Greatest day
素晴らしすぎるぜ、ロフォーテン(素晴らしさナンバーワンの一日)

2013.9.13 / Norway(Moskenes~Leknes付近) 本日 自転車81km走行 : Total 48113km走行
天気:雨のち晴
朝飯→ご飯 昼飯→弁当 夕飯→パスタ / 宿→野宿

(English)
 I run on Lofoten Islands road.



 朝、ネットにつないで、メールチェックしてみたら、実家から緊急メールが届いていた。何事?と思って開いてみると、シティバンクから、海外ATM利用の件で確認したいことがある、という電話連絡を受けたとのこと。どうやら、スキミングされてしまった疑いがあるとのこと。

 慌てて、スカイプでシティバンクのコールセンターに電話。で、確認してみたところ・・・ロシアのサンクトペテルブルグから、引き落としが何度もあったという。サンクトペテルブルグはまだ行ってないし、それに、引き落としがあっという日にはシティバンクのカードを使っていない。

 「カード情報が漏れて、悪用されてます」

 との判断となりまして。あぁ、なんてこった・・・しかも、なんで発覚が3週間停滞していた後なのだ?3週間の停滞中に発覚したのなら、落着いていろいろ対応できたのに・・・カード再発行とかいろいろメンドウなんでしょ?

 と、いろんな思いが頭を巡る。が、幸いなことに、クレジットカードではなく、キャッシュカードであるため、とりあえずの対処として、暗証番号を変更すればいいとのこと。新しい暗証番号を知らない人は使えなくなるので、カード番号だけ知っていても引きおろせなくなるのだ。

 しかも、暗証番号変更は、電話で出来るとのこと。ふ~、よかった、ということで、暗証番号を変更し、とりあえず、カードはまた普通に使えるようになった(その後も、何度か執拗に、ロシアからの引き落としの試みは続いたらしい。が、もちろん、暗証番号変更後は、暗証番号が異なるということで、犯人へは、お金は引き落とされなかったとのこと)。

 一安心できたのだが・・・スキミングによって引き落とされた額は結構な額でして。泣き寝入りはできない金額。「引き落とされたお金はどうなるんでしょう?」と、恐る恐る担当の方に聞いたところ・・・「今回はこちらが補償します」と言ってもらえまして。ふおお、さすがシティバンクさん。補償するのには、書類が必要だってことで、この書類のやりとりが、ちとメンドクサイのだが、まぁ、とにかく、お金が全額戻ってくるってことでホッとした。

 それにしても、スキミングって、オイラも被害者だけど、補償するシティバングさんも被害者ってことになるよな。もちろん、スキミングする犯人が一番悪者なんだけど、スキミング装置を設置されてしまうというATMの管理体制に問題があるのでは?

 いやぁ、ホッとはしたけど、やっぱり、なんか、嫌ぁ~な気分にはなりますな。いつどこでヤラレタか分からないという、犯人があやふやしているのに、オイラの金は、確実にかすみ取られたっていう事実だけがつきつけられる、この感じ。人が汗水たらして長年かけて貯めたお金を、労せず、一瞬で奪い取ってしまうというスキミング犯罪の理不尽さ。

 さて、そんなオイラの落ちた心を代弁するがごとく、空にはドンヨリとした雨雲がかかったままだった。せっかく楽しみにしていたロフォーテン諸島走りなのに・・・ああ・・・ホント、最近ついてないことばかり起こるよ、まったく。

 とりあえず、やることはやったので、あとはウダウダ悩んでいてもしょうがない。こういう時は、アレはアレ、旅は旅、と気持ちの切り替えをしなきゃ。荷物をまとめ、出発準備を終え、ロフォーテン諸島走りを開始。まずは、A(オー)というロフォーテン諸島最西端の町へ。ここで、道の端で記念撮影をした後、折り返して、本格的な、ロフォーテン諸島縦断チャリ走りのスタート。

 しばらく走っていたら、ロフォーテン諸島一、風光明媚な場所と言われているレイネの町に到着した。が・・・相変わらず、ドンヨリ曇空、っていうか、雨まで降り始めてしまった。風光明媚と言われている景色は、雨霧に隠されてしまい、まったく見えやしない。

 なんてこったい、今日はホント厄日なのかいな・・・

 まぁ、ノルウェーでは天気に文句を言ってもしょうがない。走っている場所が晴れるかどうかは、運みたいなもの。

 ということで、レイネの町を通り過ぎ、10kmくらい走ったところで・・・雨の中走っていたら、突然、カラダに日光があたった。最初、何が起こったのかわからなかった。天気雨。ノルウェーの気まぐれ天気の典型的な現象だ。

