Nordkapp
到着!北の果て

2013.9.18 / Norway(Honningsvag~Karasjok) 本日 自転車64km走行 : Total 48496km走行
天気:晴時々曇 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→クッキー 夕飯→ウィンナーの炒めモノ / 宿→Karasjok Camping(テント泊80Nok)

(English)
 I arrived at the northernmost place.



 晴れていた次の日の天気はよくない、というノルウェー天気のジンクスっていうか経験則に従うと、今日は曇天か雨の可能性が大。昨日の夜、オーロラが見えた後、急激に空に雲が張り始めていたからなぁ・・・あの雲が雨を降らす、いや、もうかなり寒いから雪っていうこともありえる、なんて思いながら、朝起きて、恐る恐るテントの外を覗いてみると・・・一部に雲はたちこめていたものの、青空が見えていた。

 よかった。北の果て到達に向けて、気分を盛り上げてくれる天気だ。

 朝日が昇り始める前に、荷物をまとめて、出発。結構風が吹いているのだが、幸いなことに追い風。気分がいい。う~ん、風まで味方になってくれるなんて。そして、味方となった風は、空に残っていた雲さえも、吹き飛ばしてくれた。ノールカップに近づくにつれ、雲がどんどんなくなっていき・・・ノールカップに到着する頃には、空は一面真っ青な青空に。

 なんなんですか、この素晴らしすぎる条件は。散々悩ませ続けられたノルウェーの天気に、こんなにお膳立てしてもらって、最北の地に到達できるなんて・・・なんだか妙にこそばい・・・いやいや、ホント、ありがたい。今まで悪態ばっかりついてて、すんませんでした、ノルウェーの天気さん。

 そして・・・ついに、ノールカップに到着!

 ノールカップとは、北緯71度10分21秒に位置している北の岬。最北の地と思われているが・・・実は違う。北極を抜いたとしても、一番北の陸地は、グリーンランド北方にあるカフェクルベン島。じゃぁ、ユーラシア大陸の最北の地なのか?というと、そういうワケでもない。ユーラシア大陸の最北端は、ロシアにあるタイミル半島の北端チェリュスキン岬。ノールカップは・・・<ヨーロッパ最北の地>なのだ。いや、実は、それも正解ではない。ヨーロッパ最北の場所はノールカップより約1.5km北にある、同じマーゲロイ島の岬、クニフシェロッデン。

 ということで、ノールカップって調べてみたら、なにげに中途半端な地。まぁ、最南端の町といわれているウシュアイアが実は違ったのと同じ感じか。ウシュアイアの場合、実際にはウシュアイアのさらに南、ビーグル水道の対岸にチリ領のプエルト・ウィリアムスという町があるのだ(Wikiによると、ウシュアイアって、世界最南端の都市っていう位置づけだった。なるほど、そうやってプエルト・ウィリアムスと差別化することで、世界最南端の肩書きを維持しているのか)。

 まぁ、果ての地は、そこが果て、というイメージが重要ですからね。断崖絶壁の岬であるノールカップは、クニフシェロッデンよりもそれっぽい。

 ・・・と、それっぽく感じるのも、ノールカップ=最北の地というイメージによって作られた幻影なのかもしれないが・・・

 とにかく、ノールカップは、オイラにとって、果てにきたぜぇ、という気分に十分させてくれる場所だったのは間違いない。

 有名な地球のモニュメントの下で、ガッツポーズ。

 こういう場所は、一人で浸ると最高。

 オフシーズンだし、時間は早いしということで、周囲には誰もいない。

 果ての到達を祝福してくれるがごとくの、澄み渡った青空。果てに来たことを存分に噛み締めることができる誰も居ない空間。

 ・・・ホント、果てに到達したことを堪能するのには、これ以上はない条件だった。

 満足だ。

 やりきったぜ、ノルウェー。

 端っこという地は、なんだか妙な達成感を与えてくれる。まだ、旅は終わったワケではないというのに・・・

 その後、ノールカップにあるノールカップ・ホールという建物の中を覗いてみたりもしたが、なんか、蛇足のような感じがして、すぐに出てきちゃった。最北端到達証明書なるものも、発行してくれるようだが、オイラはそういうのには、あまり興味はない。別に、紙で証明してくれなくてもいいんだもん。そんなものなんてなくても、今、ここ、最北に到達したということを十分に実感しているし、この気持ちはずっとオイラの心の中に残り続けるものだ。ただ、この気持ちは、チャリダーだから感じるものなのかも。自分の足でココまでやってきた、というプロセス(オイラは途中、バスを使ったりしたけど)が、自分がここにやって来たことを証明してくれるのだ。あらためて紙の証明書なんて、必要としない。

 さてさて・・・先ほどの最北説明に書いたように、実際の最北端は、クニフシェロッデンという、ノールカップからちょっと離れたところにある岬。ノールカップから肉眼で見ることもできる。で、このクニフシェロッデンまで、舗装道路はないのだが、歩いていけるトレッキングロードがあったりするので、チャリを置いて、歩いて行こうかなと考えたりもしたのだが・・・ノールカップで十分すぎるくらい満足しちゃったオイラ。ま、相棒ファニーバニーと共に来れる最北の地までやってきいたってことでいいじゃないか、気分はもう十分満足しているんだし、ってな気分になりまして。クニフシェロッデンには行かずに戻ることに。

 で、戻り道。先ほどまで味方だった風が、今度は敵。逆風でちょっと大変になったのだが・・・ま、到達まで気分をよくしてくれた風ですから。到達後の意地悪は全然我慢しますよ。

 なんて思っていたら、意地悪な風は調子に乗ってしまったのか、逆風だけにとどまらず、時間がたつにつれて、雲をどんどん運んできた。ホニングスヴォーグに戻る頃には、空はすっかり曇り空。ふ~、ノルウェー天気は、ホントに気まぐれ。澄み渡った青空の中ゴールできたのは、まさに、奇跡の瞬間だったのかも。

 さて、一気にホニングスヴォーグに戻ってきたオイラ。ここから先は・・・もう、バスに乗っちゃうことに。ノールカップからOlderFjordまでは、一本道のため、同じ道をまた走って戻らねばならない。同じ道を走るるのは、なんかね、っていうのもあるのだが、それ以上にあの7kmの海底トンネルをもうチャリで走って通りたくはない、ってのがバスチョイスの大きな理由。

 そして、今回の北欧攻めは、ノールカップに辿り着くのを目的としていたので・・・ゴールに辿り着いちゃった今、心理的には、かなり腑抜け状態になってしまった。今までのような気合の入った走りはできそうもない。

 ということで、ホニングスヴォーグからOlderFjordまでバスで行った後も、行けるところまで、さらにバスで行ってしまうことに。ちょうど、OlderFjordで、乗り換えバスが待機していて、それに乗ると、カラショークまで行ってしまえるということなので、一気にカラショークまでバスワープ。

 おお、フィンランドとの国境間近まで来ちゃったよ。ノルウェー旅が終わりかぁ・・・この鬼物価ゾーンからようやく抜けられると思うと、ホッとするんだけど、大好きになったノルウェーネイチャーがもう見れなくなるのが・・・かなり悲しい。




























































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