(English)
I run on Norway road.
|
|
この日記を書いているのは、ほぼ二ヵ月後の10月末。これまでは間をあけつつも、それなりに下書きをしてきたから、久しぶりの日記執筆も、楽々思い出すことができたのだが・・・ここから先は、ちょこちょこメモくらいしか取っていない。撮り貯めた写真だけが頼りだ。さて、うまく思い出すことができるかどうか・・・
* * *
結局、3週間お世話になっちゃった宿をようやく出発。お世話になった皆さんへのあいさつは・・・昨日のうちにすませておいたので、今日は一人静かに旅立ち。というのも、ここ、皆さん朝遅いんですよ。10時くらいにならないと、人が現れないんです、ハイ。
う～ん、それにしても、いい天気だ。再始動には絶好の空模様。
走り始めてまず向かったのは・・・バス停。とりあえず、リムが割れた地点まで、バスで戻ろうかと。本格的なチャリ走りの再始動は、リムが割れた地点からってことで。
バスから降りて、荷物を装着し、走り始める。前回見た風景が目の前に広がる。3週間経って、ちょっと肌寒さが増してきたかも。北欧の夏は短い。ぼやぼやしていると、あっという間に冬に追いつかれちゃうのだ。
前回は、ちと曇り空だったのだが、今日はいい天気。前回、絶景なのに、ちと残念と思っていた風景が、キラキラと輝いて見える。うむむ、この風景をこの状態で見れただけでも、再始動した甲斐があったかも。絶景続きの17号線の中でも、このリム割れポイント周辺は、特に素晴らしい景色が続くゾーンだったのだ。
さて、今回は順調に走り続け、フェリー乗り場に到着。実は、この先に北極圏に突入する北緯66度33分線がある。せっかくだから、チャリをこぎながら、このラインを越えたかったのだが、残念ながら、17号線では、ラインを跨ぐ道がない。フェリーに乗ってのライン越えになってしまうのだ。ちなみに、Mo i Ranaの町から内陸に続くE6号線を走っていたら、チャリをこぎながらの北極圏ライン越えが可能だった。絶景と、ライン越え・・・両天秤にかけた結果、絶景道を選んだオイラだったのであった。
フェリーの甲板から、周囲に広がる風景を眺める。う～ん、ここの景色は、フェリーからでも素晴らしい。青空の日を再始動の日にして正解だったよ、と改めて思わされる。
さて、GPSを眺めながら、北極圏ライン越えの瞬間を待つオイラ。そして、ちょうどGPSが、北緯66度33分を越えたタイミングで、フェリーでも艦内放送で「ただ今、北極圏に入りました」とのアナウンスが流れた。
いやぁ、自分が北極圏に突入するような人間になるとは・・・旅に出るまでは、思ってもみなかったよ。それにしても、越えちゃうと、意外とあっけないというか、なんというか・・・赤道の時もそうなんだけど、こういう形而上学的な＜ライン＞ってのは、超えることはなんてことはない。だって、物理的なインパクトは何もないからね。要は、頭の中の問題。そのラインのことをどれだけ想像できるかってこと、このラインを超えることにどれだけ自分の中に意義を作り出せるかってことが、この＜ライン越え＞のリアリティとなる。
さぁ、いよいよ北極圏突入だぜ！
フェリーから降りて、走り始める。まぁ、北極圏に突入したからといって、いきなり風景が変わるわけではない。今までどおりの素晴らしいフィヨルド風景が続く道をしばらく走って、またフェリー。
この辺の入り組んだフィヨルド地形は、なかなか道をつなぐのが大変らしく、渡し舟であるフェリーが大活躍なのだ。フェリーにチャリを乗せるのは楽だし、フェリー移動は旅情があって、いい感じなんですケド・・・フェリー代が結構バカにならない。北に行けば行くほど、フェリー代も高くなってきたし・・・
さて、フィヨルド道は、相変わらず、素晴らしいのだが・・・途中、3kmほど続く長いトンネルをくぐらなくてはならなかったりして、若干テンションも落ち気味に。
この先に、回り道となるのだが、氷河が見れる道がある、という話をステファンたちから聞いていた。なので、当初はその回り道を走っていこうと思っていたのだが・・・その回り道には先ほどのトンネルより更に長いトンネルがあるっていうんで、ま、氷河は、Mo i Ranaでチェルおじさんに連れて行ってもらって見てきたから、もういいかって気になりまして。そのまま、まっすぐ北上する道を選んだオイラ。
結構な上り道を登りきったところで、日も暮れてきて、ちょうどよさげな休憩所があったので、今日はここにテントを張って野宿することに。う～ん、空には雲が出てきたぞ・・・ノルウェーでは明日に期待しちゃいけないってのが鉄則。こりゃ、明日は多分、雨だな。
|
|
|