 で、それから、空は一気に青空となった。ふおお、オイラのロフォーテンへの想いが、ようやく今になって、旅の女神様に通じたようだ。

 ちと、遅いよ・・・いや、遅くはない。レイネに引き返せばいいのだ。10kmくらいなんてことはない。う~ん、普段だったら10km戻るなんて絶対にやらない距離なんだけどね。この時の天気の変化は、オイラに10kmくらいはなんでもないよ、って思わせるほど劇的なものだった。

 で、引き返して、改めて見たレイネの景色は・・・そりゃもう、素晴らしいものだった。先ほど、雨霧に隠されていた奥の方の山々までクッキリ見える。日光に照らされて、キラキラと輝いて。

 そして、さらに・・・虹まで出現して、風景に絶妙な彩りを添えてくれた。

 ああ、この感動的な風景は、先ほどまで曇天で雨だったという事実があるからこそのものだ。

 そう、その風景が素晴らしいかどうかってのは、<ある瞬間>だけのモノではない。絶頂の瞬間だけを捕らえた写真一枚見ても、その素晴らしさの本質は伝わらない。その場面にどうやって行き着いたか、過程を含めて、素晴らしさってことになるのだ。

 結果が全てさ、っていう考え方は、旅にはまったく当てはまらない。

 旅は、過程の方が重要なのだ。

 ある一枚の写真があったとして・・・そこへ辿り着くまでに何があったか、ってのが旅。

 キラキラ風景のレイネを堪能した後、天気はまたコロコロと変化したケド、基本的には、青空が覗いたままだった。

 そんな好天気の下で見るロフォーテンの風景は、絶景続き。

 ロフォーテン、期待した以上の素晴らしさですわ。

 今まで見てきたノルウェーの絶景要素が全て凝縮して詰め込まれている感じ。そして、その絶景要素を、次から次へと変化させて見せ付けてくれる。

 はぁぁ・・・こんな素敵な場所を、自転車で走る幸せ。

 さて、ロフォーテン諸島の西の島、モスケネス島を走り終え、次に、フラックスタッド島へ。ココの島間移動は、フェリーでもなく、橋でもない。海底トンネルを走ることになるのだ。ロフォーテンでも嫌いなトンネルかよぉ・・・と思って、ちょっとゲンナリしたのだが、ここのトンネルは、なんと、トンネル内の道に、チャリ走り用の路肩道路が設けられていた。チャリダーが多く訪れるから、わざわざこんな道を用意してくれているのかいな?いやぁ、他のトンネルも、こういう風にしてくれたら、トンネル嫌いにならずにすむのに。

 で、トンネルを抜けたところで、そろそろ日が沈む時刻となってきた。ちょうど、休憩所があったので、今晩は、ここでテントを張って野宿することに。で、テントを張って、夕食の準備をしていたところで・・・晴れ渡った空の一箇所に、なにやら、白いもやもやするものが見えた。

 最初は雲かな、と思ったのだが、雲にしては動きすぎる。

 ・・・こ、これは、もしや!

 同じく北欧を走っているチャリダーのカズくんが、オーロラを見れた!って言ってたんですよ。で、そんなカズくんから、オーロラは完全に暗くならなくても、見れたりするから、夕刻から要チェックですよ、ヨシさん、っていうアドバイスをいただいてまして。

 ひょっとして、オーロラなのかも、と慌ててカメラをセット。カメラを取り付けた一脚を柱に固定して、カメラのセッティングを長時間露光モードに設定。で、空を撮り続けたところ・・・

 やっぱり、オーロラだ!!!

 肉眼で見ると、おぼろげではかないモヤモヤにしか見えない空の現象なのですが、長時間露光モードのカメラで撮影すると、緑の帯がはっきりと映る。

 ・・・興奮で体の震えが止まらない。

 オイラにとって、オーロラはなんとしても、この旅で見ておきたい現象の一つだったんです。アラスカを走っていた時、絶好のタイミングだったにも関わらず、雪に負けて結局、オーロラを見ることなかったのが、めちゃめちゃ心残りだったので。日本に戻るまでに見れなかったら、アラスカリベンジってことで、オーロラを見るためだけに、もう一回アラスカ&カナダに走りに行こうかと、考えていたくらいだったんですよ。

 そのオーロラをようやく見れた、この興奮。

 しかも、このロフォーテン諸島で見れたという、この興奮。

 あ~、もう、今晩は眠れないよ・・・と言いつつ、疲れのために、オーロラ見ている途中で寝ちゃったんだけど(笑)

 ちなみに、オーロラは、かなり不定期に出現するため、空を見上げながら粘り強く待つのがポイント。そのためには、オーロラ観測は、野宿しながらってのが、最適。テント内に寝袋に包まったカラダをつっこんだまま、頭だけ外に出し、空を眺めて待てるんで。まぁ、こんなことが出来るのは、チャリダーの特権ですケドね、ふふふ。




































































































































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