Enter to Nigeria
そしてナイジェリア

2013.7.4 / Benin→Nigeria(Cotonou~Lagos) 本日 自転車31km走行 : Total 45802km走行
天気:曇時々晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→ローカル飯 昼飯→パーティ飯 夕飯→パン / 宿→ケニー宅

(English)
 I entered to Nigeria.



 今日はもう、ビミョウなベナンを脱出して、次の国ナイジェリアへ向かうことに。出発の準備をしながら「もう、サドルがボロボロじゃん」と独り言。二年以上前、南アのダーバンで取り替えたサドルが、ボロボロの状態になってまして。もう、取り替えないとお尻に変な負担がかかる状況なのですが・・・実は、西アフリカでのチャリ走りは、たぶん今日が最終日。残すはナイジェリアだけだし、ナイジェリアに入ってしまえば、ほとんどチャリで走るつもりはない。ということで、今日ナイジェリアの国境まで走ってしまえば、もうヨーロッパに入るまでチャリには乗らないはず。だったら、ヨーロッパに入ってから買い換えた方がいいなと思い、今日はこの状態で走り始めた。

 さて、しばらく道を走っていたら、目の前に料金所が見えてきた。西アフリカ道、道路を走っていたら、ところどころに料金所が設置されているんですよ。で、これまでは、料金所といえども、自転車はそのままスルーさせてくれたので、今回もそのまま通してくれるかな、と思い、つっこもうと思ったら・・・道脇に立っていたポリスが、手招きしてオイラを呼んでいる姿が見えた。

 嫌な予感がしたのだが、そのまま無視するワケにもいかず、ポリスの元へ。「ここは自転車じゃ通れないぞ」と言ってきたので「なるほど、じゃぁ、引き返します」と返したら・・・

 「ああ。でもその前に、罰金支払っていけ」ときた。

 罰金って、まだ進入禁止ゾーンに入ったわけじゃないじゃん。なんの罰金なのよ?ただの賄賂欲求なんでしょ。旅人からお金をむしって私服を肥やしているだけなんでしょ、と問い詰めるも、ポリスの権力を振りかざして、払うまでは逃さないという態度。あ~、ホント、ベナンのポリスは腐っているな。結局、払え、払わないのにらめっこを1時間もやっていることが、馬鹿馬鹿しくなってきちゃって、投げ捨てるように金を払って、その場から逃れた。

 だめだ、ベナンだけは、どうしても好きになれないよ、イワカワさん。

 さてさて、その後は、なんとか順調に走りぬけ、ベナンーナイジェリアの国境に到着。実は、この国境越えが一番の問題。ここを通った旅人の多くがめんどくさいことに巻き込まれている悪評高い国境なのだ。

 すでに、ベナンでめんどくささに何度も遭遇して、辟易しているオイラ。もうどうにでもなれ、と逆に開き直りながら、まずはベナン出国手続き・・・が、あっけないほど簡単にスタンプが押され、終了。あれ?賄賂とか要求しないの?・・・かまえていただけに、ちょっと拍子抜け。そして、その後のナイジェリアの入国手続きも、スムーズな流れで終わってしまった。入国スタンプが押されたパスポートを返される時に「なんか、くれない?」と言ってきたのだが、それはあくまでジョークっぽく。「旅人なんで何ももってないんですよ」と返したら、「しょうがないわね」と笑って送り出してくれた。

 難関だと思っていた出入国を無事終え、ついにナイジェリアに入国。いやぁ、開き直ったのがよかったのかな?

 それにしても、とうとうナイジェリアまで来ちゃったよ。当初は、ブルキナファソまでのつもりだったのに・・・<行きたくなったら行かないと気がすまない病>が発病してしまい、結局、前から気になっていたナイジェリアまでは行くことになった今回の西アフリカ再訪。

 前から気になっていたんなら、はじめからナイジェリアまで来る予定で動いていたらよかったじゃないか、とおっしゃる方も多いと思いますが・・・いやぁ、正直、ナイジェリアに対しては、ビビッていたんですよ。噂話を聞く分にはいい話を聞かなくて。誰もが、「ナイジェリアは他の西アフリカとは違うから気をつけな」と言ってくるし。

 そんなナイジェリアに来る気になったのは、ブルキナでナイジェリア人ザックと知り合ったから。彼と話して、ナイジェリアの印象がちょっと変わったし、なによりも、ザックがオイラがナイジェリアに行くのを後押ししてくれたってのがありまして。

 そんなザックから、ナイジェリアに入ったら、ラゴスに友達がいるから、まずは、彼を頼るといい、とラゴス在住のケニーさんを紹介されてまして。まずは、そのケニーさんの所に行くことに。で、さらに、ザックから「国境からラゴスに向かうのはタクシーに乗った方がいい」というアドバイスももらってまして。ナイジェリアはドライバーのマナーが悪いって聞いてたし、なによりも、国境からラゴスまでの道には、税関のポリスがズラリと並んでいるから、そこを通過するのは、慣れているタクシー運転手にまかせたほうがいいと言われてたんです。

