんの好意は素晴らしいものだと思うんです。今のオイラには出来ないことだし。そこをどうのって言っているんではないんです。そうではなく、せっかく援助する気持ちが芽生えたのなら、その好意を、もうちょっと高めて、愛情にしてから、援助をした方がいい、って話なんです。

 そんなことを考えさせられた、たけし日本語学校であった。

 さてさて、ここコトヌーには<だるま>という日本料理屋があるというので、たけし日本語学校を出た後、だるまへ行って久々に日本食を食べてみることに。で、到着しただるまには、ちょうど、とある会社のコトヌー支部に赴任してきたと思われる、日本人のサラリーマンらしき人たちがテーブルに座って食事をしていた。カツ丼を食べながら、なんとなくもれ聞こえてきた話は、社内の内輪話だった。会社生活から離れちゃって長いオイラには、会社の話ってだけで、もはや、なんだか遠い話。

 旅をしている今、出会う日本人の多くは旅人なワケで。その人たちとは旅話で盛り上がることが出来る。また、旅人であるオイラを迎え入れてくれる現地の人は、オイラの旅話を聴きたがってくれるので、これまた旅話をしていればいいという状況が続いている。

 なので、旅話さえしていれば、いろんな人とコミュニケーションができるんだ、と思っちゃっているのだが・・・でも、これは、実は錯覚。今のオイラが旅人という特別な状況にいるから通じているだけなのだ。旅が終わって、一つの場所で生活するということになれば、この人たちのように、このコミュニティーでの内輪話をする中に入っていかねばならないことになるのだろう。

 なんてことを考えながら、いつになるか分からない社会復帰に、若干不安を覚えつつ、久々のカツ丼をほおばるオイラであった。

 さて、お腹を満たして宿へ戻ったら・・・部屋の扉のところになぜか水が溜まっていた。「?」と思いながら、ドアを開けたら・・・ありえないことに、部屋から水が廊下へと溢れ出してくるじゃないですか。そんな部屋の中は水浸し・・・床に置いていた荷物が、水にプカプカ浮かんでいる。

 「何事・・・?」

 と、呆然として立ち尽くしていたら、宿の掃除のお兄ちゃんがやってきた。「やっぱり、この部屋は・・・」

 どうやら、隣の部屋のシャワーが壊れ、水が流れっぱなしになっちゃったらしい。で、若干傾いて建っているこの宿、その流れっぱなしになった水が、傾きの下の方にあるオイラの部屋に全部流れ込んでしまった、というワケらしい。

 ま、ここはアフリカですから。

 そういうことが起こるのもしょうがない。

 別にこういうことが起こったことに対して、怒ったりはしません、オイラ。

 が、こういう状況になったにも関わらず、謝りもせず、部屋を取り替えてもくれない、宿の従業員の態度に、怒りが爆発。

 ありえないよ。この状態の部屋にこのまま泊まれってか?

 なんだよ、ベナン。せっかく、イワカワさんと西アフリカのよさを知ってもらう会を発足したのに・・・やっぱり、どうもオイラは、ベナンとは相性がよくないみたい。イワカワさん、ベナンだけはビミョウっす・・・う~ん、日本語を教える前に、教えるべきことがあるような気がします、この国の人たちには。










































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