 ここは、現地の人のアドバイスに素直に従っておくべし、と、国境からタクシーでラゴスへ向かうことに。

 乗り込んで走り始めたタクシーの窓からは確かに、税関のポリスがズラリと並んでいる様子が見えた。しかも、そのポリスによる検問は一箇所ではない。こんなの一回検問すりゃ十分だろと思うのだが、一箇所通過した先に、また同じような検問所があり・・・結局5箇所くらいの検問を通過することとなった。確かに、こりゃ、めんどくさそうだわ・・・そんな検問をスルリと抜けていくタクシーに乗りながら、タクシーにして正解だったと思うオイラ。

 さて、途中でタクシーの運転手さんに携帯電話を借りて、ケニーさんに電話連絡。無事国境を通過してあと20分くらいでラゴスに到着するとの旨を伝えたら、「じゃ、そのままウチに来て」と言うので、タクシー運転手に家の場所を伝え、ケニーさん宅へ向かうことに。

 で、到着したケニーさん宅では、なにやら正装姿のケニーさんが待っていた。「どうも、はじめまして、ザックの知り合いのヨシです」と自己紹介するやいなや、「OK、ヨシ。じゃ、これに着替えて」と、服を渡された。

 実は、これからケニーさんの知り合いの結婚式が行われるということで、オイラも参戦することになっていたのですよ。ナイジェリアに入る前、ザックにナイジェリアで何がしたい?と聞かれた時「ヨルバ族に興味があるんで、ヨルバのカルチャーを知りたい」って伝えておいたんです。そしたら、「ちょうど、今週、紹介した友人が結婚式に行くんだって。彼はヨルバ族。ヨルバカルチャーを知るビッグチャンスだから、ヨシも連れて行ってもらうといい」と言ってくれ、到着早々、結婚式に参戦する流れになっていたんです。

 で、連れていってもらった結婚式会場。いやはや、皆さん派手な正装に身を包んでいらっしゃいまして。確かにこれじゃ、オイラのいつもの格好だったら浮きまくっていたな。とりあえず、ケニーの貸してくれた衣装のおかげで、会場になじむことができたぞ・・・って思っているのは、本人だけで、周囲の人たちは、「怪しいアジア人が一人入り込んでいるぞ」なんて思っているに違いない。

 なんてグルグル考えていたのは、オイラの頭の中だけであって、実際はホント、自然に溶け込めちゃったんですよ。なんたって、ここはオープンな西アフリカ。異邦人なオイラなのに、当たり前のように、テーブルに座らせていただけて、皆さんと同じように、料理を振舞っていただいて、まるで、新郎か新婦のご家族と知り合いのような扱いをしていただきまして。

 実際には、全然知らない人たちなのにね。でもまぁ、そんな扱いをしていただけているんだから、ちゃんと挨拶はしとかなきゃ、と、新婦のお父さんを紹介してもらった時、ビックリさせられた。なんと、そのお父さんであるバルーンさんが、流暢な日本語で、話しかけてきたのだ。バルーンさん、日本に3年くらい居酒屋で働きながら、暮らしていたとのことで。しかも、働いていたのが、横浜周辺っていうもんだから・・・ナイジェリアで、結婚式の最中に、ナイジェリア人と日本語で地元話題で大盛り上がりするとは、思ってもみなかったよ。

 さて、結婚式は・・・ザッツ・アフリカンスタイルで、歌アリ踊りアリと、まさにオイラが体感したいものズバリのものだった。歌の伴奏に使われていた太鼓は、オイラがブラジルで修行したチンバウそっくり。そうそう、実は、ブラジルにしろ、キューバにしろ、中南米の黒人音楽は、このヨルバ族の人たちがルーツになっているらしいんです。奴隷として大量に中南米に連れて行かれたヨルバの人たちが、あちらで作り上げたのが、キューバ音楽だったり、ブラジル音楽だったりしたワケで。ナイジェリアにどうしても来たかったのは、そんなヨルバの音楽をこの目、この耳で体感したいから。

 その目的が到着そうそう叶えられてしまうとは・・・ザック、そしてケニーに感謝感謝ですわ。それにしても、ナイジェリア人も陽気でフレンドリーだなぁ。いやぁ、ナイジェリア、すげぇ楽しいじゃん。いい意味で抱いていたイメージとは正反対だよ。ま、まだ結婚式というハレの舞台した体験してないワケだからこれだけで判断するのもなんだけど・・・でも、なんだか、ナイジェリアは、楽しくなりそうな予感がするよ、うん。








































最新日記に戻る